事業資金を調達する時の金利とは?計算方法や決定因子について解説

2023年11月1日

事業資金を調達するときにも気になるのが金利です。そしてきちんと理解しておくことが重要です。当記事では、資金調達方法別に見た金利相場と金利の計算方法をはじめ、金利の決定に影響する要素についても解説します。これから資金調達を検討している方はぜひ参考にしてください。

事業資金の調達方法と金利の相場

まずは事業資金の調達方法と、それぞれの金利の相場について紹介します。

信用保証協会の保証付き融資

信用保証協会の保証付き融資は、民間の金融機関からの融資をサポートする制度です。信用保証協会が保証を付けることで金融機関からすると貸し倒れリスクが低くなるため、金利を低く設定できます。

保証付き融資の金利は2%前後が相場です。ただし、保証付き融資では金利とは別に、保証料を信用保証協会に支払う必要があります。保証料の相場は0.1%〜0.8%です。信用保証協会によっても条件が異なるため、事業所の管轄区域である信用保証協会やHPにて詳細を確認しておきましょう。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は、国が出資している政府系金融機関です。日本政策金融公庫が提供する融資制度の金利は業種や規模によっても異なりますが、基準利率は2%〜3%台となっています。

特定の条件を満たし、特別利率が適用された場合は1%前後の利率となることもあり、民間の金融機関と比較して低い金利となっています。

信用金庫の融資

信用金庫は地域に根ざした金融機関で、中小企業・小規模事業者向けの融資を行っています。地域密着型であるため親身に対応してもらえる点がメリットですが、地域対象外の事業者は利用できない点に注意が必要です。信用金庫の金利は業種や規模によって異なりますが、一般的には2%〜6%程度が相場となっています。

銀行のプロパー融資

銀行のプロパー融資とは、信用保証協会を介さず直接貸付を行う融資のことをいいます。融資の対象は法人であることが一般的で、融資金額も100万円以上で行われることが多くなっています。金利は融資先の信用度や担保の有無などによって変動しますが、一般的には1〜3%程度が相場です。

ファクタリング

ファクタリングは、売掛債権を売却することで資金を調達する方法です。金利は発生しませんが、買取金額から手数料が引かれた残りの金額が支払われます。手数料の決定には売掛債権の金額や売掛先企業の信用度などが影響するほか、二社間ファクタリングか三社間ファクタリングかによって大きく変わります。

利用企業とファクタリング会社のみで契約が完結する二社間ファクタリングの場合は、売掛金の10〜30%の手数料が相場です。取引先を含めた三社間ファクタリングでは、1〜10%程度が相場となっています。

手数料率はファクタリング会社によって異なるため、慎重に検討するようにしましょう。

ノンバンク

ノンバンクはクレジットカード会社や消費者金融など、預金を取り扱わない金融機関のことをいいます。金利は各社ごと、あるいは融資商品によって幅がありますが、3%〜18%程度が相場です。信用度の高い企業や個人であれば、比較的低めの金利で融資を受けることができる可能性もあります。

金利の計算方法

金利の計算方法には、元利均等と元金均等の2種類があります。しっかり理解して、自社の資金繰りや返済計画に合わせた方式を選択することが重要です。

元金均等返済

元金均等返済とは、毎月の返済額に含まれる元金の部分が均等になるように返済する方法です。利息は残高に応じてかかるため、はじめのうちは高額な返済になりますが、返済期間が進むにつれて徐々に減少していきます。

元金均等返済のメリットは、元利均等返済と比べて総返済額が少なく済むことと、返済期間を短縮できることです。一方で、はじめは返済額が高額になるため、返済が厳しくなる可能性がある点に注意が必要です。

元利均等返済

元利均等方式は、返済期間中、毎月一定の金額を返済する方法です。返済額は元金に対して発生する利息分も含めた均等な金額となるため、たとえば10年後に返済する金額も同じになります。

元利均等では毎月の返済額が一定となるため、返済計画を立てやすい点がメリットです。はじめのうちは利息の割合が大きいため元金に対する返済が少なくなりますが、返済期間が経過するにつれて利息の割合が減少し、元金に対する返済が増加していきます。

金利の決定に影響する要素とは

金融機関が提示する金利は、様々な要素によって変動します。金融機関によっても異なりますが、一般的に金利の決定に影響するとされる要素について見ていきましょう。

なお、カードローンなどの貸金事業の場合は、利息制限法により上限金利が15.0~20.0%(貸付額による)と定められています。

担保の有無

担保がある場合、金利は担保の種類や価値に応じて設定されます。金融機関にとっては担保があることで万が一返済が滞った場合のリスクが低くなるため、無担保と比較して低金利が設定されています。

例えば不動産を担保にした場合、その不動産の種類や場所、価値などによって金利が変動します。ただし、返済できなかった場合、担保が売却されて弁済に充てられてしまう点に注意する必要があります。

返済期間

金利は、返済期間が長いほど高くなる傾向があります。返済期間が長いということは、金融機関にとっては長期間にわたってリスクを負うことになるため、その分をカバーするために金利が加算されるのです。

返済が早ければ支払う利息は減りますが、毎月の返済額が大きくなり経営を圧迫する可能性があります。自社の返済能力を考慮した上で、最適な返済期間を選択しましょう。

金融機関の利益

民間の銀行などの金融機関では、融資によって得られる利息を収入源とし、事業を運営しています。そのため、金融機関では、あらかじめ自社の利益を考慮した金利を設定します。

貸倒れリスク

貸倒れリスクが高いと判断された場合、貸し手にとってのリスクが大きくなるため金利が高くなる場合があります。

貸し倒れリスクは、企業の信用度や返済能力などから総合的に判断されます。返済に充てられる安定した事業収入があるか、過去の信用情報に問題はないかなどをチェックされます。

なお、担保を設定したり、返済期間を短くしたりすることで貸倒れリスクを低減することが可能です。