運転資金の借入目安はいくら?融資を受けられる金融機関を紹介!!

2023年7月20日

「売上が計上されるのが再来月で、それまでの支払いが難しい」など、運転資金が不足していないでしょうか?
実際に運転資金を借り入れるにしても、どのくらいの金額を目安とすべきかわかりづらいでしょう。
本記事では、運転資金の借り入れの目安金額や融資を受けられる金融機関などを紹介します。

運転資金の借り入れ目安金額

運転資金を借り入れるにあたって、以下の式を使って目安金額を算出できます。


運転資金=売掛債権+棚卸資産-買掛債務


現在の売掛金などの債権や棚卸商品の合計額に、買掛金など支払うべき債務を差し引くと運転資金となります。

またほかの目安として、業種によって異なりますが、「予想売上を達成するために必要な資金の3か月分」にすることもあります。3か月は、事業を軌道に乗せるまでにかかる最低期間として考えられるためです。

ただし、どちらも目安金額であることは変わりがなく、金融機関から融資を受けるにあたって、より具体的に伝えるためには事業計画書の作成が必要です。現状の業績推移や、保有する資産、そして借り入れた場合の具体的な事業計画や改善策を事業計画書に落とし込みます。

事業計画書がまとまっていると、3か月分よりも多く借り入れることも可能となります。

融資を受けられる金融機関

運転資金の融資を受けられる金融機関として、大きく以下に分けられます。


金融機関          借りやすさ


政府系金融機関

日本政策金融公庫      やや借りやすい

商工組合中央金庫      借りやすい(中小企業団体に加入の必要あり)


民間金融機関        審査が厳しいものの、やや借りやすい


信用金庫          借りやすい


ノンバンク         もっとも借りやすい


それぞれの金融機関について紹介します。

 

 

政府系金融機関

政府系金融機関は、経済の発展と安定を目的として設立した公的な金融機関で、日本政策金融公庫や商工組合中央金庫などがあります。日本政策金融公庫では、民間金融機関が支援しきれないような小規模事業者や中小企業の支援をおこなっており、金利が民間金融機関と比べて低めに設定されているのが特徴です。

商工組合中央金庫は、中小企業や個人事業主向けの融資などをおこなっている公的な金融機関です。

民間金融機関と比べると金利が低めとなっており、災害などが発生し経営が悪化した企業に特別貸付などもおこなっています。商工中央金庫から融資を受けるためには、株主となっている中小企業団体に会員として所属している必要があります。

民間金融機関

民間金融機関は、金融機関と事業主が直接取引をおこなうプロパー融資を利用する人が多いです。創業して間もない時期には、信用保証付き融資を提案されることが多くあります。

信用保証付き融資とは、信用保証協会から保証を受けて、金融機関に借り入れを申し込む融資です。創業時は、信用力がないためプロパー融資の利用が難しくなっています。そのため信用力を向上させていくためにも金融機関から、信用保証付き融資を勧められることも多いです。

信用金庫

信用金庫は、民間金融機関と異なり営利だけではなく地域振興や繁栄を図る相互扶助を目的としているため、地域の小規模事業者や中小企業を対象に融資をおこなっています。

民間金融機関と比べると審査が厳しくはないものの金利が少し高めに設定されていることが多いです。また、融資限度額も民間金融機関よりも少額となるため、企業によっては希望額に届かない可能性もあるでしょう。

ノンバンク

ノンバンクは、預金を扱わずに融資をおこなう金融機関で、クレジットカード会社や信販会社、消費者金融などが該当します。

政府系金融機関や民間金融機関は、審査に日数がかかり、審査が通らないことがあるものの、ノンバンクの場合、即日融資や審査が厳しくないため比較的借りやすくなっています。ただし、ほかの金融機関と比べて金利の高さが特徴です。

もし、借り入れを検討する場合には、金利などの条件を確認して、本当に必要な時だけに借り入れた方がいいでしょう。

そもそも運転資金とは

運転資金で借り入れする場合、ほかの用途で使うことを禁止している金融機関も多いです。そもそも運転資金には、どのようなものが該当するのかを紹介します。

運転資金

運転資金は、企業活動をおこなうために必要な資金です。運転資金には、変動費と固定費があります。

変動費

変動費は、売上の増減によって変動する費用です。商品の仕入れ費用や、原材料費、商品の運搬代などの費用があり、売上が好調であれば増大し、売上が低調であれば縮小します。

固定費

固定費は、売上の増減にかかわらず一定額かかる費用です。人件費や、家賃、リース料などの費用があり、売上の増減で変動しないため、売上が低調でも一定額の費用が発生します。

