売掛金買取で資金調達ができる?メリット・選び方を紹介
2023年3月28日
事業を拡大すると取引が多く行われ、請求書発行による売掛金も増える一方で、思うように現金が入ってこないケースがあるかもしれません。
資金のひっ迫は企業の経営状況の悪化に繋がる、あるいは新たな事業投資のチャンスを失いかねません。
このように急な資金ニーズに対応する方法としておすすめなのが、ファクタリングと呼ばれる売掛金の買取による資金調達です。
ファクタリングを実行すれば、売掛金の期限を待たずに迅速な現金化が可能です。
ファクタリングと聞くと「ヤバい」というイメージを持つ人がいますが、実は法律的にも問題のない資金調達方法として国からも認められています。
今回の記事ではファクタリングの基本的な特徴やメリット、注意点やおすすめのファクタリング業者について紹介します。
借入に頼らない新たな資金調達手法として、ぜひ検討してみてください。
売掛金を買い取ってもらうファクタリングとは
ファクタリングは、企業や個人事業主などの「売掛金」を買い取ってもらうことで資金調達ができるサービスです。
売掛金の支払期限を待たず、早期に現金化したいときに便利な方法です。
まずは、ファクタリングをはじめとした売掛金を活用した資金調達について紹介します。
そもそも売掛金とは?
売掛金とは商品やサービスを提供したときではなく、将来的に決められた期日に支払われる代金のことを指します。
このような代金は、取引の形によっても呼び方が違います。
後払いの形でおこなう取引全般を掛取引といい、その時に代金を受け取る権利を「売掛債権」といいます。
一方で受取手形を発行する場合は手形取引となり、手形を発行しない場合に代金を受け取る権利が「売掛金」です。
売掛金は、口約束でも成立します。
しかし、一般的な取引では請求書を取引先に発行して代金を受け取る権利を形に残し、期限までに代金を支払ってもらう約束をします。
このように請求書は、手形取引ではない場合に「売掛債権」を証明する書類としての役割も果たします。
売掛金の買取りサービス、ファクタリングが便利
まずファクタリング利用のためには、ファクタリング専門業者と契約します。
その後、売掛金の額面から所定の手数料を引いた金額を速やかに現金化し、売掛債権を業者に移譲します。
借金をすることなく、売掛金を活用した資金調達方法として、中小企業や個人事業主などに盛んに利用されています。
ファクタリングは違法ではない
ファクタリングは特殊な取引のイメージを持たれがちで「違法では?」と心配する人も少なくありません。
しかし「売買契約」もしくは「債権譲渡契約」として民法に法的根拠が示されている、正当な取引です。
むしろ経済産業省は売掛債権を活用した資金調達を促進するため、2020年に債権法を改正し、譲渡制限付きの売掛債権も譲渡を可能にしました。
ファクタリングは政府も活用を認めた取引であり、全く違法ではありません。
売掛金を活用した売掛金担保融資とは?ファクタリングより良い?
売掛金を活用した資金調達手段は、他に売掛金担保融資があります。
これは銀行などの金融機関に売掛債権を担保として差し出して、代わりに資金を借り入れる方法です。
担保付きの借入の一種なので、こちらの方が、馴染みがあるかもしれません。
しかし売掛金担保融資は、万が一借り入れた資金で貸し倒れが発生した時に、売掛債権を現金化して損失を回収できるスキームとなっています。
そのため、売掛債権の額面より大幅に下回る金額が融資限度額となるケースが少なくありません。
ファクタリングも手数料は徴収されますが、現代では債権額面の数%~10%程度の手数料で現金化できる業者もあるため、同じ売掛債権でも、ファクタリングの方がより多くの金額を調達できる可能性が高いといえます。
ファクタリングの特徴
売掛債権を活用した資金調達手段であるファクタリングについて、もう少し詳しく特徴を紹介します。
次の特長を抑えて、自身の状況に合うファクタリングを選んでください。
2種類の契約方法がある
ファクタリングには利用者と業者間のみで契約を締結する「2社間ファクタリング」と、取引先も契約にかかわる「3社間ファクタリング」があります。
次項でそれぞれの詳細を解説します。
3社間ファクタリング
3社間ファクタリングは、利用者・業者に加えて取引先も契約に加わります。
この場合のファクタリングは、契約締結に際して取引先の承認を得たうえで進められます。
また、売掛債権の代金は平常時でも取引先が直接業者に支払います。
業者にとっては資金回収がしやすいため、手数料が相対的に安い傾向にあります。
