ノンバンク利用のデメリットとは?|利用していいケースと控えた方がいいケースも併せて紹介
2024年10月22日
ノンバンクとは、銀行や政府系金融機関以外で融資を取り扱う金融会社のことをいいます。ノンバンク利用には、次のようなメリット・デメリットがあります。
ノンバンク利用のメリット・デメリット
ノンバンクは銀行より審査基準は通常低いですし、申し込みから実行まで早いのがメリットです。申し込んでから実行まで何週間もかかる銀行に不満を持つ経営者は多いですから大きな魅力です。
しかし、審査基準が低いということは、その分だけ回収不能リスクは上昇しますので、ノンバンクからの資金調達は金利が高めとなります。銀行からの資金調達金利は、どんなに高くても3%台ではないかと思います。しかし、ノンバンクでしたら不動産担保があれば1桁台もありますが、無担保なら10%以上の金利も珍しくありません。
しかも多額の回収不能リスクを避けるため、商品説明には限度額1千万円と書いてあっても、無担保では数百万円と少額になることが一般的です。
さらにノンバンクの利用が銀行に知られてしまうとマイナス評価を受けやすいでしょう。
したがって、資金調達の申し込み先はまず銀行からが大原則です。銀行よりも審査結果が早いから、いろいろ書類を要求されないからと、安易にノンバンクを利用される経営者が稀にいますが、それはやめた方がいいです。
ノンバンクを利用していいケース
では、金利の高いノンバンクの利用は絶対に避けるべきなのでしょうか。銀行がしばらくは融資を出さないと言っても利用してはいけないのでしょうか。
利用を検討してもいいケース
例えば、営業活動の結果、新しい仕事を受注できたとします。材料仕入先や外注先への支払が売上の入金よりも先行するため銀行に融資を申し込んだが、リスケジュール等を理由に否決されたので、支払いから入金まで数か月間のつなぎ資金としてノンバンクを利用するようなケースでしたら、利用を検討してもいいでしょう。
銀行は企業への融資に積極的です。事業性評価といって、決算内容だけでなく企業の事業内容や将来性を評価して融資実行することも増えてきました。しかし、それでも審査が通らず融資が受けられないこともあります。
前向きな資金使途、売上先は信用力があり、売掛金は数か月後には回収確実、短期間で返済が可能なら、多少高金利でもノンバンクは利用価値があると思います。
ノンバンクの利用を控えたほうがいいケース
しかし、次のようなケースでは利用を避けるまたは慎重にするべきです。
・銀行への返済分を借りる
「今は融資してくれなくても、いつかしてくれるかもしれない。だから銀行にリスケジュールを依頼したくない。ノンバンクから借りて返済を継続しよう」と考える経営者がいます。銀行への返済分をノンバンクから借りることは、利息負担が増大し利益を減少させますから、かえって資金繰りが悪化することになります。
そのような企業は、すでに銀行からの資金調達は困難になっており、その努力は無駄になる可能性が極めて高いと思います。銀行担当者の支援姿勢をよく確認して、融資が期待できないのならリスケジュールによって返済を一時的にストップしましょう。
・赤字穴埋めのために借りる
ノンバンクを利用したい理由としては、これが一番多いのではないでしょうか。ノンバンクから資金調達できれば確かに一時的に資金繰りは改善されます。しかし、すでに銀行は新規融資に応じてくれない経営状態であり、加えて利息支払いと元金返済が負担となってしまい、経営は悪化していくことになります。
銀行からの資金調達が困難なら、リスケジュールや他の支出を抑え、抜本的な経営改善が必要です。
銀行から資金調達できる企業を目指す
銀行から資金調達ができなかったということは、自社の経営に大きな問題があるということです。ノンバンクの一時的な利用は問題ありませんが、依存するようであれば自社の経営を見直す必要があります。
銀行の対応が厳しくなってきた、ノンバンクの利用を考え始めた、そうなってきたら直ちに資金繰りや経営の改善を実行しなければなりません。
すでにノンバンクを利用しており、返済が負担となっているのなら、なおさら直ちに行動を起こす必要があります。 経営改善を実行し、利益を出せる企業にしていき、銀行からの支援が受けられる企業を目指しましょう。