信用金庫の創業融資を利用するためには。信用金庫の審査通過するためのポイントや特徴を紹介
2024年10月2日
信用金庫は、地方銀行よりもさらに地域に密着した支援を行っているのが特徴です。
そのような信用金庫では創業融資を行っています。民間の金融機関の融資だと「実績がない」などの理由から審査に通りにくい創業当初に役立ちます。
当記事では、信用金庫はどのような機関か、創業融資はどのようなものかをご紹介します。
また、創業融資の審査を通過するためのポイントについても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
信用金庫の特徴
信用金庫の創業融資を利用するのであれば、そもそも信用金庫はどのような機関なのか知っておく必要があります。そこでまずは、信用金庫の特徴を解説していきます。
中小企業や零細企業に対する支援を行っている
信用金庫は、中小企業や零細企業、個人事業主に対する支援を専門に行っています。
金融機関だと、1,000万円以上の融資でなければ対応してもらえないというイメージを持つ方も多いかもしれません。
しかし、中小企業や零細企業の場合、それほどの規模ではないものの融資を受けたいと考えるケースも珍しくないでしょう。
その点、信用金庫であれば数百万円単位の融資にも対応しています。
運転資金のみ、設備投資資金のみで1,000万円に満たない場合でもきちんと支援してもらえるので安心して相談できます。
そして、小規模な事業だから融資を受けられないのではないかという不安を解消してくれる機関でもあります。
必ず融資を受けられるとはいい切れませんが、相談してみる価値は大いにあります。
日本政策金融公庫との違いは?
日本政策金融公庫も、融資を受けたいと考えた時の候補に挙がります。新たに設立された法人や個人事業主への融資を積極的に行っています。
そのため、中小企業など実績が少ないところも利用しやすいです。
信用金庫との大きな違いは、独自の審査を行っているか、信用保証協会を通しているかという点です。
日本政策金融公庫の場合は、独自の審査を行った上で融資の可否を決定しています。一方、信用金庫は信用保証協会の審査を通すことが前提となっています。
信用金庫でも信用保証協会を通さない審査(プロパー創業審査)は可能です。しかし、ある程度の実績が必要になるので、創業から間もないと審査通過が難しくなります。
信用組合との違いは?
信用金庫と信用組合は非常に似ています。この2つの大きな違いは、信用金庫は信用金庫法、信用組合は中小企業等協同組合法が規制している点です。
利用者の呼び方も、信用金庫は会員ですが、信用組合は組合員と呼びます。
利用できる範囲にも違いがあります。信用組合は原則として市町村単位になりますが、信用組合は市町村の中の特定地域または特定の業種と限定的です。
特定の業種が加入する信用組合は業域信用組合と呼ばれていて、医師や歯科医師、証券業、出版製本、青果市場などがあります。
職域信用組合は、官公庁や鉄道、新聞社などです。
信用金庫の創業融資について
信用金庫が行っている創業融資は、信用保証協会が用意しているものと信用金庫が直接融資するものがあります。続いては、それぞれの融資について解説していきます。
信用保証協会が用意する創業融資
信用金庫が取引きを行うのは中小企業や個人事業主が多いです。そのため、中小企業向けに提供されている信用保証協会の保証付き融資を利用するケースが多くみられます。
信用保証協会の融資は、信用金庫だけではなく銀行や信用組合でも利用可能となっています。
創業計画書が必要ですが、信用保証協会でひな型を用意しているため初めての方でも安心です。
