2社間ファクタリングはなぜ即日資金調達可能なのか解説
2024年6月9日
2社間ファクタリングは、融資を受けにくいスタートアップ企業や即資金が欲しい事業主が利用できる法的に有用な資金サービスです。
取引先に知られることなくファクタリングを利用できるのがメリットですが、新しいサービスのため仕組みが分からないと思う事があるかもしれません。
この記事で、2社間ファクタリングのメリット・デメリットとファクタリング会社の選び方を解説します。
2社間ファクタリングの取引の流れを確認しましょう。
2社間ファクタリングとは
2社間ファクタリングは、債権(売掛金)を譲渡し、その対価として金銭を得る「民法第555条の民法売買契約」に該当します。
自社とファクタリング会社の2社間でファクタリング契約する取引を「2社間ファクタリング」と呼びます。
「2社」とは
1社:自社=ファクタリングを利用して資金調達をしたい利用者
2社:ファクタリング会社
2社間のみで売掛権利の譲渡が行われるため、取引先の了承が不要です。取引先にファクタリングの利用も通知されません。
2社間ファクタリング取引の流れ
資金調達までの流れ
自社と取引先の売掛金の取引が発生
↓
自社がファクタリング会社へ申込
↓
売掛金の権利をファクタリング会社へ譲渡
↓
ファクタリング会社が売掛金の権利を買取
↓
ファクタリング会社から自社へ売掛金の額が振り込まれる
個人事業主は2社間ファクタリングを利用できない?
2社間ファクタリングの多くは「売掛債権の譲渡登記」を条件として提示しています。「売掛債権の譲渡登記」とは、売掛債権の譲渡について「誰が有利な権利を持っているのか」を明確にして2重譲渡などのトラブルを回避する制度です。
売掛債権の譲渡登記は法人しか利用できない制度のため、個人事業主は、売掛債権の譲渡登記が条件の2社間ファクタリングを利用する事は出来ません。
3社間ファクタリングであれば「売掛債権の譲渡登記」は不要ですので、売掛先の同意さえ得られれば、個人事業主でも利用できます。
2社間ファクタリングのメリット
取引先の承認不要
2社間ファクタリング最大のメリットは、取引先にファクタリングをしていることを知られることなく手続きを完了させられることです。
取引先に「不安」「ネガティブ」なイメージ持たれる事を回避できるため、秘密重視の資金調達に向いています。
すぐに現金化ができる
2社間ファクタリングは、取引先の承認不要のため、最短で即日現金を手にすることができます。すぐに現金化できるのは、2社間だけで契約が行われるため権利譲渡までの工程が少ないからです。
早く資金調達をしたいときには2社間ファクタリングが向いています。
償還請求権が発生しない
2社間ファクタリングでは、償還請求権は発生しません。償還請求権とは、代金を支払った後でその費用をファクタリング利用者に請求する権利のことです。
万が一取引先が倒産し、売掛金が回収できなかった場合でもファクタリング会社から受け取った現金を自社は返還する義務はありません。
2社間ファクタリングのデメリット
手数料が高い
2社間ファクタリングは、3社間ファクタリングより手数料が高く設定されています。手数料は「売掛金額×%」で計算されます。
2社間ファクタリングでは、手数料を差し引いた金額がファクタリング会社から支払われるため、本来の取引の売掛金額を下回る額になることを理解しておきましょう。
手数料が高い理由
2社間ファクタリングの手数料が高い理由は、ファクタリング会社にとって2社間は3社間よりも未回収リスクが高いためです。
ファクタリング会社は、自社(サービス利用者)の確認・信用で取引するため高額の手数料でリスク回避しています。また、2社間ファクタリングは償還請求権もなく、資金回収不可能のリスクもあるため、手数料が割高に設定されています。
審査基準が厳しい
手数料が高い理由と同じリスクの観点から、2社間ファクタリングは審査基準も厳しくなります。ファクタリングの審査は、取引先の信用力の審査と言われます。
しかし、利用者の資金の動きも含めて審査されますので、まずは書類をしっかり揃えましょう。
審査に必要な書類の例
本人確認書類
入出金明細
売却予定の請求書
昨年度の決算書一式
売掛金回収と支払の責任は利用者
取引先から売掛金を回収した場合、すぐにファクタリング会社に直接支払う必要があります。ファクタリング会社への支払期日と振込手数料は確認しましょう。
売掛金を使ってしまったり、期日までにファクタリング会社へ支払わない場合は、業務上横領となり、控訴など法的手続きを取るケースもあります。
2社間の場合は、売掛金の権利は譲渡しても「取引先からの売掛金回収」と「ファクタリング会社への支払」責任は利用者です。
2社間ファクタリングの選び方
償還請求権の有無を確認する
ファクタリングは「売掛債権の買取サービス」です。貸付ではないので、償還請求権は発生しません。
万が一取引先が倒産し、売掛金を回収できなかったとしても、ファクタリング会社には企業に支払った現金を回収する権利がないのです。
2社間ファクタリングであるにもかかわらず償還請求権があると説明してくるファクタリング会社は利用しないようにしましょう。
手数料を確認する
2社間ファクタリングは手数料は、平均10%〜20%です。平均以上の手数料を提示された場合は、悪質なファクタリング会社の可能性があります。
手数料は「譲渡する金額」「取引先の信用度」「利用回数」など色々な要素で決まります。必ず公式サイトで確認する、もしくは見積りを依頼しましょう。
まとめ
2社間ファクタリングは、融資を受けにくいスタートアップ企業や即資金が欲しい場合には有用な資金調達方法です。
特に2社間は取引先に通知されない為、人気ですが手数料が高い事がデメリットです。
2社間ファクタリングを利用する時は「デメリット」を理解し、返済までの資金スケジュールを立てて利用しましょう。