バランスシートで判断できる資金調達方法

2023年12月14日

資金調達というものは、実際に資金が足りなくなってからでは遅いかもしれません。足りなくなりそうだと予測して適切な資金調達方法を選択する必要があります。もし資金が潤沢にあり、自由に使える現金が多い時にはそもそも資金調達の必要性はありません。

そこで注目すべきがバランスシートなのです。バランスシートとは貸借対照表のことを指しており、資産や負債、そして資本(純資産)などが記されています。

バランスシートには、資金調達のヒントが多数隠れています。バランスシートからどのような資金調達を行っていくかを決めましょう。

こちらでは資金調達の観点からのバランスシートの見方について徹底解説します。

バランスシートの資産から見る資金調達について

資産は3つに分類されています。

・固定資産
・流動資産
・繰延資産

流動資産とは現金や預金、そして売掛金や受取手形のことを指しています。現金であるとか、1年以内に現金化できるものを指しているのです。要は資金としてすぐにでも活用できる資産のことを流動資産と呼んでいるわけです。

固定資産とは土地や建物といった不動産を指しています。さらには機会など1年以上に渡って利用する設備であるとか、長期保有予定の有価証券も固定資産として分類されています。簡単に説明すると長期に渡り会社が保有することになるとされる資産が固定資産に分類されることになるわけです。

繰延資産についてはそれほど重要なものではありません。内容が特殊であり特別に資産とされているもののことなので、資金調達を考える上ではそれほど重視する必要はないのです。

資産全体を見て資金調達しないことが肝心

バランスシートの資産の全体の額を見て、資金調達してはなりません。流動資産は返済能力に大きく関わりますが、固定資産は返済能力には直結してこないのです。

資産全体を見て資金調達をしてしまうと、返済能力が足りないことに返済が始まってから気づくことになってしまいます。

資金調達前には、必ず固定資産と流動資産に分けてチェックしてください。そして流動資産を重視するのです。流動資産の額の多さによって資金調達の額を決定すれば、会社として大やけどをしないで済むはずです。

資産からみる資金調達とは?

流動資産が多ければ多いほど資金調達はしやすい状況にある、と考えられます。返済に回せるお金を多く持っている、ということになるわけです。
月々の返済額が多少高額になったとしても、売掛金や受取手形などが次々と現金化されていけば対応できるはずです。

流動資産が多い会社が「返済能力が高い」と判断できるわけです。

固定資産が多い会社は資金調達的にはどの様になるのでしょうか?
実は固定資産が多かったとしても、それほど資金調達にはプラスに作用しません。前述をしたように、固定資産はすぐに現金化できるものではありません。固定資産が多かったとしても、返済能力には直結してこないのです。

もちろん不動産などを売却すれば、現金を得ることになります。しかし不動産を売却するのにも時間がかかります。数ヶ月かかることは当たり前ですし、買い手がつかなければ1年以上現金化にかかってしまう可能性もあります。

バランスシートの負債から見る資金調達について

バランスシートの負債については、2つに分類をされています。

・固定負債
・流動負債

流動負債に関しては、支払手形や買掛金といった取引先への支払いを予定しているものが入ります。さらには未払金や短期借入金も該当するのです。基本的に1年以内に返済しなければならないようなものを流動負債、と呼んでいます。

固定負債に関しては、長期借入金や社債などを指しています。1年を超えて返済しなければならないものを固定負債としているのです。

負債についても、基本的な考え方については資産と同じとなっています。1年というボーダーラインがあり、そのボーダーラインを超えるかどうかで流動になるか固定になるかが決まってくるわけです。

負債を確認し返済期間を決定しよう

流動負債と固定負債を確認して、資金調達の返済期間を決めるのです。
流動負債が少なければ、短期の借り入れについてはある程度の高額の借り入れも可能となるでしょう。
流動負債が多いい場合に資金調達をするのであれば、なるべく返済期間を長くして月々の返済金額を少なくするような対策が必要になってきます。

固定負債の額も返済期間に関わってきます。

要は流動負債の金額と固定負債の金額のバランスによって資金調達後の返済期間を決定するわけです。

負債全体の額で資金調達の内容を決めてしまうのは危険です。必ず流動負債と固定負債に分けてチェックしてください。

負債からみる資金調達とは?

バランスシートの負債からみる資金調達ですが、まずは流動負債をチェックしましょう。流動負債は近い将来に会社から出ていく資金の額を指しています。仮に流動負債の額が大きければ、大きな資金をすぐに返済していかなければならないことになるのです。流動負債の額が大きければ、短期の資金調達をするとさらなる負担になってしまいます。毎月の支払額が大きくなり、結果としてパンクしてしまうかもしれないわけです。

固定負債については長期的な返済金のことを指しています。支払期日が先になるものであり、直近では支払う必要があるものではありません。よって固定負債が多かったとしても短期の借り入れであれば十分に対応できる可能性がある、ということなのです。
しかし固定負債の額が大きいケースで返済期日が1年を超えるような資金調達をしてしまえば、返済が難しくなってしまうかもしれません。固定負債の額によって資金調達の返済期間をどうするのかを決めましょう。

バランスシートの純資産からみる資金調達について

純資産は2つに分類されます。

・株主資本
・株主資本以外

株主資本とは、資本金や資本余剰金、利益余剰金などを指しています。要は株主のお金が関係してくるものを株主資本と呼んでいるのです。資本金も出資によって得られたものなので、まさに株主の資金によって発生しています。

株主資本以外に関しては、新株予約権や少数株主持分、さらにはその他有価証評価差額金を指しています。株主のお金が関係してこない純資産を株主資本以外として分類しているわけです。

純資産からみる資金調達とは?

まず純資産は、資本から負債を差し引いた差額を指している、ということを理解する必要があります。要は会社として余裕があればあるほど純資産が多くなるのです。
資産に比べて負債が少ないとなれば、会社として体力がある、ということになります。仮に資金調達を行って負債を増やしたとしても、会社として大きなダメージとなるわけではありません。

一方で純資産が少ないということになってしまえば、会社として余裕が無いことになります。資産が少なく負債が多いということになり、返済能力が小さいわけです。純資産が少ないような状況であれば、高額な資金調達は難しいです。融資側に警戒されてしまい、審査落ちになることもあるでしょう。

純資産の中で特に注目すべきは「利益剰余金」です。利益剰余金は会社としての利益の積み重ねなのです。黒字が続いている会社であれば、利益剰余金が多くなります。銀行やノンバンクなども利益剰余金は必ずチェックするので、その額によって資金調達がしやすくなるかしにくくなるかが決まってくるので注意しましょう。