【最新】IT導入補助金とは?概要から手続き方法まで解説
2023年5月23日
IT導⼊補助⾦ってなに?
IT導入補助金とは、中小企業・小規模事業者が自社の課題やニーズに合ったITツールの導入を支援する補助金です。日々のルーティン業務を効率化させるITツールや情報を一元管理するクラウドシステム等、バックオフィス業務の効率化やデータを活用した顧客獲得など、生産性の向上や業務プロセスの改善と効率化に資する汎用的なITツール導入に活用できます。
ITツールとは、パッケージソフトの本体費用、クラウドサービスの導入・初期費用等が含まれます。補助対象費目には、ITツール導入費用、ITコンサルティング費用、ITシステム改修費用等が含まれ、特に複数の業務⼯程を広範囲に⾮対⾯化する業務形態の転換が可能なITツールの導⼊を⽀援します。
2023年(令和5年度)のIT導入補助金
令和元年度補正(令和四年度繰越)IT導入補助金の通常枠(A・B類型)では、独立行政法人中小企業基盤整備機構が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革、被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)に対応するため、中小企業・小規模事業者等が生産性の向上に資するITツール(ソフトウェア、サービス等)を導入するための事業費等の経費の一部を補助等することにより、中小企業・小規模事業者等の生産性向上を図ることを目的としています。
令和3年度補正時のサービス等生産性向上IT導入支援事業(=IT導入補助金)では、「デジタル化基盤導入類型」及び「複数社連携IT導入類型」の2類型を設け、新型コロナウイルス感染症の影響を受けつつも、生産性向上に取り組む中小企業・小規模事業者等を支援するとともにインボイス制度への対応も見据えつつ、企業間取引のデジタル化を強力に推進するため、「通常枠」よりも補助率が引き上げられています。
現在のIT導入補助金は、企業の業務改善や生産性向上、情報セキュリティの強化、地域のIT化など、幅広い目的で活用できます。 具体的な補助内容や条件は、地域や支援機関によって異なりますが多くの場合、小規模事業者や中小企業に重点を置いた補助が行われています。ITに関する投資によって企業や団体が得られるメリットを最大限に引き出すことができるよう支援をすることで、経済発展や社会的な利益を促進することを目的としています。
※最新情報は公式サイト等で確認する必要があります。
IT導入補助金のラインナップは大きく4種類
①通常枠、③デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)、②セキュリティ対策推進枠、④デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)の4種類があります。それぞれ解説していきます。
■通常枠(A・B類型)
中小企業・小規模事業者等が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部が補助されます。自社の強みや弱みを認識、分析し、把握した経営課題や需要に合ったITツールを導入することで、業務効率化・売上アップといった経営力の向上・強化を図ることが求められます。
■デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
中小企業・小規模事業者等のみなさまが導入する会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフト・ECソフトの経費の一部を補助することで、インボイス対応も見据えた企業間取引のデジタル化を推進することを目的としています。
■セキュリティ対策推進枠
中小企業・小規模事業者等がサイバーインシデント(いわゆるサイバー攻撃などによる被害)が原因で事業継続が困難となる事態を回避するとともに、サイバー攻撃被害が供給制約・価格高騰を潜在的に引き起こすリスクや生産性向上を阻害するリスクを低減することを目的としています。
通常枠(A類型・B類型)・セキュリティ対策推進枠
通常枠は、中小企業や小規模事業者、一般社団法人や社会福祉法人などITを導入・活用するための補助金となり、A類型は5万円~150万円未満、B類型は150万円~450万円以下の補助金を受けることができます。補助率は、どちらも最大で1/2となっています。通常枠の補助金対象となる項目は、例えば、情報セキュリティ対策に関する補助、クラウドサービス利用に関する補助、Webサイト制作に関する補助、社内ネットワーク整備に関する補助、電子カルテ導入に関する補助、オンラインショップ構築に関する補助などがあります。
