リースバックのデメリットを徹底解説!知っておきたいリスクと注意点
2025年8月8日
近年、住宅や不動産を活用した資金調達方法として注目されている「リースバック」。自宅を売却してもそのまま賃貸として住み続けられるため、住まいを手放さずにまとまった資金を得たい方に人気のサービスです。しかし、そのメリットの裏にはいくつかのデメリットやリスクも存在します。知らずに契約すると後悔することも少なくありません。
この記事では、リースバックの仕組みを簡単に説明した後、契約前に必ず理解しておきたいデメリットや注意点を詳細に解説します。リースバックの利用を検討中の方は、ぜひ最後まで目を通してください。
そもそもリースバックとは?
リースバックとは、自宅や所有している不動産を不動産会社や専門業者に売却し、売却後もそのまま賃貸として住み続けられる仕組みのことです。
売却時にまとまった現金を手に入れられる一方、買い戻す権利がついている場合もあり、将来的に自宅を取り戻すことも可能です。主に老後資金や医療費、事業資金の調達、債務返済などに活用されています。
リースバックの主なデメリット
1. 所有権がなくなる=資産を失うリスク
リースバック最大のデメリットは、自宅の所有権を手放すことになる点です。売却した物件はもう自分の資産ではなくなります。
・所有権がなくなるということは、
・将来、物件の価格上昇による利益を得られない
・相続時に子どもに資産として残せない
・自分の意思だけで売却やリフォームができなくなる
などのデメリットが発生します。
特に相続問題に関しては、家族間でトラブルが起きやすいため、事前にきちんと話し合いが必要です。
2. 毎月の家賃負担が発生し続ける
売却後は「賃貸借契約」に変わるため、毎月の家賃支払いが必須となります。これは特に高齢者や年金生活者にとっては負担になることがあります。
リースバック契約の家賃は、
・売却価格や相場をもとに設定されるため、必ずしも安いとは限らない
・物件の状態や立地によっては高額になるケースもある
・将来的に家賃が値上げされる可能性がある
というリスクがあります。
年金だけで生活している場合、家賃負担の増加は家計を圧迫する要因となるため、長期的な支払い計画を立てておくことが重要です。
3. 売却価格が市場価格より低いことが多い
リースバックでの売却価格は、通常の市場売却価格よりも低めに設定されるケースが一般的です。理由としては、
・不動産会社が買い戻しリスクや賃貸管理コストを負担するため
・売却から賃貸に切り替わることによる価値調整
などがあります。
結果として、売却時に得られる資金は「本来の市場価値」よりも少なくなり、資産の目減りを招く可能性が高いのです。
4. 再購入権があっても必ず買い戻せるとは限らない
リースバック契約には「再購入特約」が付くことが多いですが、これも万能ではありません。
・再購入価格が当初の売却価格より高く設定されるケースが多い
・資金面の都合がつかなければ買い戻せない
・再購入期間が限定されている場合もあり、期間を過ぎると権利が消滅する
そのため、将来的に自宅を取り戻したい場合でも、必ず成功するとは限らず、資金計画と契約内容の詳細をしっかり確認する必要があります。
5. 契約解除や退去を求められるリスクがある
リースバックはあくまで賃貸借契約であるため、契約内容によっては
・家賃滞納時に契約解除・退去を求められる
・契約期間満了後、更新拒否される可能性がある
・不動産会社の経営状態や方針変更により不安定になることも
といったリスクが伴います。
特に高齢者の場合、急な退去は生活環境の大きな変化をもたらし、精神的・身体的負担になることも多いです。
6. 住宅の維持管理費用がかかる場合もある
所有権がなくなることで、固定資産税などの税負担は基本的に売主から買主へ移りますが、住宅の維持や修繕、管理に関しては契約条件によって異なります。
・管理費や修繕費を借主負担とするケースもある
・賃貸契約の内容によっては改修が制限される場合もある
結果的に、住宅の状態が悪化した場合に住み続けるうえで支障をきたすこともあり得ます。
7. 税務面・法的な理解が必要
リースバックには、不動産売買と賃貸借の2つの契約が絡むため、
・売却益に関する税務申告
・住居権の保護に関する法的理解
・契約書の複雑さや条件の読み込み
といった専門知識が必要になります。安易に契約を結ぶと、後から思わぬトラブルや損失を招くこともあります。
リースバック利用前に確認したいポイント
・契約書の内容を必ず専門家に確認する
税理士や不動産専門弁護士などにチェックしてもらうことを推奨します。
・家族や相続人と十分な話し合いをする
特に資産を手放すことや相続問題については認識を共有しておくことが重要です。
・将来の家賃支払いが無理なく続けられるか計算する
年金や収入と照らし合わせて支払い能力を見極めましょう。
・再購入権の条件と期限を確認する
買い戻し可能かどうかは将来の生活設計に直結します。
・売却価格が妥当かどうか複数社で査定してもらう
相場より低すぎる場合は契約を再考するべきです。
まとめ
リースバックは、自宅を手放さずに資金を調達できる魅力的な仕組みですが、一方で所有権の喪失や家賃負担の継続、契約上のリスクなど、しっかり理解しないと将来的に大きなトラブルや後悔につながるデメリットも多い制度です。
利用を検討する際は、契約内容を細かく確認し、将来の資金計画や生活設計を踏まえた上で判断しましょう。何よりも、家族や専門家と十分に相談することが成功のカギとなります。
あなたの大切な資産と住まいを守りながら、安心して利用できるかどうかを慎重に見極めてください。