IT導入補助金とは2024年版わかりやすく解説!

2024年2月11日

IT導⼊補助⾦とは?

サービス等生産性向上IT導入支援事業(IT導入補助金)とは、中小企業・小規模事業者が自社の課題やニーズに合ったITツールの導入を支援する補助金です。2024年2月中旬頃から新たに申請受付が開始される見込みです。

中小企業等の労働生産性の向上を目的として、業務効率化やDXの推進、サイバーセキュリティ対策、インボイス制度への対応等に向けたITツールの導入を促進します。

日々のルーティン業務を効率化させるITツールや情報を一元管理するクラウドシステム等、バックオフィス業務の効率化やデータを活用した顧客獲得など、生産性の向上や業務プロセスの改善と効率化に資する汎用的なITツール導入に活用できます。

ITツールとは、パッケージソフトの本体費用、クラウドサービスの導入・初期費用等が含まれます。補助対象費目には、ITツール導入費用、ITコンサルティング費用、ITシステム改修費用等が含まれ、特に複数の業務⼯程を広範囲に⾮対⾯化する業務形態の転換が可能なITツールの導⼊を⽀援します。

中小企業等の労働生産性の向上を目的として、業務効率化やDXの推進、サイバーセキュリティ対策、インボイス制度への対応等に向けたITツールの導入を支援する。

2024年(令和6年度)のIT導入補助金

IT導入補助金は、IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者の労働生産性向上を目的とし、業務効率化やデジタルトランスフォーメーション(DX)、サイバーセキュリティ対策、インボイス制度への対応などに向けたITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援する補助金です。

IT導入補助金の継続: 2024年度もIT導入補助金が継続されることが発表されました。

IT導入補助金の対象: ITツール、パソコン、タブレットなどが補助金の対象です。個人事業主や中小企業、従業員が0名の企業でも申請可能です。

補助金の額と枠: 補助金額は最大400万円で、小規模事業者は最大4/5補助。
通常枠とインボイス枠の2つに分かれていて、インボイス枠では、インボイス対応累計、会計・決済ソフト、パソコン、タブレット、レジ、現売機のハードウェア導入が対象です。

2024年度の募集開始スケジュール: 1月29日の募集終了後に2024年度の募集が開始される予定(2024年2月中旬頃から新たに申請受付が開始される見込み)です。1月29日が最終日で、採択結果は3月8日に発表されます。事業実施期間は8月30日までです。

2024年(令和6年度)のIT導入補助金 事業スケジュール

・2024年度のIT導入補助金の事業スケジュールは以下の通りです。
・交付申請期間: 2024年2月16日(金)受付開始(予定)〜 2024年3月15日(金)17:00 締切
・交付決定日: 2024年4月24日(水)(予定)
・事業実施期間: 交付決定日から2024年10月31日(木)17:00まで(予定)
・事業実績報告期限: 2024年10月31日(木)17:00(予定)
その後のスケジュールは以下のようになっています。

・締切日: 2024年4月15日(月)17:00
・交付決定日: 2024年5月27日(月)(予定)
・事業実施期間: 交付決定日から2024年11月29日(金)17:00まで(予定)
・事業実績報告期限: 2024年11月29日(金)17:00(予定)
また、

・締切日: 2024年5月20日(月)17:00
・交付決定日: 2024年6月26日(水)(予定)
・事業実施期間: 交付決定日から2024年11月29日(金)17:00まで(予定)
・事業実績報告期限: 2024年11月29日(金)17:00(予定)
各種申請・提出の受付締切時間は、締切日当日の17:00までとなっており、締切時間を超えた場合は受付対応ができないため、注意が必要です。

IT導入補助金

IT導入補助金2024制度概要(一部抜粋)

■支援枠の改編について
・通常枠、セキュリティ対策推進枠、インボイス枠(インボイス対応類 型・電子取引類型)、複数社連携IT導入枠の全4支援枠に改編

■補助率の拡大について
・インボイス枠(インボイス対応類型)では、小規模事業者に対する補助率を一部「4/5」へ拡大

■制度変更に伴う補助対象ITツールの見直しについて
・インボイス枠(インボイス対応類型)においては、インボイス制度に対応した「会計」「受発注」「決済」機能を有するソフトウェアが対象
※インボイス制度に対応していないソフトウェア及びECサイト制作は本類型の対象にはなりません。

通常枠

・生産性の向上に資するITツール(ソフトウェア、サービス)の導入費用を支援します。・クラウド利用料を最大2年分補助し、保守運用等の導入関連費用も支援します。

・ITツールの業務領域が1~3まで: 5万円~150万円未満
・ITツールの業務領域が4以上: 150万円~450万円以下
・補助率: 1/2
【活用例】タイムカードによる勤怠管理のため、本社出勤後の現場移動、帰社後の帰宅が必要であったところ、「勤怠・労務管理ツール」の導入により出先からの打刻が可能に。これにより、残業時間が3割削減、人事担当の作業効率も大幅アップ!

