出資と資金調達について解説します。
2024年1月1日
返済の必要がなく、利息もかからない「出資」
「出資」とは、ベンチャーキャピタルや投資家から事業の成功や成長を期待してお金を出してもらうことを指します。つまり、投資です。お金を借りるわけではないので返済の必要はありませんが、成長度合いに応じて利益を還元する必要があります。
たとえば、株式投資を受けたのであれば、値上がり益や配当金を支払うことになります。
出資を受けることのメリット・デメリットは以下のとおりです。
出資を受けることのメリット
メリット1:お金を借りるわけではないので、返済の必要がない
メリット2:利息が発生しない
メリット3:担保や保証人を立てる必要がない
メリット4:融資よりも多額の資金を調達できる可能性がある
メリット5:投資家との人的つながりが生まれ、人脈などの援助が受けられる可能性がある
融資よりも多額の資金を調達できる可能性がある理由は、事業の将来性に期待が集まれば、投資家も大きくお金を動かす可能性があるためです。また、出資を受ける最大のメリットは、返済の必要もなく、利息もかからずに資金調達ができることです。利益を出すことに注力だけすればいいというのは、事業に集中できる環境づくりにもつながります。
出資を受けることのデメリット
デメリット1:経営権を部分的に譲渡することになる
例えば、株式投資の場合は出資額に応じて株式を発行することになります。そうでない場合でも、投資の条件として経営への参画が求められるケースもあります。その結果、経営の自由度が下がる懸念があります。もしかすると、経営権を外部に握られてしまうかもしれません。
デメリット2:事業に際立った部分がなければ投資家やベンチャーキャピタルの目に留まりにくい
どんなビジネスでも投資を受けられるわけではなく、ビジネスの実現可能性や将来性を積極的にアピールし、認められる必要があります
融資を受けることは資金の返済をしなくていいことから、出資は有利な資金調達方法に見えるかもしれません。しかし、そのかわりに経営権を部分的に譲渡することになるので、経営の自由度は下がってしまいます。「経営権を保持したいから、譲渡するのは避けたい」と考える場合は、出資よりも融資を選ぶことをおすすめします。
返済が必要だが、自由な経営が可能な「融資」
融資とは、金融機関から資金援助を受けること。つまり、借金をするということです。融資で資金調達をした場合、必ず返済しないといけませんから、信用力(返済力)に応じて借りられる額も違います。利息をプラスした額を返済しなくてはいけませんが、経営権を渡す必要がないので、経営の自由度は保たれます。
融資のメリット・デメリットをまとめると以下のとおりです。
融資を受けることのメリット
メリット1:経営権(株式)を渡す必要がない
会社の経営権を握られる・自由な経営が出来なくなるといった心配はありません。
メリット2:低金利で融資を受けることもできる
返済する際には利息もかかりますが、公的機関の制度を利用すれば、低金利で資金を調達できます。特に、スタートアップに関して金利を優遇する金融機関や自治体もありますから、上手に活用したいところです。
メリット3:多額の資金調達も可能
借りられる額は、企業の返済力(信用力)によって変わってきます。最初は数百万円しか融資が受けられなくても、返済を重ねて信用を増していけば、より大きなお金を集めることも可能になります。
融資を受ける最大のメリットは、経営の自由度を保ったまま資金を調達できることです。創業期の場合は、信用度の低さから資金調達が厳しい場合もありますが、創業期向けの制度を活用すれば望む額の資金調達も不可能ではありません。
融資を受けることのデメリット
デメリット1:利子を上乗せして返済する義務がある
デメリット2:創業期は企業としての信用が足りず、融資審査に通ることが難しいこともある
デメリット3:お金を借りるにあたって、個人保証をする必要がある
デメリット4:資金の使いみちが限定される
融資を受ける際には、何の目的で借りるかが問われるため、その目的以外で資金を使うことができません。利子を含め、毎月一定額の返済が発生する点が、大きなデメリットです。また、返済力(信用力)に応じて借りられる額が決まるため、調達したい額が全て借りられるとは限りません。
しかし、創業期は話が別で、公的機関や自治体が独自に力を入れて支援しているので、それらの制度を上手に活用することで資金調達をスムーズに行うことができます。