一方、取引先には必然的にファクタリング利用の事実が知られるというデメリットがあります。
信頼のおける取引先でない場合は、資金繰りに困っているとの印象をもたれるリスクがあります。
また、取引先の承認を取り付ける必要があるため、現金化を実行するまでに時間がかかるケースも少なくありません。
2社間・3社間双方の特徴をふまえると、現金化を急いでいる、取引先にファクタリング利用の事実を知られたくないという人は2社間ファクタリングを利用しましょう。
一方で、手数料をできるだけ抑えたい、信頼できる取引先がいるという人は、3社間を利用するのがおすすめです。
2社間ファクタリング
2社間ファクタリングは、利用者と業者間のみで契約を締結するファクタリングです。
取引先からの支払いが滞らない限り、利用者が代金を回収したうえで速やかに業者に支払う必要があります。
ただし、もし支払いが滞った場合には、業者が取引先からの資金回収に乗り出すので、取引先の代わりに債務を肩代わりさせられるなどの心配はありません。
多くの業者は債権譲渡登記なしに契約できるため、利用者の取引先にはファクタリング利用の事実が知られません。
また、取引の当事者が少ないため、より迅速な現金化が可能です。
一方で、資金業者が取引先とコンタクトを取りづらいなど資金回収リスクが相対的に大きいため、手数料が高めに設定される傾向にあります。
担保・保証人は不要
ファクタリングは借り入れではないため、担保や保証人は不要です。
ビジネスとして資金を貸し付けて後で返済を求める行為は貸金業登録がなければできません。
しかし、資金提供において担保や保証人を設置すると貸金業とみなされる可能性があるため、正当な業者で貸金業登録がない場合は担保・保証人を求めることは絶対にないのです。
もし、貸金業登録なしに担保、保証人を求められた場合には、違法業者である可能性が高いので、利用しないようにしましょう。
審査では、売掛金の債務者の信用力が重要
ファクタリングを実行するには業者による審査を通過しなければなりませんが、審査では利用者の信用力よりも、売掛金の債務者にあたる取引先の信用力を重点的にチェックされます。
なぜならファクタリングでは、売掛金から期限通り入金されることが重要なため、取引先の財務状況が資金回収リスクに大きく影響するからです。
裏を返すと、やや信用力に不安がある企業や個人事業主などでも、質の高い売掛債権を保有していれば、ファクタリングを利用する余地があります。
ファクタリングを利用するメリット
ファクタリングにはさまざまなメリットがあるため、多くの中小企業や個人事業主などが、早期に資金調達する手段として有効活用しています。
ここではファクタリングのメリットを詳しく紹介します。
借金を増やさずに済む
ファクタリングは売掛金を買い取って資金調達する手法であるため、借り入れではありません。
従って、融資とは異なり借金を増やさずに資金調達ができます。
借金がいたずらに増えると、金融機関からの評価が悪くなったり、取引先から経営状況に疑念を持たれたりといったリスクが高まります。
ファクタリングはこうした事態を回避しつつ資金を調達する手法として有効です。
償還請求権がないの、返済リスクがない
貸金業登録のないファクタリング業者の場合、貸金業は行えないので、償還請求権を付与できません。
償還請求権とは、取引先(売掛債権の債務者)の倒産などにより資金回収が困難になった時に、利用者に債務の肩代わりを求めることができる権利のことです。
これがあると、もしもの時には債務を背負うリスクがあるということになります。
ですが償還請求権のない正当なファクタリング業者では、万が一取引先の倒産による貸し倒れなどが発生しても、利用者が資金回収リスクを負う心配はないので安心して利用できます。
もし貸金登録がないのに償還請求権ありとうたう悪徳なファクタリング業者を見つけた場合は、利用しないようにしましょう。
個人事業主・フリーランスが利用できる業者もある
ファクタリング業者によって、得意な顧客属性や売掛債権の金額規模がことなります。
中には個人事業主やフリーランスをターゲットとする業者も。
個人の場合は金融機関で融資を取り付けるのが企業よりも困難なため、売掛債権さえあれば迅速に資金調達ができるファクタリングは有効な手段の一つとなります。
迅速に売掛金を買取ってもらえる
売掛債権はそのままでは、支払いに使うことができません。
手元資金が乏しいがゆえにビジネスが制限されたり、最悪のケースでは黒字倒産に至ったりするリスクがあります。
ファクタリングで迅速に売掛金を現金化して、手元の資金を潤沢にしておけば、新規ビジネスに積極的に資金を投じることができます。