複数社連携IT導入枠

複数の中小・小規模事業者が連携してITツール及びハードウェアを導入することにより、地域DXの実現や生産性の向上を図るための支援が行われます​​。補助対象事業者には、商工団体や地域のまちづくりや商業活性化、観光振興等の担い手として活動する中小企業者や団体、コンソーシアムが含まれます​​。

10者以上の中小企業・小規模事業者等が連携した、インボイス制度への対応やキャッシュレス決済を導入する取組等を支援します。連携のための事務費・専門家費も補助対象です。

・インボイス対応類型の対象経費と同様
・グループ構成員数に応じて50万円×構成員数
・補助上限額: 下記①+②合わせて最大3,000万円
・補助率: インボイス対応類型と同様で2/3

インボイス枠

インボイス対応類型

・10月1日に開始されたインボイス制度への対応に特化した支援枠で、会計・受発注・決済ソフトに加え、PC・タブレット・レジ・券売機等のハードウェア導入費用も支援します。・小規模事業者は最大4/5補助し、補助下限は無く安価なITツール導入も支援します。

・会計・受発注・決済ソフト
・50万円以下: 中小企業は3/4、小規模事業者は4/5の補助率
50万円超~350万円: 補助率2/3
・PC・タブレット等: 最大10万円まで
・レジ・券売機: 最大20万円まで
・補助率: PC・タブレット等とレジ・券売機は1/2
【活用例】インボイス発行の手間を効率化するため、「会計ツール」を導入。経理担当が手作業で行っていた出納管理が自動化され、バックオフィスの効率が全体的に向上。

電子取引類型

・取引関係における発注者(大企業を含む)が費用を負担してインボイス対応済の受発注ソフトを導入し、受注者である中小企業・小規模事業者等が無償で利用できるケースを支援します。

・補助上限額: 最大350万円まで
・補助率: 中小企業は2/3、大企業は1/2

セキュリティ対策推進型

・独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されているセキュリティサービスの利用料を支援します。

・補助上限額: 5万円~100万円
・補助率: 1/2
補助金の変更点: 今年度のIT導入補助金にはいくつかの変更点があります。特に、デジタル化基盤導入枠の設置やインボイス枠の新設が挙げられます。小規模事業者に対する補助率が4/5に引き上げられたことも重要な変更点です。

EC機能の除外: EC機能が補助対象から外れることになりました。これは、対面販売が困難になった状況下で追加された機能でしたが、情勢の変化に伴い除外されました。※ただし、インボイスに対応した決済システムは対象となる見込みです。

IT導入補助金のラインナップは大きく4種類

①通常枠、②セキュリティ対策推進枠、③デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)、④デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)の4種類があります。それぞれ解説していきます。

通常枠(A・B類型)

中小企業・小規模事業者等が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部が補助されます。自社の強みや弱みを認識、分析し、把握した経営課題や需要に合ったITツールを導入することで、業務効率化・売上アップといった経営力の向上・強化を図ることが求められます。

セキュリティ対策推進枠

中小企業・小規模事業者等がサイバーインシデント(いわゆるサイバー攻撃などによる被害)が原因で事業継続が困難となる事態を回避するとともに、サイバー攻撃被害が供給制約・価格高騰を潜在的に引き起こすリスクや生産性向上を阻害するリスクを低減することを目的としています。

デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)

中小企業・小規模事業者等のみなさまが導入する会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフト・ECソフトの経費の一部を補助することで、インボイス対応も見据えた企業間取引のデジタル化を推進することを目的としています。

通常枠(A類型・B類型)・セキュリティ対策推進枠

通常枠は、中小企業や小規模事業者、一般社団法人や社会福祉法人などITを導入・活用するための補助金となり、A類型は5万円~150万円未満、B類型は150万円~450万円以下の補助金を受けることができます。補助率は、どちらも最大で1/2となっています。通常枠の補助金対象となる項目は、例えば、情報セキュリティ対策に関する補助、クラウドサービス利用に関する補助、Webサイト制作に関する補助、社内ネットワーク整備に関する補助、電子カルテ導入に関する補助、オンラインショップ構築に関する補助などがあります。
ただし、A類型とB類型では、ITツール導入で生産性が高まる業務プロセスの数や賃上げ要件など、申請条件にいくつかの違いがあります。

デジタル化基盤導入枠とは、中小企業や小規模事業者が情報処理やITツールの導入を行う際に、その費用の一部を補助するための制度のことです。2023年度のIT導入補助金では、通常枠(A・B類型)セキュリティ対策推進枠、デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型・複数社連携IT導入類型)の受付が行われます。

