セールスアンドリースバックが今注目を浴びている!その内容とは

2023年9月30日

「セールアンドリースバックとはどんなものだろう」

という疑問を持つ方も多いかもしれません。

セールアンドリースバックは、最近注目を集めている資金調達の手法の1つです。

なぜ注目を集めているかというと、現在のコロナ禍の影響で多くの企業が経営に打撃を受け、銀行からの借り入れが困難になっている状況があるからです。

セールアンドリースバックは、このような資金調達の困難を解消してくれます。また、オフィスの縮小などの悩みも解消できるため、注目されているのです。

セールスアンドリースバックの仕組みと流れ

セールアンドリースバックとは、自社が所有する資産を売却し、所有権を譲渡した状態で買主から資産を借り受け、同様の資産を利用し続ける方法です。

不動産や車、事業用機械、飛行機など、固定資産など様々な種類の資産が対象となります。

つまり、セールアンドリースバックは、内部で資金を調達するために、自社が所有する資産を売却する方法です。

通常の資産売却とは異なり、「売却後も利用を続けることができる」という点が特徴です。

不動産を例にして、セールアンドリースバックの仕組みを説明します。

売買契約の手続き

まず、リースバック業者に対象となる不動産を査定してもらいます。

査定金額が妥当であると判断したら、リースバック業者と売買契約を締結し、不動産を売却します。

売買契約が締結されると、リースバック業者が買主となり、不動産の所有権が移転します。 

賃貸契約の手続き

売買契約を締結すると同時に、リースバック業者と賃貸借契約を結びます。

こうして、資産の売却と同時に、リースバック契約が成立します。

セールスアンドリースバックのメリットとは

セールアンドリースバックは、企業が自社で所有する資産を売却することで、迅速に現金化し、キャッシュフローを安定させることができます。

この方法を利用することで、資産を継続して使用しながら資金調達ができるため、セールアンドリースバックは多くのメリットを提供しています。

通常の融資では会社の返済能力や実績に伴う信用力が考慮されますが、セールアンドリースバックは資産の価値によって資金調達ができます。

また、融資とは異なり、売却資金の使い道に制限がありません。

現金繰りに悩む企業にとって、セールアンドリースバックは初期費用や審査の厳しさを回避しながら、迅速に現金を手に入れることができる最適な選択肢と言えます。

また、セールアンドリースバックは、資産を売却した後も同じ資産を引き続き使用できるという点が特徴の一つです。

このため、場所の変更などの環境変化がなく、手間やコストが削減されるというメリットがあります。

コスト面では、不動産を例に挙げると所有に伴い以下のような費用が発生します。

・保険料
・固定資産税
・維持管理および修繕費用

一方、セールアンドリースバックでは、資産の所有権が買主に移転されるため、保有に伴う費用が発生しません。

例えば、固定資産税や維持管理費用は毎年変動するため、経理作業に手間がかかります。

セールアンドリースバックによって毎月一定のリース料を支払うことで、将来の経営見通しが立てやすくなるだけでなく、経理作業の手間も削減できるというメリットがあります。

セールスアンドリースバックのデメリットとは

セールアンドリースバックによって不動産を含む資産を売却する場合、通常の売却額よりも約1〜3割程度安くなる傾向があります。

不動産などの資産は年数が経過するにつれ、価値が下落していくため、買主としては資産を購入しても自由に使えず、一定期間売主に貸し続ける必要があります。

通常の売却額よりも安くなる理由は、リースバック期間が終了した時の資産価値を考慮したためです。

また、セールアンドリースバック契約においては、毎月支払うリース料が必要となり、一般的な相場よりも高いリース料がかかる傾向があります。

これは、買主の買取価格に対する利回りを考慮して設定されるためであり、一般相場から設定されるわけではありません。

セールアンドリースバックは、短期的な資金調達に適した手段です。

しかし、リース契約には売却額が割安である上、リース料が割高であることが多く、長期間にわたるリース契約になると負担が大きくなる可能性があります。

さらに、売却した資産を買い戻したいと思った場合、買い戻し価格が売却価格より高くなることがあります。

また、買主の意向によっては再購入が不可能になる場合もあるため、注意が必要です。

利用する時は専門家に相談しよう

ここでは、セールアンドリースバックについて説明しました。

この方法では、企業は所有する資産を売却して現金を手に入れ、引き続きその資産を使用できます。

ただし、セールアンドリースバックには多くのメリットがある半面、デメリットや注意点があることも事実です。

セールアンドリースバックの特徴を理解した上で、専門家に相談して利用するかどうか検討しましょう。