また、目先の支払いに困る心配もなくなるでしょう。
赤字企業でも利用できる場合がある
ファクタリング利用の際は、よっぽど取引相手として実績が乏しい、あるいは問題を抱えているような企業でなければ、さほど心配いりません。
つまり赤字企業や、財務状況に不安を抱えている企業でも、売掛債権の信用力が認められれば、資金調達を実行できる可能性があります。
そのため、ファクタリングは経営不振で融資を受けるのが難しい状況となった時にも、有効な資金調達手段の一つです。
バランスシートをスリム化できる
バランスシートをスリム化することを「オフバランス」といいますが、オフバランスにファクタリングを活用する企業も少なくありません。
売掛金は企業のバランスシートの左側の流動資産に含まれます。
すなわち、売掛金が多いとその分バランスシートの金額規模が大きくなるのです。
売り上げの規模の割にバランスシートが大きいと、ROAなどの経営指標が悪化するので、金融機関の評価や経営の健全性の観点から望ましくありません。
そこで、ファクタリングで資金調達をし、調達した現金でバランスシートの右側に計上されている負債を返済します。
すると、左右双方の金額が小さくなり、バランスシートをスリムにすることができます。
ファクタリングによる売掛金買取を実行する際の注意点
手数料がかかる点、審査に通らなければそもそも利用できない点など、ファクタリングを利用するうえでは、注意しておくべきポイントがいくつかあります。
ここから紹介するポイントをおさえておけば、トラブルを避け、スムーズにファクタリングを実行できるでしょう。
債権譲渡登記が必要な場合もある
業者によっては、ファクタリング利用のために債権譲渡登記が必要な場合も。
債権譲渡と登記とは、売掛金から現金を回収する権利が業者に移転したことを公的に証明する手続きです。
登記のためには数万円程度の費用が発生します。
また、登記の状況は誰でも見ることができるため、債権譲渡登記をおこなうと、たとえ2社間ファクタリングでも、取引先が債権の権利者を調べれば、権利者が移転したことを通じてファクタリング利用の事実に気づく可能性があります。
手数料支払いを抑えたい場合や、取引先に絶対にファクタリング利用を知られたくない場合は、債権譲渡登記なしのファクタリングを利用しましょう。
手数料がかかる
ファクタリングの手数料はファクタリング業者が売掛債権の資金回収リスクを負うことに対する対価であり、また業者の収益源です。
ファクタリングは、業者にとってはビジネスの一環なので、必ず手数料が発生します。
そのため、手数料を加味すると、現金化できる金額は常に売掛金の額面より少額になるので注意しましょう。
悪徳業者に巻き込まれないよう注意
ファクタリング業者のほとんどは優良なビジネスをおこなっている問題のない業者ですが、中には悪徳業者が存在し、過去にトラブルとなった例もあります。
悪徳業者に多いのは、貸金業登録がないのに、貸金業まがいの取引を要求するケースです。
例えば、次のような取引は、いずれも貸金業に当たる可能性が高いとされています。
・給与ファクタリングをおこなっている
・分割払いになっている
・償還請求権がついている
・返済が必要で利息がつけられている
また、単純に手数料が高すぎるケースや、手数料体系が複雑だったり、契約完了後に追加の手数料を求められたりするケースなどにも注意しましょう。
複数の業者を比較して、手数料の適正水準を見極めながら、契約先を検討することが大切です。
その他、給与を債権とみなして現金化する給与ファクタリングも貸金業に当たる疑いが強いビジネスです。
法外な金利を課される、悪質な取り立てをされるなどの被害も発生しているので、絶対に利用しないようにしましょう。
審査落ちしたら現金化ができない
ファクタリングでは、取引におけるリスクや、手数料の割合を判定するために必ず審査をおこないます。
取引先(売掛金の債務者)の信用力に不安な点があれば、手数料が高くなったり、最悪の場合審査に通らなかったりすることもあります。審査に通らなければその業者ではファクタリングができないということになります。
ただし、業者によって審査基準や得意とする売掛金の特徴には差があるため、ある業者で審査落ちしても、他の業者で審査に通るケースは少なくありません。
あきらめずに別の業者でも手続きを進めてみるとよいでしょう。
どうしても審査に通らない場合は、債務者が公的機関や大手企業であるなど、より信用力の高い売掛金をファクタリングに出せないか、再検討してみてください。
売掛金買取を活用すべき企業や個人事業主とは?
