ファクタリングのメリット・リスク・利回りを解説!
2025年3月5日
ファクタリングは事業者の資金調達方法のひとつです。債権である後払いの請求書を、即日あるいは短期間で現金化することにより、資金の安定化を図りやすくします。債権の買い取りを専門とするファクタリング会社もあり、多くの業界・業種で利用されています。企業のみならず個人事業主やフリーランスも利用できるのか気になるところでしょう。本記事では、ファクタリングの仕組みや注意点などについて紹介します。
ファクタリングとは:個人事業主・フリーランスでも利用可能?
ファクタリングの仕組み:「2社間」と「3社間」
ファクタリングには大きく分けて「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」の2種類があります。2社間ファクタリングはファクタリング会社(売主企業)と利用者のみで契約します。取引先にファクタリングの許可を得る必要や通知をする義務がありません。取引先に債権譲渡を知らせたくないときに使いやすい方法です。また、取引先が債権譲渡に対してダーティな印象を持っているのなら、2社間ファクタリングを選んで関係悪化を防ぐことも大切な選択になるでしょう。2社間での取引なので、第三者が介在しない分手続きはスムーズです。スピーディな資金調達ができることが大きなメリットになります。
一方、手間やリスクが全くないというわけでもありません。取引先から自社へ売掛金の支払があった場合には、すぐにファクタリング会社へ送金する必要があります。また、取引先が何らかの事情で売掛金が支払われなかった場合には、ファクタリング会社との契約内容によりファクタリング利用者がその分の返済をおこなうケースがあります。
3社間ファクタリングは、2社間ファクタリングに取引先の企業を含めた契約になります。2社間ファクタリングと異なり、取引先にファクタリングが知られることになるため、利用の際は慎重に検討する必要があります。2社間ファクタリングでは、「取引先→ファクタリング会社」という流れになりますが、3社間ファクタリングは「取引先→利用者→ファクタリング会社」という流れが取られます。2社間、3社間ともに手数料が掛かる点では変わりありませんが、2社間ファクタリングのほうが高額の手数料になる傾向があります。それは3社間の場合、取引先が直接ファクタリング会社に支払うため、2社間と比べて貸し倒れのリスクが低くなるためです。
ファクタリングの手数料の相場は?
ファクタリングの手数料は、2社間ファクタリング、3社間ファクタリングで異なります。2社間ファクタリングよりも3社間ファクタリングのほうが低額になる傾向です。それぞれのファクタリングにおける相場は、2社間ファクタリングで10~30%、3社間ファクタリングで1~10%です。比較してみると3社間ファクタリングのほうが圧倒的に低い設定になっています。
3社間ファクタリングの手数料のほうが低額になる理由は、ファクタリング会社にとってリスクが低いためです。3社間ファクタリングの場合、ファクタリング会社への支払いをするのはファクタリング利用企業の取引先(売掛先)になります。直接支払いの形での支払いになることから、未回収(貸し倒れ)になるリスクが低い構造です。そのため、手数料を低めに設定できる特徴があります。
一方、2社間ファクタリングはファクタリング会社にとって3社間ファクタリングよりも未回収になるリスクが高くなる性質です。利用企業が取引先から支払われた売掛金をファクタリング会社に送金せず、別の支払いに充ててしまう可能性が否定できません。送金するべき金銭が用意できず、未回収になってしまうリスクがあります。2社間ファクタリングの手数料が3社間ファクタリングよりも高額になるのはそのリスク管理のためです。
ファクタリング内容によっては手数料も無視できない金額になるはずです。できる限り経費を削減したいのであれば、3社間ファクタリングで手数料をカットするのもよい選択になるでしょう。ただ、ファクタリングを取引先に知られたくない場合には2社間にせざるを得ません。とはいえ高額な手数料に困る可能性もあります。どうしても手数料を負担に感じる場合には、取引先に相談し、3社間ファクタリングを持ちかけてみてはいかがでしょうか。
ファクタリングの種類:「買取型」
ファクタリングには「買取型」と「保証型」があります。買取型のファクタリングは、企業が資金調達を必要とするときに用いる方法です。買取型のファクタリングは、企業が持っている売掛債権をファクタリング会社に売却します。ファクタリング会社はその売掛債権から手数料やその他の費用を引いた金額を現金化して、企業に支払うシステムです。
売掛債権には支払期日がありますが、取引先はその期日までに支払えばよいため、必ずしも企業が資金調達に間に合わせたい日までに入金してくれるとは限りません。しかし、買取型ファクタリングでは売掛債権を支払期日よりも早く現金化できるため、いざというときの資金調達に大きな力を発揮します。
このように、売掛金の回収までに時間が掛かり、キャッシュフローが圧迫されてしまう場合や、新規事業の立ち上げ・急速な拡大にともなう資金不足を解消するのに買取型ファクタリングは有効です。売掛債権を早期に現金化することで、業務を円滑にでき、また新たなビジネスチャンスには柔軟に対応できるでしょう。
ファクタリングの種類:「保証型」
保証型は資金調達よりも貸し倒れのリスクを軽減させる意味合いが強い仕組みになっています。具体的には取引先の倒産や、債務不履行などのリスク対策を重視しています。企業が持っている売掛債権をファクタリング会社に譲渡する際、ファクタリング会社が取引先を審査し、その信用に基づいて売掛債権の保証をするシステムです。