運転資金の種類

運転資金は、5種類に分けられます。

経常運転資金

経常運転資金は、企業活動をそのままの状態で運営を続けるために必要となる資金で、一般的に「運転資金」として使われているものを指します。

商品や材料を仕入れてから、売上として入金されるまでにはタイムラグが生じます。つまり、売上が入金されるよりも前に、仕入れ費用を支払わなければならず、現金が必要です。仕入れ費用のほか、人件費や家賃などの経費も含まれています。

増加運転資金

増加運転資金は、事業を拡大する際に追加で必要となる資金です。売上が上がると、その分仕入れ費用なども増えていくこととなります。入金と支払いのタイムラグは、売上が上がっても変わらず、事業を拡大するほどに、必要となる経費も増えていきます。

事業が好調にもかかわらず、入金と支払いのタイムラグによって、黒字倒産に発展する可能性もあります。

減少運転資金

減少運転資金は、不調で売上が減少している時に必要となる資金です。売上が減少すると、仕入れ費用などの変動費は減るものの、人件費や家賃などの固定費が減るわけではありません。

売上が減少している場合、経費を削減し固定費を圧縮しますが、事業を維持していくためにも現金が必要となります。

季節運転資金

季節性運転資金は、繁忙期などの決まった時期に必要となる資金です。事業によって繁忙期などが異なるものの、季節性を伴った商品を販売する場合に、決まった時期に大量の仕入れが必要となるでしょう。

例えば、従業員への夏と冬のボーナスや、夏のエアコン、冬の暖房器具、クリスマス商戦といったものがあります。

設備未払金決済運転資金

設備未払金決済運転資金は、本来、設備資金で賄うべきものを分割払いで導入した際に、業績悪化などの理由で半年以上未払い状態が続いたあとで必要となる資金です。半年以上の未払い分で、金融機関からの融資が受けづらくなるため、早い段階で対処する必要があります。

設備資金

設備資金は、事業に必要な設備などを購入する資金です。代表的な設備資金としては、製造設備や工場機械、車両、システム関連費用、Webサイト構築費用などの費用となります。経常的にかかるものではないため、運転資金と区別されています。

借入希望額を通す・増やすためには

金融機関から融資を受ける際に、借入希望額を通すために必要なことを紹介します。

自己資金を多く準備する

自己資金の準備ができていないことで、希望する金額を借り入れできない場合があります。多くの自己資金を準備しておくことが大切です。

事業が拡大している時に申し込む

金融機関は、事業が不調な時よりも好調な時の方が、融資した金額を返済される可能性が高いと判断します。事業が拡大している時に融資を受けると、借入希望額よりも多く借りられる場合もあります。

運転資金をスムーズに借りるために必要なこと

金融機関から融資を受けるにあたって、スムーズに運転資金を借りるために必要なことを紹介します。

資金用途の明確化

融資された資金を、具体的に何に使うのかを明確にしておく必要があります。資金用途が明確でなければ、金融機関も何に使われるかがわからず、返済されないリスクを負うと認識されてしまいます。

そのため、資金用途を明確化しておくことが大切です。

事業計画書を作成する

事業計画書では、過去の経営状況や収支予測、今後の見通しなどを落とし込む必要があります。作成した事業計画書に矛盾点や希望的観測を記入していないかを確認し、現実的な内容になっているかを精査しましょう。

必要書類を準備する

金融機関から指定された必要書類を準備していなければ、不備で審査できません。申し込み前に必ず準備し、また何が必要なのか、融資を受ける金融機関のホームページなどで確認しましょう。

必要書類を忘れると心証を悪くするため、必ずすべて準備してから審査することが大切です。

自己資金の準備

自己資金がある程度準備されていないと、金融機関は返済されないリスクを懸念します。自己資金に必要な基準額はありませんが、ある程度の資金を準備しておいた方が良いでしょう。

担保できるものはあるか

金融機関からの借り入れにおいて、担保や保証人がなくても借り入れ可能です。しかし、担保や保証人がいない場合、金利が高かったり、融資限度額が低かったりします。担保があった方が有利な条件で借り入れられるかもしれません。

準備できるなら、担保にできそうな不動産の資料も用意しておくといいでしょう。

まとめ

企業収益が好調な場合や不調な場合の両方において、運転資金は必要とされます。企業収益が好調であれば、増加する変動費や固定費を賄うために必要で、企業収益が不調であれば、固定費を維持するために必要となるでしょう。

金融機関から融資を受けるにあたって、運転資金の借り入れ目安を把握し、融資が必要な理由や返済計画を伝えなければなりません。経営者自身が、会社の現場について分析する必要があります。分析したうえで、必要な運転資金を借り入れるといいでしょう。