ファクタリングの掛け率とは?基本手数料は割引率と呼ばれる掛け率によって算出される

2024年8月29日

ファクタリングを利用するには手数料が掛かります。

ファクタリングの基本手数料は、割引率と呼ばれる掛け率によって算出されファクタリング会社によって異なります。

ファクタリングでいう「掛け率」とは、売掛金の額面に対する手数料の割合のことです。

ファクタリングでは売掛金の金額から手数料を差し引いた金額が入金されるため、割引率は利用者(利用会社)が実際に調達できる資金の金額に大きく影響します。

そこで本記事では、ファクタリングを利用する際に知っておきたい、ファクタリングの割引率の相場や手数料の内訳や計算方法などを解説します。

割引率をできるだけ抑える方法も解説するので、ぜひ参考にしてください。

ファクタリングにおける割引率とは

ファクタリングを利用する際には「割引率」について理解しておくことが重要です。

ここでは、割引率とは何か、また割引率の一般的な相場を解説します。

割引率とは手数料の割合のこと

ファクタリングの割引率とは、ファクタリングを利用する際にかかる手数料の割合のことです。

ファクタリングを利用する際には、譲渡対象となる売掛金の額面金額から一定の手数料が差し引かれることとなります。

この手数料の金額を決めるのが割引率です。

そもそも「割引率」という言葉は、資金調達方法の1つとして利用されている手形割引で用いられています。

手形割引では、手形の額面に割引率と支払いまでの日数をかけて割引料が計算される仕組みです。

一方、ファクタリングでは売掛金が譲渡対象になるため、売掛金の額面金額に割引率をかけて手数料を計算します。

額面金額から手数料を差し引いた金額が、利用者(利用会社)が受け取れる金額です。

割引率の相場

割引率はファクタリング会社やその他の条件によって異なります。

ここでは一般的な割引率の相場を紹介します。

割引率に大きく関わるのが、利用するファクタリングの契約方法です。

ファクタリングには2者間ファクタリングと、3者間ファクタリングがあり、割引率の相場は、どちらを選ぶかで異なります。

2者間ファクタリングでは8%~18%、3者間ファクタリングの場合で2%~9%程度が相場です。

また、ファクタリングの割引率は、売掛金の未回収リスクが高いほど高くなる傾向があります。

一般的に3者間ファクタリングよりも2者間ファクタリングのほうが、未回収リスクが高いとされるため、割引率も2者間ファクタリングのほうが高くなるのが通常です。

ファクタリングの割引率に影響する要因

先述のとおりファクタリングにおいては、ファクタリング会社が負うリスクが高いほど割引率が高く、リスクが低いほど割引率も低くなる傾向にあります。

ここでは、契約形態以外で割引率に影響する要因を解説します。

売掛先の業績や財務状況

売掛先の業績や財務状況が良ければ、割引率が下がる可能性があります。

これは、売掛先の業績や財務状況が安定していれば、支払期日に資金繰りが悪化し売掛金が未回収になる可能性が低いためです。

ファクタリングでは審査や割引率を決める際、利用者よりも売掛先の信用力が重視されます。

ファクタリングを利用する際は信用力の高い売掛先の売掛金を選ぶことが重要です。

利用者(利用会社)の信用力

2者間ファクタリングの場合は、利用者(利用会社)の信用力も割引率に影響します。

そもそもファクタリングの審査は融資とは異なるため、利用者(利用会社)の信用力はあまり重視されない傾向です。

ただし、2者間ファクタリングの場合は、売掛先に直接売掛金を確認できず利用者の提出する資料を信じるしかありませんので、嘘をついてないかといった意味での信用力が必要です。

また、2者間ファクタリングでは利用者(利用会社)が売掛金を回収し、ファクタリング会社へ送金することになるため、利用者(利用会社)が契約に違反しないか?といった信用力も必要とされます。

なお、過去に利用したことがあるファクタリング会社であれば信用を得やすく、割引率を低くしてもらえる可能性もあります。

売掛金の金額

ファクタリングでは、譲渡する売掛金の金額が大きいほど、割引率は下がる傾向があります。

これは、母数となる金額が大きければ、割引率を下げても一定の金額がファクタリング会社で受け取れるためです。

また、諸経費は売掛金の金額に関係なくほぼ一定の金額がかかるため、売掛金の金額が大きいほど、利用者(利用会社)が受け取れる金額も大きくなります。

支払期日までの日数

ファクタリングの割引率は、売掛金の支払期日によっても変わってくる可能性があります。

売掛金を回収するまでの期間(支払いサイト)が長い場合、支払期日までに売掛先の経営状況が悪化する可能性が高くなるため、ファクタリング会社にとってはリスクが高いとみなされます。

したがって、売掛金の支払期日が長いほど、割引率は高くなる傾向にあります。

一般的な支払いサイトの長さは30日~60日で設定されることが多く、これ以上長い場合は割引率が高くなる可能性があるため注意しましょう。

まとめ

ファクタリングの割引率は調達できる金額に大きく影響し、割引率の相場は、2者間ファクタリングで8%~18%、3者間ファクタリングで2%~9%程度です。

そしてファクタリング会社が売掛金を回収できないリスクが高いほど、割引率も高くなる傾向があります。

そのため、割引率を抑えたい場合は、売掛先の信用力が高い売掛金を選ぶと良いでしょう。

また、同じ条件でもファクタリング会社によって割引率が異なるため、複数の会社から見積りを取り、比較して選ぶことも大切です。