メガバンクで法人の口座開設するには?|口座開設の審査について解説

2024年11月1日

「メガバンクで法人口座を作りたいけれど、審査が厳しいって本当?」
「メガバンクの審査に通るには、どうすればいい?」

創業1年未満の企業は、事業の実績が少なく、審査の材料も乏しいため、メガバンクの法人口座の審査に通りにくいのは事実です。

もし、メガバンクの審査に通るのが難しそうな場合は、創業期はメガバンクでは開設しない、ほかの銀行を検討するという選択肢も視野に入れるべきです。

そこでこの記事では、みなさんがメガバンクの法人口座を少しでもスムーズに開設できるよう、下記についてお伝えします。

この記事で分かること
●メガバンクの法人口座の審査は厳しいのか
●自分はメガバンクで法人口座を作るべきなのか
●メガバンクの審査に通過するための4つのポイント
●メガバンク以外の銀行ならどこがいいか
この記事を読むと、ご自身が本当にメガバンクを利用すべきなのか、判断できます。

さらに、審査に通過するためのコツや、メガバンク以外の銀行ならどこがよいかも分かります。

「メガバンクで法人口座を作りたい」「審査に通りたい」と考えている方は、ぜひ参考にしてください。

1.メガバンク法人口座の審査は厳しい!

結論からいうと、メガバンクの法人口座を開設するのは難しい傾向にあります。

ほかの銀行と比べても、メガバンクの審査は特に厳しく、中でも実績のない創業1年目では、審査ハードルが高いといわれています。

実際に、創業初期に法人口座を開設した方々からも、メガバンクの審査は厳しいとの声が聞かれます。

創業初期の起業家の方は、「現状、メガバンクの法人口座開設は難しい」ことを認識しておきましょう。

日本の三大メガバンクは「三菱UFJ銀行」「三井住友銀行」「みずほ銀行」
都市銀行とは、大都市に本店を構え、全国規模で展開する銀行のことです。
金融庁の部類で都市銀行となっているのは、「三菱UFJ銀行」「三井住友銀行」「みずほ銀行」「りそな銀行」の4行です。

さらにメガバンクとは、総資産1兆ドルを超える巨大グループを意味します。
日本でメガバンクと呼ばれる銀行には、下記の3行があります。

(1)三菱UFJ銀行…国内売上高1位を誇る、国内最大手の銀行。海外事業に強い。
(2)三井住友銀行…国内で最も利益率の高い銀行。アジア進出に力を入れている。
(3)みずほ銀行…顧客ニーズに特化した、非財閥系の銀行。デジタルサービスを推進中。

このように、それぞれの銀行で、特長や強みが異なります。
自社の事業内容や将来設計などから、どのメガバンクが合っているか、検討してみましょう。

2.メガバンクの法人口座開設が難しい理由

メガバンクのみならず、法人口座開設には審査があります。

法人口座は審査が厳格に行われ、その結果、開設を断られるケースも少なくありません。

審査が厳しいことの大きな理由は、法人口座が不正に利用されることを防ぐためです。

近年、振り込め詐欺をはじめ、還付金詐欺、フィッシング詐欺など、金融犯罪が横行しています。
また、銀行口座の売買、マネー・ローンダリング、口座の不正利用など、色々なところで銀行口座が狙われています。

※マネー・ローンダリングとは、犯罪で得た資金の送金を転々と繰り返し、出所や所有者を分からないようにする行為です。

法人名義の口座開設が厳しくなった理由は、口座がテロ等の犯罪資金のローンダリングに利用される恐れがあることが1つ挙げられます。
テロ資金供与を防止するための国際組織であるFATF(Financial Action Task Force)をはじめ、世界規模で犯罪資金に対する規制が強化されています。

このような流れを受けて銀行口座を作成する際には、審査が厳重かつ、慎重に行われています。

さらにメガバンクの場合は、企業としての実績や信用も重視される傾向が高いです。

企業としての実績や信用を求められるから

メガバンクで法人口座を開設する場合、審査で下記のような点が重視される傾向があります。

・企業として、どのような実績がどの程度あるのか
・取引先の数や、事業規模はどのくらいか
・収益性は見込めそうか
・信用して取引できる相手なのか
新規事業を始めたばかりで、まだ実績がない場合、メガバンクの求める基準に満たないため、法人口座を開設するのは難しい場合もあります。

ただし、個人事業主として実績を積み、「法人成り」した企業の場合は、話が別です。

なぜなら、メガバンクの求める実績や信用には、個人事業主としての経歴も含まれるからです。

個人事業主として、下記のような実績を持っている場合には、メガバンクでも法人口座を開設できる可能性が高まります。

・ある程度の取引実績がある
・安定した取引を行っているクライアントがある
⇒これらの実績を示せる書類(請求書や領収書など)が提示できる
もしも「法人成り」を少しでも考えているのであれば、個人事業主として事業を行っている段階で、事業用の屋号付き口座を作っておくことをおすすめします。

