つなぎ融資(資金)としてファクタリングは利用できる?その他の資金調達方法と比較して解説
2023年9月30日
会社の経営や資金繰りが危うい際、文字通り救世主となりうるのが「融資」です。
ただし、一般的に事業体が金融機関から融資を受ける際は時間がかかります。審査は確定しているが、融資の実行までにタイムラグがあるという場合に使えるのが「つなぎ融資」です。
では、同じ様な状況下でファクタリングをつなぎ融資として利用することは出来るのでしょうか?
今回はファクタリングをつなぎ融資の代わりにすることは可能か?という点と、ファクタリング利用にあたって注意すべき点をご紹介していきます。
つなぎ資金としてファクタリングは利用可能!
結論から言えば、ファクタリングはつなぎ資金として利用が可能です。
また、つなぎ資金・融資とはそもそもどのようなものか?についてもここで解説しておきます。
つなぎ資金・融資とは、簡単に言ってしまえば「本来の融資や資金調達については目処がたっており、あとは実行を待つだけだが、その融資実行までのタイムラグを待てそうにない」場合に、一時的に必要な資金を調達するためのローン/資金調達方法のことを指します。
主に銀行などが中小企業を対象に行っており、基本的には数日~数週間など比較的早いスパンで貸付を受けられる特徴があります。
つなぎ資金を用意する4つの方法
ところで、ファクタリング以外にもつなぎ資金を用意する方法はあります。
ここでは読者の方に幅広い選択肢を提供できるよう、ファクタリング以外の方法も含め以下の4つを紹介します。
ファクタリング
まずはファクタリングです。
ファクタリングについて改めてご説明いたしますと、売掛金を最短即日もしくは数日以内に売却し、その対価として手数料を差し引いた現金を受領するという方法です。
例えば翌月末払いの売掛金がある場合、支払い期日を待たずに今すぐファクタリングを利用することで、「本来ならば来月振り込まれるはずのお金(売掛債権)」を受け取ることができます。
ファクタリングのメリットとしては、申込者の個人信用情報や事業の状況よりも、売掛先法人であったり、売掛債権自体の信用性が審査のポイントとなる点が挙げられます。
また、ファクタリングは担保金なども必要ないため、売掛金さえあればすぐにでも利用することができます。
銀行融資
銀行融資で正規のつなぎ融資を申し込むという方法ももちろんあります。
ただし、ファクタリングと比較すると審査基準が高く、場合によっては審査に落ちてしまう可能性もあります。
ファクタリングは売掛先や売掛債権そのものの信用力が審査のポイントになるため、これらの要素をクリアできていれば、理論上はどんな企業であってもファクタリングの審査をパスすることが可能です。
他方、銀行融資の場合はつなぎ融資ということで一定の資金調達目処が立っていたとしても貸金業法等による審査基準があるため、状況によっては必ずしも融資を受けられない可能性があることを理解しておく必要があります。
不動産担保貸付
担保として保有物件(不動産)を差し入れることで、金融機関の審査をスムーズに通して資金調達できるようにする手段です。
一般的な無担保ローンよりも担保があるだけ審査に通過しやすく、会社の財務状況や代表者の個人信用情報よりは担保の力が重視されます。
ただし、通常の不動産担保貸付は、基本的に「1回限り」の貸し付けとなります。つまり、カードローンのように極度額が設定され、その中で自由に返済・借り入れを繰り返せるわけではない点に注意して下さい。
ビジネス・事業者ローン
銀行融資ではなく一般的な貸金業者(いわゆるノンバンク)で提供している事業者向けローンを一時的に借り入れることで、足りない分の運転資金を確保するという手もあります。
この場合、基本的につなぎ融資という担保となる返済原資がある前提での審査が入りますが、それでも貸金業者としての審査基準となることから、一般的にはファクタリングと比べればハードルが高くなると考えておいた方が良いでしょう。
どんな時につなぎ資金が必要になる?
ところで、どの様なタイミングでつなぎ資金が必要とされるのでしょうか?
ここではつなぎ資金の需要があると考えられるタイミングについて解説します。つまり、以下に該当するケースではつなぎ資金の調達が最適解と考えられる可能性があります。
人件費の支払い
例えば卸や小売業といったご商売の場合、急激に需要が「跳ねる」ケースもままあります
この時、商品の仕入れや人件費の支払いなどで急に資金が必要になることが考えられます。
こういった状況であれば、すでに確定している売掛債権が存在するのが一般的であることから、ファクタリングをはじめとするつなぎ資金の調達を行うことで、最短即日でまとまった金額を確保でき、事業上のボトルネックを一気に解消できます。
建設資材の購入
一般的に建設業の場合、大きな工事を受注した場合など一時的に持ち出しの費用がかさむ場合があります。この場合は、一時的な資金不足を補うためにつなぎ資金を利用すると良いでしょう。
特にこういったケースでは工事の請負契約書などのエビデンスとなる書類が用意出来るため、審査も通りやすくなります。
補助金交付までの資金繰り
補助金、助成金の交付が確定しているにも関わらず、交付までのタイムラグのために資金が逼迫しているというケースもあるでしょう。
こういったケースではつなぎ資金の調達が適切です。例えば2020年に多くの人が申し込んだ持続化給付金は給付金扱いでしたが申込みが全国的に殺到し、多くの方が実際に受給するまでにはかなりの時間を要しました。
こうした場合、申込みの受付から審査完了までに多くの時間を要するケースも多く、申込み手続きおよび審査自体は完了していても、実際の入金までに時間がかかるケースが散見されます。
の受給が確定している場合には関連書類をエビデンスとして提出することでつなぎ融資や各種資金調達も容易になります。
ファクタリングをつなぎ資金として利用するメリット
では、ファクタリングをつなぎ資金として利用するメリットには一体どのようなものがあるのでしょうか。
結論から言えば、最大のメリットは何と言っても「スピード」でしょう。
例えば最短即日のファクタリングも存在しており、早ければ当日の朝一番でお申し込みをいただき、その日の昼過ぎには売買代金のご入金が可能なケースもあるほどです。
他の資金調達は「つなぎ」といってもやはりシステム上、どうしても一定のタイムラグが発生してしまいます。しかし、ファクタリングであれば、最短即日で契約が完了し、入金までにかかる時間が最短数時間程度となります。
そもそもファクタリングは売掛債権の買取という形で、売掛先への請求書発行後、実際に入金されるまでの資金ニーズに応えるサービスであるため、ファクタリング会社に売掛債権を売却した時点で原則は即入金されます。
つまり、売掛債権の買い取り代金が支払われ次第、即時に資金が手元に入ることになるのです。この圧倒的なスピード感は、他の資金調達方法には見られないものでもあります。
まとめ
つなぎ資金としてファクタリングを利用することは大変おすすめできます。
なぜなら今回ご紹介したように、他のつなぎ資金調達方法は時間や手間がかかることが多いのに対し、ファクタリングは最短即日で入金が叶うからです。
ただし、注意するべき点は、あくまでファクタリングは売掛債権を買い取るサービスであることから、売掛債権が存在しない状態では利用できないという点にあります。
以上、ファクタリングを利用してつなぎ融資の代わりにすることは可能か?という点とファクタリング利用にあたって注意すべき点を解説しました。