ファクタリングは、「迅速に資金調達したい」「信用力に不安がある」など、融資による資金調達では資金ニーズを充足できない企業や個人事業主におすすめです。
信用力に不安がある
赤字企業やビジネスを開始して間もない中小企業、個人事業主などは金融機関の融資の審査が通りづらく、思うように借り入れによる資金調達ができません。
一方で信用力の高い売掛金を保有していれば、ファクタリングは利用者の信用力が大きな障害とならないため、おすすめです。
資金回収リスクを負いたくない
売掛金を多く持っていると、それらの資金回収のリスク管理をしなければなりません。
企業の規模に対して資金回収リスクが高い、もしくはリスク管理のコストや負担を減らしたいという場合にも、ファクタリングによる資金回収リスクの移転が、有効な解決策となるでしょう。
すぐにでも資金調達をしたい
融資をはじめとした他の資金調達手段は、審査や手続きに一定の期間がかかります。
一方でファクタリングなら最短で即日現金化ができるため、他の資金調達手段より早期に現金を受け取れます。
資金調達を急いでいる企業や個人事業主にも適した調達手段といえるでしょう。
ファクタリング業者の選び方のポイント
悪徳業者を避け、また自身にとって適したファクタリング業者を選ぶうえでのポイントを紹介します。
あなたに合ったファクタリング業者を選ぶための参考にしてください。
3社間・2社間どちらを利用するか
2社間ファクタリングは手数料が高くつきますが、取引先に知られず迅速に現金化ができます。
一方で3社間は取引先の承認が必要ですが、手数料をおさえることができます。
どうしても即日で現金化したい場合は2社間、できるだけ売掛債権の額面に近い金額を調達したい場合は3社間といったように、うまく使い分けてください。
また、業者によっては2社間、3社間のいずれかしか対応していない場合もあるので、契約形態にあった業者を選びましょう。
手数料水準
ファクタリングで現金化できる金額は、売掛債権の額面と手数料水準で決まります。
一部一律で手数料を設定している業者もありますが、ほとんどの業者は審査結果により手数料率は変化します。
自身の属性やファクタリングに出す売掛金の特性により、各社手数料の割合は変わります。
2社間でも3社間でも1%を下限としている業者がいますが、3社間ファクタリングの方が手数料をおさえやすい傾向にあります。
複数社に確認して、できるだけ手数料をおさえられる業者を選ぶのがおすすめです。
個人事業主・フリーランスも利用できるか
業者によっては法人とのファクタリングのみを扱っている場合があります。
また対応していても個人事業主やフリーランスの手数料が割高に設定される場合も。
逆に個人事業主、フリーランスを主要ターゲットとしているファクタリング業者も多数あります。
個人事業主やフリーランスでファクタリングを利用する場合には、自身の属性にマッチしたファクタリング業者を選びましょう。
実績のある信頼できる業者か
実績がない業者は悪徳業者のリスクが高くなりますし、手続きや審査において思わぬトラブルに見舞われるリスクや、適正な手数料が提示されないリスクなどが想定されます。
ファクタリング業者の実績や業者のWebサイトや口コミなどである程度確認できるので、それらを参考に信頼できる業者を利用するようにしましょう。
入金までの早さ
審査や手続きのスピードは2社間、3社間かの契約形態や、オンライン手続き可能かによって変わってきます。
2社間ファクタリングをオンラインですべての手続きが完結する業者でおこなうと、最短で即日など迅速な現金化が可能なため、入金までの早さを重視する人にはおすすめです。
売掛金買取による資金調達で経営の安定化や事業投資の加速を
ファクタリングを利用すれば売掛金を買い取ってもらうことで、支払い期限を待たずに迅速に資金調達ができます。
手元資金が乏しい場合や、いますぐ新規事業に投資してビジネスを加速させたい場合などにおすすめのサービスです。
赤字でも利用できる、借金を増やさずにすむといったメリットがあります。
一方、手数料がかかるため売掛債権の額面より現金化できる金額が少なる点には注意しましょう。
悪徳業者も中には存在しますので、信頼できる業者を利用してください。