2社間ファクタリングのおすすめ活用法と注意点を徹底解説
2025年8月11日
中小企業や個人事業主が資金繰りに悩んだとき、銀行融資以外の資金調達手段として注目されているのが「ファクタリング」です。とくに取引先に知られることなく資金調達できる「2社間ファクタリング」は、事業者にとって使いやすく、近年ますます利用が広がっています。
しかし、「2社間ファクタリングを使ってみたいけれど仕組みがよくわからない」「どんな会社を選べばいいのか迷う」といった声も多く聞かれます。本記事では、2社間ファクタリングの仕組みやおすすめの活用法、利用時の注意点、さらに業者選びのポイントまで詳しく解説していきます。
1. ファクタリングとは?2社間と3社間の違い
ファクタリングとは、企業が保有する売掛金(売掛債権)をファクタリング会社に売却し、期日前に現金化する資金調達方法です。借入とは異なるため、金融機関からの信用枠を消費せずに資金を得られるのが特徴です。
ファクタリングには「3社間」と「2社間」の2種類があり、その最大の違いは「売掛先に債権譲渡の通知・承諾が必要かどうか」です。
3社間ファクタリングでは、売掛先に債権譲渡の事実を通知・承諾を得る必要があり、法的な安定性は高い反面、売掛先との関係性に影響する可能性があります。
それに対し、2社間ファクタリングでは、売掛先に通知を行わず、利用企業とファクタリング会社の2者間のみで契約を完結できるため、取引先に知られることなく資金調達を行うことが可能です。
2. 2社間ファクタリングの仕組み
2社間ファクタリングの基本的な流れは以下のようになります。
利用企業が保有する売掛債権の情報をファクタリング会社に提示
ファクタリング会社が審査を実施
承認後、売掛債権を売却し、売掛金の一定割合(70〜90%)を即時入金
売掛金の入金期日に、利用企業が売掛先からの回収金をファクタリング会社に支払う
このように、2社間ファクタリングでは利用企業が回収代行を行うため、売掛先には債権譲渡の事実が知られない点が最大のメリットです。
3. 2社間ファクタリングのメリット
3-1. 売掛先に知られない
取引先との信頼関係を重視する企業にとって、売掛債権を第三者に譲渡したことが知られるのは大きなリスクとなります。2社間ファクタリングでは、こうした外部への通知が不要なため、取引先に情報が漏れることなく資金調達を行うことが可能です。
3-2. スピード資金調達が可能
2社間ファクタリングは審査から資金化までが非常に速く、最短即日で現金化できる場合もあります。特に「今週中に資金が必要」「急な支払いに対応したい」といった緊急時の資金繰りに強い味方となります。
3-3. 赤字や税金滞納があっても利用できる
通常の金融機関からの融資では、赤字決算や税金の滞納があると審査に通らないケースがほとんどですが、ファクタリングでは売掛先の信用力が重視されるため、利用企業が一時的に業績不振でも利用できる可能性があります。
4. 2社間ファクタリングのデメリットと注意点
4-1. 手数料が割高
3社間に比べてリスクが高いと判断されるため、2社間ファクタリングは手数料が高めに設定される傾向があります。相場は売掛金額の5〜20%程度で、事業者にとっては資金効率が下がる可能性もあるため注意が必要です。
4-2. 売掛金の回収責任は自社にある
2社間ファクタリングでは、売掛先からの入金を受け取るのはあくまでも利用企業自身です。つまり、売掛先が期日に支払わなかった場合、ファクタリング会社への支払いは利用企業が行わなければなりません。そのため、売掛先の信用状況の見極めが重要です。
4-3. 悪質な業者の存在
近年のファクタリング需要の高まりに伴い、一部には高額手数料を請求する悪質業者も存在します。金利規制が及ばないことを逆手に取って、実質的に違法な貸付を行うような業者も報告されており、信頼できる業者選びが非常に重要です。
5. 2社間ファクタリングのおすすめ活用シーン
2社間ファクタリングは以下のようなシーンでの利用がおすすめです。
・急な資金ニーズが発生したとき(例:外注費、仕入代金、人件費の前払い)
・売掛先との関係性を維持したいとき(債権譲渡の通知を避けたい)
・銀行融資の審査が通らなかった、または審査時間をかけられない場合
・黒字化の目処は立っているが、一時的に資金がショートしているとき
こうした状況では、スピーディかつ柔軟な資金調達が可能な2社間ファクタリングは非常に有効な選択肢です。
6. 2社間ファクタリング業者を選ぶポイント
2社間ファクタリングを安全に、かつ効果的に活用するためには、信頼できるファクタリング業者の選定が不可欠です。選定時には以下のポイントを押さえるとよいでしょう。
6-1. 手数料の明確性
提示された手数料が明朗であるか、契約前に総支払額が明確に説明されているかを必ず確認しましょう。あいまいな説明や契約後に高額な追加料金が発生するような業者は避けるべきです。
6-2. 運営実績・会社の透明性
設立から数年経過しているか、実績のある会社かどうかも重要な判断材料です。登記情報、所在地、連絡先が明確で、ウェブサイトや口コミにも透明性が感じられる業者を選ぶべきです。
6-3. 対応スピードとサポート体制
急な資金需要に対応するには、初回の問い合わせから審査・入金までのスピードも重要です。また、契約後のトラブルに備えたサポート体制が整っているかも確認しましょう。
6-4. 柔軟な対応が可能か
売掛先の条件や金額、期間などに柔軟に対応できる業者を選ぶことで、さまざまな状況に対応できるようになります。必要に応じて2社間から3社間への切り替えも相談できる業者が理想です。
7. まとめ
2社間ファクタリングは、スピーディかつ柔軟な資金調達を実現できる便利な手段です。とくに中小企業や個人事業主にとっては、取引先に知られずに資金繰りを改善できる点で大きなメリットがあります。
ただし、手数料の高さや回収責任といったリスクもあるため、信頼できる業者の選定と、自社の状況に応じた活用方法の見極めが不可欠です。無理のない範囲で資金を確保し、事業の成長や安定運営につなげていきましょう。