東京都中小企業制度融資「創業」の場合だと、融資の限度額は3,500万円で担保や保証人は必要ありません。保証料は必要ですが、創業特例で割引制度が用意されています。
これはあくまでも東京都中小企業制度融資「創業」の場合なので、近くの信用金庫でどのような融資があるのか確認してみてください。
信用金庫が直接融資するプロパー創業融資
信用金庫が独自で行っているプロパー創業融資というものもあります。これは、保証なしで融資を受けられるものです。
第三者機関からの保証がないので金融機関が貸し倒れするリスクもある融資になるため、比較的事業の規模が大きい場合に利用されるケースが多くみられます。
また、金融機関が事業の規模や資金状況などをチェックし、事業者に提案する傾向もあります。十分に返済能力がある事業者に融資をしたいと金融機関が考えるのは当然です。
プロパー創業融資の一例として、横花信用金庫の創業支援融資「創る」があります。横浜信用金庫の営業地区内に事業所がある個人事業主もしくは法人が対象です。
限度額は500万円で返却期間は7年間、必要資金の20%以上を自己資金で用意するなどの条件があります。
信用金庫から創業融資を受ける流れ
信用金庫から創業融資を受ける流れは、保証の有無で変わってきます。ここで解説するのは、信用保証協会から申し込む場合と信用金庫経由で申し込む場合、保証を受けない場合の流れです。
信用保証協会から申し込む場合
信用保証協会から申し込む場合は、まず申し込みを行います。申し込みをすると信用保証協会が保証審査を行い、審査に通過したら信用金庫を斡旋してもらいます。
信用金庫は、信用保証協会が発行した「信用保証書」をもとに融資を実行するという流れです。
信用保証協会の創業融資が初めての場合は、面談を受けなければいけません。面談場所は、原則として申し込みをした信用保証協会の支店になります。
2回目に利用する場合は、事務所の移転などがなければ面談を実施しないケースも多いです。
信用保証協会の中には、保証審査のポイントを公開しているところもあります。東京信用保証協会の場合だと、保証資格・資金使途・返済能力・経営者の4つを重視しているようです。
信用金庫経由で申し込む場合
信用金庫経由で創業融資を申し込む場合は、まず信用金庫にアポイントの予約を入れます。いきなり訪問してしまうと、担当者が不在で対応してもらえない可能性も考えられますので、事前に予約しておくとスムーズです。
予約が取れたら窓口で信用保証の申し込みを行います。信用金庫の担当者がヒアリングを行い、融資を受けられると判断されたら、必要な資料(創業計画書や自己資金などを証明できる通帳など)を信用金庫経由で信用保証協会に提出します。
信用保証協会が行う審査で問題ないと認められたら「信用保証書」が発行され、融資が実行されるという流れです。
ただし、信用金庫側が最終的に融資できないと判断するケースもあるので、そのような事態も考えておく必要があります。
保証を受けないなら直接申し込む
信用保証協会の保証を受けないのであれば、信用金庫に直接申し込むことになります。これまでに信用金庫との取引きがない場合は、最寄りの支店で口座を開設しなければいけません。
口座開設の手続きには、会社の謄本と印鑑、身分証明書が必要になります。
また、口座を開設する際には支店の営業担当者が所在地確認を行うため、事務所への訪問をするのであらかじめ把握しておいてください。その際に融資を受けたいと考えている旨を担当者に伝えます。
信用金庫を利用する資格をクリアしているかどうかも確認しておいてください。中小企業は従業員が300人以下もしくは資本金が9億円以下で信用金庫の営業エリアに事務所が立地していること、個人事業主は信用金庫の営業エリアに住んでいるもしくは勤務していることが会員資格となっています。
信用金庫の創業融資審査でチェックされるポイントとは?
