ファクタリングが信用問題に与える影響はない?その理由とは?
2024年12月11日
この記事では、ファクタリングが信用問題に与える影響について詳しく解説します。
ファクタリングは売掛債権を対象とする取引であり、審査の際に信用情報を確認しないため、基本的に信用問題に影響を及ぼすことはありません。
ですが、他社のファクタリング利用や取引先との信頼関係への影響など、新たな信用問題に発展するリスクを懸念し、利用を躊躇してしまう場合もあるでしょう。
信用情報とは?個人・法人の違い
信用情報とは、個人や企業の金融取引の履歴や信用状況を記録した情報です。金融機関はクレジットカードや、住宅ローン、カードローンなどの申し込みがあった際に信用情報を確認し、支払い能力に問題がないかを確認しています。
支払いの遅延や滞納などで信用情報が悪化すると、いわゆる「ブラック」状態になり、融資などを受けにくくなる可能性があるため、注意しましょう。
個人の信用情報
個人の信用情報には、主に以下の内容が記録されます。
現在および過去に利用したクレジットカードの利用状況(残債や異動情報など)
クレジットカードやローンの新規申し込み情報
自己破産や任意整理などの債務整理情報
これらの信用情報を管理する指定信用情報機関として、以下の3つが存在し、それぞれが保有する情報には違いがあります。
CIC(株式会社シー・アイ・シー)
JICC(日本信用情報機構)
KSC(全国銀行個人信用情報センター)
金融機関や貸金業者は、これらの機関のいずれかに加盟しており、CRINやIDEAなどのネットワークを通じて情報を共有しています。
個人に対して融資を行う場合は、返済余力を超える貸付を防止するために、貸金業法によって信用情報の照会や個人信用情報機関への情報提供が義務付けられています。
一方、法人に対して融資を行う場合、必ずしも信用情報を確認するとは限りません。
たとえば、法人代表者が連帯保証人になる融資であれば、審査において個人の信用力が重視されるため、個人の信用情報を入念に確認するでしょう。
しかし、事業目的の融資を行う場合は、事業の成長性や財務状況などを中心に与信が行われるため、個人の信用情報は確認されない可能性が高くなります。
法人の信用情報
法人名義で銀行や消費者金融から借入をした場合、信用情報が記録される可能性があります。法人の個人情報を記録しているのは、指定信用情報機関のうち、JICCのみです。
個人の信用情報と比べると保管されている信用情報は少ないと考えられます。
ファクタリングの利用時に信用情報はチェックされない
一般的に、ファクタリング会社は審査の際に信用情報の照会を行っていません。これは以下のような理由に基づいています。信用情報に傷がある場合でも、ファクタリングであれば基本的に利用可能です。
ファクタリングでは売掛先の支払い能力が審査対象になるから
一般的な融資は、信用に基づいて金銭を貸し与える「与信取引」です。貸し倒れのリスクを防ぐため、貸し手(金融機関)は借り手(融資の申込者)の信用状態を評価する必要があり、そのために信用情報を確認する必要があります。
一方、ファクタリングは売掛債権を他の企業や金融機関に譲渡し、現金を受け取る「債権譲渡取引」です。
現金を受け取る代わりに、「取引先から現金を回収する権利」を引き渡すことになるため、債権譲渡取引で未回収を防ぐためには「売掛先の支払い能力」をチェックすることが重要になります。
売掛先の同意があれば信用情報を確認することは可能ですが、ファクタリングの利用を知られたくないと考える事業者が大半でしょう。
そのため、信用情報をもとに売掛先の信用力を測るのではなく、帝国データバンクや東京商工リサーチなどの調査会社が持っているデータを活用し、ファクタリング会社独自で審査を進めるケースが一般的となっています。
ファクタリング業者は信用情報機関に加盟していないから
信用情報を照会するためには、信用情報機関への加盟が必要です。加盟できるのは、主に貸金業者やリース業者などに限定されていますが、ファクタリング業者は基本的に加盟資格を満たすことはほとんどありません。
信用情報機関に加盟していないファクタリング会社は、審査の過程で信用情報の照会ができないので、万が一信用情報が悪化していたとしても、それを理由に利用を断られることはないでしょう。
ファクタリングの利用状況は信用力へ影響する?
ファクタリングの利用状況は、基本的に外部に共有されることはないため、信用力に影響する可能性は低いでしょう。
ただし、ファクタリング会社への支払いを怠った場合は、他社ファクタリングの利用や、取引先との関係に影響が出て信用問題に発展するリスクがあります。
まとめ
ファクタリングは与信取引に該当しないため、申し込みや利用をしても信用情報に記録される心配はありません。
また審査時には信用情報が影響しないため、ブラックリスト状態でもファクタリングなら資金調達できる可能性があります。
ファクタリングの審査に通るには売掛先や売掛金の信用度が重要なため、証明できる書類を事前に準備しておきましょう。