資金調達の成功報酬が5%を超えると違反!
2023年8月10日
自社の経営がうまくいかず、プロに相談、依頼をすることもあるでしょう。すると、資金調達をお願いした専門家の方から5%を超える報酬を取られたことがある、もしくは請求されたことがある方もいるのでないでしょうか?あるいは着手金を支払ったら連絡が取れなくなった、ということでお困りの方もいらっしゃると思います。
今回は、士業は資金調達の融資の成功報酬を5%を超えると出資法違反になる、と題して資金調達の報酬についてお話しをしていきたいと思います。
出資法違反
出資法という法律をご存じでしょうか。言い方を変えますと、資金調達の報酬は5%を超えてとってはいけないと定められている法律はご存じでしょうか。おそらく知らない方が多いのではないでしょうか。
日本政策金融公庫や銀行から資金調達をしたいけどなかなか融資を受けることができず、どうしたら良いのかわからない場合には、資金調達の専門家に相談や依頼をすることになる場合が多いですよね。その際にはもちろん報酬が発生することになると思います。その報酬額は、資金調達が成功したら調達額の〇〇%とか着手金が〇〇万円で資金調達が成功したら調達額の〇〇%とかというような報酬体系がほとんどです。
この専門家が受け取る報酬は5%以内でなければいけないと、出資法という法律で決まっています。
出資の受入れ、預り金及び金利等の取り締まりに関する法律(略して出資法)
【第4条】
金銭の貸借の媒介を行う者は、その媒介に係る貸借の金額の百分の五に相当する金額(当該貸借の期間が一年未満であるものについては、当該貸借の金額に、その期間の日数に応じ、年五パーセントの割合を乗じて計算した金額)を超える手数料の契約をし、又はこれを超える手数料を受領してはならない。
つまり、報酬額が5%を超える請求をしてくる専門家というのはもはや専門家ではなくただの法律違反者ということになります。
悪質違反者を利用してしまった場合のデメリット
出資法違反となる5%を超える報酬を請求している悪質な違反者を利用した場合には起こりうる事態が下記になります。
・一括返済を要求される。
・融資は2度と受けられなくなる。
・詐欺罪で訴えられる。
・損害賠償請求をされる。
悪質な違反者は、日本政策金融公庫や銀行から融資を受けて成功報酬をもらいたいがために、決算書を偽造するのが手口です。偽造された決算書を提出して融資を受けた場合、融資先がその偽造に気づいた場合には必ず処罰を受けることとなります。見つからなければいいと考える事業者さんもいるかもしれませんが、融資を受けた場合には毎期、決算書を融資先に提出することになります。
つまり、融資を受ける際に提出した決算書と、次の決算期が来たときに提出する決算書に、必ず数字に矛盾点が露呈します。そして、融資先はその矛盾点を必ず見つけますので、気づかれます。
気づかれた場合には、融資をきちんと返済している間であっても、少なくとも融資は二度と受けることはできなくなります。場合によっては一括返済を要求されたり、詐欺罪で訴えられる・損害賠償請求をされるということも起こります。
さらに、出資法違反の成功報酬を要求してくるようなところを利用して資金調達に成功できたとしても、数十パーセントの報酬を取られてすぐに資金ショートを起こすことになるでしょう。
確実に融資先には気づかれますし、その場合のデメリットもはかり知れませんので、絶対に報酬額が出資法に違反している5%を超えるところを利用してはいけません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、士業は資金調達の融資の成功報酬を5%を超えると出資法違反になる、と題して資金調達の報酬についてお話しさせていただきました。5%を超える部分は法律で禁止されている部分となります。着手金と成功報酬が分かれている場合でも、金額は5%の範囲内でなければなりません。