信用金庫の創業融資を受けるのであれば、審査でチェックされるポイントも把握しておくことが大切です。続いては、どのようなポイントをチェックされるのかご紹介します。
資金の使い道
資金の使い道は、純粋な運営資金であれば特に問題はありません。
しかし、ほかの使途に流用されたり、裏金に使われたりする可能性がある場合は審査も厳しくなります。散財される恐れがある場合も同様です。
創業融資に限った話ではありませんが、ほかの金融機関ですでに融資を受けているケースやローンを組んでいると、審査を通過しにくくなる可能性があります。ほかの借入れがあると、返済能力がないと判断されてしまうためです。
また、自己資金が不十分な場合や税金を滞納している場合、創業計画書の不備がある場合なども、審査落ちの原因になります。
現在利用しているローンと返済状況
すでにローンを組んだ状態だと、信用金庫の創業融資を受けるハードルが高くなってしまいます。カードローンやキャッシングといった無担保融資の借入れがある場合は、特に影響が大きいです。
一方、マイカーローンや住宅ローンだと担保があり、万が一の時に資産を手放せば返済の目途が立つので、審査で不利になる可能性は低めです。
ローンの利用状況だけではなく、返済状況もチェックされます。
ローンを延滞している場合や過去に債務整理を行った経験がある人は、返済能力が低いとみなされてしまうので要注意です。返済能力が低いと思われてしまうと、審査通過が難しくなってしまいます。
申し込んだ人の信頼度
申し込んだ人の信頼度も審査に大きな影響を与えます。信頼度をチェックする際に活用されるのがCICやJICC、全国銀行個人信用情報センターという信用情報機関です。
信用情報機関から情報を得ると、多くの情報が閲覧できます。この情報をチェックされた時に、ノンバンクからの借入れがある、頻繁に申し込みをした履歴がある、滞納した履歴がある、債務整理・個人再生・自己破産をした過去があると判明した場合、マイナスの評価につながる可能性が高いです。
信用金庫がこれらの信用情報機関から得られるのは、氏名や生年月日、性別、電話番号、住所、運転免許証番号などの公的資料情報、自己破産・債務整理履歴、ローン・クレジットカードの申し込み履歴と利用情報です。信用金庫はさらに申し込んだ人の人柄も加味した上で、融資の可否を決定します。
信用金庫の創業融資審査を通過するためのコツ
信用金庫の創業融資を受ける際に審査を通過するためには、いくつか押さえておきたいコツもあります。最後に、どのようなコツを押さえておくと審査を通過しやすくなるのか解説します。
自己資金はできるだけたくさん用意する
自己資金は、企業や個人事業主が借入れ以外で用意した資金のことです。
創業融資の審査では、どのくらい自己資金を用意したのか表す自己資金割合を確認されます。創業融資の場合だと、借りたいと考えている金額の1/3程度は用意しておくのが無難です。
あらかじめ自己資金を貯めることができていれば、返済能力が高いと判断してもらいやすくなります。そのため、時間をかけて事業に向けた準備を行い、資金もある程度貯めておくのがおすすめです。
そうすることにより、創業融資を受けられる可能性が高まります。
自己資金の確認には、経営者が持つ口座の預金通帳が使われます。過去1年分の記帳をチェックされ、自己資金として申告した金額が適正なルートで貯められたものかチェックされる点も把握すすべきポイントです。
タンス預金や親からの贈与に関しては、自己資金として認められないこともあるので注意しなければいけません。
メインバンクを信用金庫にする
地域に密着したサービスを提供している中小企業や個人事業主であっても、経営状態が悪化してから申し込むと断られるリスクが高くなります。不安定な経営状態になったとしても融資をしてもらいたのであれば、メインバンクを信用金庫にするのがおすすめです。
業績が良い時に融資を受けていたり預貯金を多くしたりすると、信頼関係の構築にもつながり、経営が悪化してからでも借入れできる可能性が高まります。
法人はもちろんですが個人事業主でも屋号で口座を開設し、振込先を信用金庫にします。現金決済の場合でも、売上げをすべて入金するとお金の流れがわかりやすいです。
お金の流れが明らかになれば、融資を受ける時の審査も通りやすくなるので実践する価値は大きいです。
融資前から口座を開設していた場合、信用金庫側から融資の提案を受けることもあります。
ただし、口座を以前から開設していることで必ず審査に通過するという保証はありません。あくまでも良い印象を持ってもらえるというだけなので、ほかの要素も重要です。
まとめ
事業を行うには資金が必要になりますが、中小企業や零細企業、個人事業主はまとまった資金を用意できない場合もあります。そのような時に利用できるのが信用金庫の創業融資です。
信用保証協会の保証が付いた融資もありますが、保証が付いていない融資もあるので、状況に合わせて選択することになります。