「法人成り」の際に、屋号付きの口座を作ったのと同じメガバンクで法人口座を開設すれば、それまでの実績や信用から、審査に通過する可能性が高まります。

3.メガバンクで法人口座を開設するメリット

ここまで、創業期にメガバンクで法人口座を開設するのが難しい理由を説明してきました。

ただ、もちろんメガバンクで法人口座を作成することによって得られるメリットも多いのは確かです。

【メガバンクのメリット】
・ネームバリューが高い
・低い金利で大口の資金援助を受けられる可能性がある
・大口の融資を継続的に受けられる可能性がある
上記3つの理由を、1つずつ解説していきます。

ネームバリューが高い

メガバンクには、「誰もが一度は聞いたことがある」という、ネームバリューに強みがあります。

ネームバリューがある銀行を使っていると、「その銀行と取引があるなら信用できる」と思ってもらえるので、取引先や顧客を増やす武器となるのです。

また、会社のある地域や、業界の分野によっては「取引先や顧客が、メガバンクを使っている企業としか取引してくれない」という場合もあるようです。

低い金利で大口の資金援助を受けられる可能性がある

メガバンクは、資金力の大きさが強みです。銀行にとって魅力のあるプランを提示できれば、数億円規模の大きな融資を受けられるかもしれません。

なるべく早いうちに大口の融資を受けたいと考えているのであれば、メガバンクで法人口座を作る意義があるといえるでしょう。

大口の融資を継続的に受けられる可能性がある

3つ目は、既に述べたような大口の融資を、継続的に受けられる可能性があります。

メガバンクは、豊富な資金力があるため、融資の金利が低いといわれています。

各銀行の融資金利を比べると、おおむね下記のような傾向になります。

※2024年6月GMOあおぞらネット銀行調べ

そのため数千万円を超えるような、大口の融資が継続的に発生すると見込まれる場合には、金利の低いメガバンクを選択する意義があるでしょう。

4.メガバンクで法人口座の審査に通過するための4つのアクション

ここからは、メガバンクで法人口座の審査に通過するための具体的なアクションについて解説します。

審査通過のために取るべきアクションは、下記4点です。

(1)【創業前】資本金額は最低でも100万円以上用意する
(2)【面談前】実績証明になる書類を用意する
(3)【面談前】話す内容を頭に入れておく
(4)【面談時】身なりを整える
まずは、メガバンクで法人口座を開設する際の、必要書類と審査手続きの流れを確認しておきましょう。

審査手続きの一般的な流れは、下記の図のとおりです。(※申込する銀行によって異なりますので申込する前にWebサイト等で確認しましょう。)

まずはインターネット上で申込をし、次にオンラインか店頭で面談を行います。

店頭の場合には、書類を持参し、オンライン面談の場合には面談後に書類を送付、審査に通過すれば、無事に口座が開設できます。

ここからは、審査に通過するための4つのアクションについて、1つずつ解説していきます。

【創業前】資本金額は最低でも100万円以上用意する

審査に通過するための1つ目のアクションは、資本金額は最低でも100万円以上用意することです。

メガバンクで法人口座を作りたいなら、資本金の額は高いに越したことはありません。

なぜなら、資本金の額は、審査の際に下記の内容を判断するための基準となるからです。

・収益性はありそうか
・将来性はありそうか
・信用できそうな会社か

資本金額の目安としては、最低でも100万円以上用意できるのが理想的です。

実際、2022年に新設した株式会社における資本金の割合は、下記のグラフのとおりです。

資本金100~300万円の企業が最も多く、300万円以下の企業が全体の過半数(57%)を占めています。

メガバンクで法人口座を開設したいと考えているのなら、創業前から、資本金として100万円以上の金額を用意しておくとよいでしょう。

【面談前】実績証明になる書類を用意する

審査に通過するための2つ目のアクションは、実績証明になる書類を用意することです。

これが最も重要なポイントとなるので、しっかり押さえておきましょう。

前述したとおり、メガバンクで法人口座を開設するためには、下記の書類が必要となります。

メガバンクで法人口座を開設する際の【基本的な必要書類リスト】
▼会社(法人)に関する書類
・登記事項証明書(履歴事項全部証明書など)
・法人の印鑑
・法人の印鑑証明書
・本社確認書類(不動産の登記事項証明書・賃貸借契約書など)

▼手続き者(代表者・担当者)に関する書類
・本人確認書類(運転免許証、健康保険証、パスポート、マイナンバーカードなど)
そのほかにも審査に通るためには、会社の信用性を上げるために、追加でさまざまな書類を用意する必要があります。

下記の図は、重要度の高い順に、用意すべき書類を示したものです。

すべての会社に共通して、用意しておきたい書類は、下記3点です。

すべての会社で用意すべき書類
・許認可証
・自社Webサイト
・自社パンフレット
ここ数年は特に、自社Webサイトがあるかどうかを、審査で重視する傾向にあります。