生産性向上に取り組む中小企業・小規模事業者等においてサイバーインシデントが原因で事業継続が困難となる事態を回避するとともに、サイバー攻撃被害が供給制約や価格高騰を潜在的に引き起こすリスクや中小企業・小規模事業者等の生産性向上を阻害するリスクを低減するための支援がされます。

デジタル化基盤導入枠(インボイス対応に活用)

デジタル化基盤導入枠には、「デジタル化基盤導入類型」と「複数社連携IT導入類型」があります。
デジタル化基盤導入類型は、単独事業者がPCやレジなどのITツールを導入する場合に、補助金が支給されます。
一方、複数社連携IT導入類型は、複数の企業が協力して情報処理を行うためのシステム導入費用を補助するものです。

複数社連携IT導入類型

複数社連携IT導入類型とは、複数の中小企業や小規模事業者が連携してITツールやハードウェアを導入するための支援制度の一種です。
この制度では、導入するITの費用や効果的に連携するための費用を支援してもらえます。取り組みにあたってのコーディネート費や、取組に関する助言を行う外部専門家への謝礼金も対象となっています。

中小企業・小規模事業者の手続き

また、IT導入補助金の申請を行う際には、IT導入支援事業者に相談することが推奨されています。IT導入支援事業者は、中小企業・小規模事業者の生産性向上のために、ITツールの提案・導入及び経営診断ツールを利用した事業計画の策定の支援をはじめとした各種申請等の手続きのサポートを行います。

①IT導入補助金への理解

IT導入補助金には前述の通り主に4つのラインナップがあります。自社にマッチしているものはどれか、また対象企業であるのかなど概要をよく読んで理解しましょう。

②「IT導入支援事業者の選定」「ITツールの選択」(事前準備)

補助金の交付申請を行う準備として、まずは自社の業種や事業規模、経営課題に沿って、IT導入支援事業者と導入したいITツールを選定します。

③「gBizIDプライム」アカウントの取得、「SECURITY ACTION」の実施(申請要件)、「みらデジ」の「経営チェック」の実施

交付申請の要件には「gBizIDプライム」アカウント(ID・パスワード等)が必要となります。
gBizIDプライムをお持ちでない場合は「gBizID」ホームページより取得をお願いいたします。
※gBizIDプライムアカウントID発行までの期間は、おおむね2週間となっております。早めの申請手続きをお願いします。

また「gBizIDプライム」アカウント取得に加えて、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の宣言が必要になります。
この宣言は、中小企業・小規模事業者等自らが、情報セキュリティ対策に取組むことを自己宣言する制度で、「★一つ星」または「★★二つ星」を宣言する事を要件としています。
交付申請作成時に宣言済アカウントIDの入力が必要となります。

「SECURITY ACTION」の概要はこちら
「みらデジ」の「経営チェック」について
「みらデジ」ポータルサイト内にgBizIDで登録し、「経営チェック」の実施が必要となります。
「みらデジ」は、中小企業庁が実施する中小企業・小規模事業者等の経営課題をデジタル化により解決することをサポートする制度となります。

④交付申請(IT導入支援事業者との共同作成・提出)

IT導入支援事業者との間で商談を進め、交付申請の事業計画を策定します。
その後、中小企業・小規模事業者等のみなさまの交付申請は、以下の流れで行います。

・IT導入支援事業者から『申請マイページ』の招待を受け、代表者氏名等の申請者基本情報を入力する。
・交付申請に必要となる情報入力・書類添付を行う。
・IT導入支援事業者にて、導入するITツール情報、事業計画値を入力する。
・『申請マイページ』上で入力内容の最終確認後、申請に対する宣誓を行い事務局へ提出する。
⑤ITツールの発注・契約・支払い(補助事業の実施)

交付申請を完了し、事務局から「交付決定」を受けた後に、ITツールの発注・契約・支払い等を行うことができます。

重要
交付決定の連絡が届く前に発注・契約・支払い等を行った場合は、補助金の交付を受けることができません。ご注意ください。

⑥事業実績報告

補助事業の完了後、実際にITツールの発注・契約、納品、支払い等を行ったことが分かる証憑を提出します。
証憑の提出は、以下の流れで行います。

・中小企業・小規模事業者等のみなさまが『申請マイページ』から事業実績報告に必要な情報及び証憑の添付を行い、事業実績報告を作成する。
・事業実績報告が作成された後、IT導入支援事業者が内容の確認及び必要情報の入力を行う。
・最終確認後、中小企業・小規模事業者等のみなさまが事務局に事業実績報告を提出する。
⑦補助金交付手続き

事業実績報告が完了し、補助金額が確定すると、『申請マイページ』で補助額を確認できるようになります。その内容を確認した後に補助金が交付されます。

⑧事業実施効果報告

事業実施効果報告は、定められた期限内に補助事業者が『申請マイページ』より必要な情報を入力し、IT導入支援事業者の確認を経て、提出してください。