売掛金未払いと裁判所対応について解説 落ち着いてまずは確認しましょう
2025年8月22日
売掛金未払いとは
売掛金とは、商品やサービスを提供したものの、まだ代金が支払われていない債権のことです。取引先が支払いを怠った場合、資金繰りに大きな影響を及ぼす可能性があり、中小企業や個人事業主にとっては深刻な問題となります。
未払いが発生した際の基本対応
売掛金が期日までに入金されない場合、まずは以下のステップを踏むことが一般的です。
催促(電話・メール)
支払い忘れなどの単純なミスの可能性もあるため、穏やかに確認します。
内容証明郵便の送付
法的効力を持たせるために「支払い期日を過ぎている」「〇日以内に支払いがなければ法的措置を検討する」といった文面を送付します。
弁護士への相談
相手が支払いに応じない場合、法的手続きを視野に入れる段階です。
裁判所での手続き
裁判所を通じて売掛金を回収する方法はいくつかあります。
1. 支払督促(簡易裁判所)
裁判所に申立てを行うことで、相手方に「支払いを命じる書面」が送付されます。
相手が異議を申し立てなければ、そのまま強制執行が可能です。
比較的低コストで迅速に進められる手続きです。
2. 少額訴訟(60万円以下)
60万円以下の売掛金であれば、少額訴訟を利用できます。
1回の審理で判決が出るため、短期間で解決可能。
ただし、相手が通常訴訟に移行を希望した場合は、通常訴訟へ切り替わります。
3. 通常訴訟
金額が大きい場合や争点が複雑な場合は、通常訴訟で回収を目指します。
判決確定後に相手が支払わない場合は、差押え(預金・不動産・売掛金など)を行うことになります。
裁判を起こす前に確認すべきポイント
相手の資産状況:差押え可能な資産がなければ、判決を得ても回収できません。
証拠の有無:契約書、納品書、請求書、メールのやり取りなど、債権の存在を立証できる資料が必要です。
弁護士費用・裁判費用:回収額と費用のバランスを考慮する必要があります。
まとめ
売掛金未払いは、放置するとさらに回収が困難になります。
初期段階では催促や内容証明郵便で対応し、それでも解決しない場合は裁判所を通じて法的に解決を図ることが重要です。
中でも「支払督促」や「少額訴訟」は中小企業・個人事業主が利用しやすい制度です。
取引先が支払いに応じない場合、早めに弁護士や専門家に相談することが、確実な回収につながります。