Webサイトは自分でも作れますので、審査通過率を上げるために、ぜひ制作してみてください。

既に実績がある会社が用意すべき書類は、下記のとおりです。

実績がある会社が用意すべき書類
▼利益が証明できるもの
・取引履歴の分かる通帳
・確定申告の写し
・納税証明書
・決算報告書

▼取引が証明できるもの
・契約書
・請求書
・領収書

・取引先リスト
・取引先からの推薦状・紹介状
実績がある場合、過去に得た利益や、過去の取引を証明できる書類があると信用性が高くなります。

さらに取引先のリストや、取引先からの推薦状や紹介状は効果的です。懇意にしている取引先がある場合には、承諾を得て作成するとよいでしょう。

【面談前】話す内容を頭に入れておく

審査に通過するための3つ目のアクションは、面談で話す内容を頭に入れておくことです。

面談で話すのは、下記のような内容です。

・代表者のプロフィール
・代表者の学歴や職歴
・会社の事業内容の概要
・事業を行う目的
・事業計画の概要
・法人口座を開設する目的
・面談を受けたメガバンクを選んだ理由
少なくともこれらの項目については、どう答えるかを考え、要点をまとめて、頭に入れておきましょう。

追加で、会社のPRやアピールポイントを伝えられると、よりよい印象が与えられます。

実際に話す練習をしておくと、面談の本番でも自信を持って話せますよ。

面談の相手がどんな人であっても、笑顔でハキハキ対応できるように努めましょう。

【面談時】身なりを整える

審査に通過するための4つ目のアクションは、身なりを整えておくことです。

ささいなことにはなりますが、実際に身なりで印象はガラッと変わるものです。

面談相手は、自分を「信用してもよい人物かどうか」を見極めようとしてくるということを忘れないようにしましょう。

どんなに小さなことでも、相手からの印象を良くすることを心がけて、行動することが肝心です。

5.メガバンク以外で法人口座を開設できる銀行

法人口座を開設できる銀行は、メガバンクだけではありません。

ここからは、メガバンク以外の、下記4つの銀行について紹介します。

(1)地方銀行
(2)信用金庫・信用組合
(3)ゆうちょ銀行
(4)ネット銀行

それぞれの銀行の特長やメリット・デメリットから、どういう人におすすめかも解説します。

【銀行の種類と特長】

地方銀行
・地域に根ざした銀行
・地域で事業を行う会社向け
信用金庫
・地域に根ざし、会員による出資で運営される金融機関
・設立直後でも開設しやすい
・地域で事業を行う、中小企業向け
ゆうちょ銀行
・日本郵政公社の民営化によって生まれ、全国的に支店展開している銀行
・中小企業向け(1,300万円以上の金額は預けられない)
ネット銀行
・オンライン上での取引が中心となるインターネット専業銀行
・設立直後でも開設しやすい
・あらゆる業種・会社規模に向いている
メガバンク以外のどの銀行を開設しようか迷ったら、ぜひ参考にしてくださいね。

地方銀行【創業初期に融資を受けたい人におすすめ】

地方銀行とは、各都道府県内をメインの営業地域として、地域密着型のサービスを行っている銀行です。

地方銀行で法人口座を持つメリット
・創業融資が受けやすい
・融資や経営について、相談に乗ってもらいやすい

地方銀行は、創業初期に融資を受ける予定の人におすすめです。

よって、創業初期の段階で融資を受ける可能性のある方に、おすすめです。

続いて紹介する信用金庫・信用組合よりも、対応エリアが広いので、都道府県内、あるいはその近辺の地域で広く事業を行いたい方にもおすすめできます。

信用金庫【特定の地域に根ざした会社にしたい人におすすめ】

信用金庫は、地方銀行よりも地域密着で、地域住民や企業からの出資を元に運営する、金融機関です。

信用金庫は、将来的に、特定の地域に根ざした会社に育てたい人におすすめです。

信用金庫で法人口座を持つメリット
・法人口座開設の審査はメガバンクや地方銀行と比較するとやや柔軟
・創業融資が受けやすい
・融資や資金繰り、経営など、親身に相談に乗ってもらえる

信用金庫は、法人口座開設の審査も、融資の審査も、ややハードルが低いといわれています。

さらに対応エリアが狭く、金融機関との付き合いが深いというのも特長の1つです。

信用金庫となら、深い付き合いができ、地域に根ざした会社づくりが目指せるでしょう。

ネット銀行【コスパ・スピード感を重視する人におすすめ】

ネット銀行は、対面の店舗を持たず、オンライン上での取引が中心となるインターネット専業銀行です。

ネット銀行は、コスパやスピード感を重視する方におすすめできます。

ネット銀行の、法人口座開設の審査は、店舗型銀行(メガバンク、地方銀行や信用金庫等)と比較すると柔軟に対応しています。

さらに利用コストが低く、対応エリアは全国で、UI・UXに優れており使い勝手がいいというのも特長です。

ネット銀行で法人口座を持つメリット
・法人口座開設の審査は店舗型銀行と比較すると柔軟に対応
・振込手数料や、ネットバンキングの月額利用料が安い
・24時間365日取引が可能

ネット銀行はコスパとスピード感という強みから、普段使いの銀行にぴったりです。

ただし、原則店舗がないため、銀行との付き合いは深いとはいえず、創業融資がない場合もあるので、ご注意ください。