つまり、取引先が債務不履行になってしまった場合、ファクタリング業者が企業に保証金を支払ってくれるということです。利用者にとっては貸し倒れを防げるメリットがあるため、いわば保険のような性質を持っているといえるでしょう。
比較してみると、買取型と保証型の大きな違いは「買取型は売掛債権の早期現金化が大前提」、「保証型が売掛債権を現金化するのは万一の状況(相手方の倒産、債務不履行など)のみ」ということが分かります。
他の資金調達方法とファクタリングの違い
ファクタリングのほか、資金調達方法では融資・手形割引・ABL(売掛債権担保融資)が代表的です。
融資は金融機関から借り入れる方法です。決められた金利や返済計画を立てたうえで契約します。担保や信用などのリスク要素が考慮された審査がおこなわれ、場合によっては借入ができないケースもあります。
手形割引は、手形の受け取り期日よりも早く、業者が手形を現金化する方法です。企業が短期間のキャッシュフローをまかなうために利用されることが多い傾向があります。ファクタリングと似ている点がありますが、ファクタリングは償還請求権がないことに対し、手形割引には償還請求権があるという点で大きく異なっています。
ABLは資産担保融資とも呼ばれる方法です。企業は売掛を元にして資金調達をおこないますが、自社の資産(債権や商品在庫、設備など)も担保として準備する必要があります。調達できる資金は資産価値次第になるため、必ずしも希望額が融資されるとは限りません。ただし、企業そのものの信用よりも資産価値に重点が置かれるため、信用リスクを懸念する企業に向いている資金調達方法でもあります。
ファクタリングにおける注意点・リスク
ファクタリングをする際には、注意するべき点やリスクがあります。代表的なものを把握しておきましょう。
取引先との契約書に「債権譲渡禁止」の記載があったら注意
取引先との契約書に「債権譲渡禁止」の記載があるかどうかを確認しましょう。債権譲渡禁止の記載があっても、法律では第三者(この場合はファクタリング会社)への譲渡は問題ありませんが、取引先が難色を示し、重過失行為として支払いを拒まれるかもしれません。記載があった場合、この取引先の債権はファクタリング候補から外したほうが無難です。
ファクタリング会社との契約書に「債権譲渡契約」の記載があるか
ファクタリング会社とおこなう契約は「債権譲渡契約」です。つまり、債権の代金として金銭を受け取る売買契約という形になります。しかし、最近は悪質な業者が敢えてこの記載を外し、一方的に融資状態にして高金利の貸付けをおこなうケースが散見されています。「債権譲渡契約」の記載は必ず確認してください。
手数料は適切か
相場があるとはいえ、手数料は各ファクタリング会社の裁量で決定されます。適切な手数料を設定しているファクタリング会社を利用してください。複数の会社に事前見積もりを出し、比較するのもおすすめです。
ファクタリングのメリットとデメリット
ファクタリングのメリット:即日の資金調達も可能
ファクタリングのメリットは、なんといってもスピーディな資金調達が可能であることです。金融機関の融資のように厳しい審査がなく、必要なときにスピーディな資金調達ができることは、キャッシュフローの安定化に利便性を生み出します。最短即日や数日以内の対応が可能なファクタリング会社も多いため、急いでいるときほどそのメリットを実感できるでしょう。
担保や保証人が不要であることも大きな特徴です。精神的な負担や人間関係への懸念を持つ必要がないうえに、保証人を探す手間も省けます。よりスピーディな資金調達が可能です。大切な資産を担保に入れなくてもよいということも嬉しい一面です。
ファクタリングのデメリット:手数料に要注意
一方、ファクタリングにはデメリットもあります。特に手数料についてはしっかりと意識しておくことをおすすめします。資金調達に適した買取型ファクタリングの手数料相場は、2社間ファクタリングで10~30%、3社間ファクタリングで1~10%です。しかし、ファクタリング会社によって異なっていることも事実です。
手数料が高額になり、経営状態とマッチしない場合、利益が減少してしまう可能性があります。資金調達をしても経営が圧迫されかねない事態が考えられるのです。特に2社間ファクタリングは、30%もの手数料がかかる場合があります。利便性の高さに対する費用として考えれば仕方ありませんが、経営面を考えると頭が痛くなるでしょう。
とはいえ、ファクタリングをする多くの企業は急ぎの資金調達が必要な事情を持っているはずです。急ぎつつもコストを重視するのなら、より手数料をカットできる3社間ファクタリングを検討するのもおすすめです。
金融庁によるファクタリングの利用に関する注意勧告とは
適切な利用をしていれば頼もしい味方になるファクタリングですが、昨今は問題点が生まれています。金融庁では「ファクタリングの利用に関する注意喚起」をリリースし、ファクタリング利用者への注意を促しました。ファクタリング会社を運営するためには金融庁に認められた貸金業者の資格が必要です。ファクタリング会社は資格を取得し、法を守りながら誠実に運営しています。
しかし、一部の悪徳業者が存在することも事実です。資格を持たず、実質的に高金利の貸付けをしている業者も確認されています。金融庁ではこれを「偽装ファクタリング」と呼び、利用者に注意を呼びかけています。利用を考えているファクタリング会社が資格を持っているかどうか悩んだら、金融庁の公式サイトにある「登録貸金業者情報検索サービス」という無料のサービスを利用しましょう。条件を入力すれば、貸金業者の資格を有しているかどうかが分かります。急いで資金調達をしなければならないときでも、自分や社員を守るために少し手間をかけてみてください。