ただし、A類型とB類型では、ITツール導入で生産性が高まる業務プロセスの数や賃上げ要件など、申請条件にいくつかの違いがあります。
デジタル化基盤導入枠とは、中小企業や小規模事業者が情報処理やITツールの導入を行う際に、その費用の一部を補助するための制度のことです。2023年度のIT導入補助金では、通常枠(A・B類型)セキュリティ対策推進枠、デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型・複数社連携IT導入類型)の受付が行われます。
生産性向上に取り組む中小企業・小規模事業者等においてサイバーインシデントが原因で事業継続が困難となる事態を回避するとともに、サイバー攻撃被害が供給制約や価格高騰を潜在的に引き起こすリスクや中小企業・小規模事業者等の生産性向上を阻害するリスクを低減するための支援がされます。
デジタル化基盤導入枠(インボイス対応に活用)
デジタル化基盤導入枠には、「デジタル化基盤導入類型」と「複数社連携IT導入類型」があります。
デジタル化基盤導入類型は、単独事業者がPCやレジなどのITツールを導入する場合に、補助金が支給されます。
一方、複数社連携IT導入類型は、複数の企業が協力して情報処理を行うためのシステム導入費用を補助するものです。
複数社連携IT導入類型
複数社連携IT導入類型とは、複数の中小企業や小規模事業者が連携してITツールやハードウェアを導入するための支援制度の一種です。
この制度では、導入するITの費用や効果的に連携するための費用を支援してもらえます。取り組みにあたってのコーディネート費や、取組に関する助言を行う外部専門家への謝礼金も対象となっています。
申請・手続きの概要
中小企業・小規模事業者か、またITベンダー・サービス事業者かで申請・手続きの内容が異なりますの申請・手続きの概要を確認してください。
複数社連携IT導入類型については、申請フローが一部異なります。
重要事項として、交付決定の連絡が届く前に発注・契約・支払い等を行った場合は、補助金の交付を受けることができませんのでご注意ください。
中小企業・小規模事業者の手続き
1.IT導入補助金への理解
IT導入補助金には前述の通り主に4つのラインナップがあります。自社にマッチしているものはどれか、また対象企業であるのかなど概要をよく読んで理解しましょう。
2.「IT導入支援事業者の選定」「ITツールの選択」(事前準備)
補助金の交付申請を行う準備として、まずは自社の業種や事業規模、経営課題に沿って、IT導入支援事業者と導入したいITツールを選定します。
3.「gBizIDプライム」アカウントの取得、「SECURITY ACTION」の実施(申請要件)、「みらデジ」の「経営チェック」の実施
交付申請の要件には「gBizIDプライム」アカウント(ID・パスワード等)が必要となります。
gBizIDプライムをお持ちでない場合は「gBizID」ホームページより取得をお願いいたします。
※gBizIDプライムアカウントID発行までの期間は、おおむね2週間となっております。早めの申請手続きをお願いします。
また「gBizIDプライム」アカウント取得に加えて、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の宣言が必要になります。
この宣言は、中小企業・小規模事業者等自らが、情報セキュリティ対策に取組むことを自己宣言する制度で、「★一つ星」または「★★二つ星」を宣言する事を要件としています。
交付申請作成時に宣言済アカウントIDの入力が必要となります。
4.交付申請(IT導入支援事業者との共同作成・提出)
IT導入支援事業者との間で商談を進め、交付申請の事業計画を策定します。
その後、中小企業・小規模事業者等のみなさまの交付申請は、以下の流れで行います。
・IT導入支援事業者から『申請マイページ』の招待を受け、代表者氏名等の申請者基本情報を入力する。
・交付申請に必要となる情報入力・書類添付を行う。
・IT導入支援事業者にて、導入するITツール情報、事業計画値を入力する。
・『申請マイページ』上で入力内容の最終確認後、申請に対する宣誓を行い事務局へ提出する。
5.ITツールの発注・契約・支払い(補助事業の実施)
交付申請を完了し、事務局から「交付決定」を受けた後に、ITツールの発注・契約・支払い等を行うことができます。
6.事業実績報告
補助事業の完了後、実際にITツールの発注・契約、納品、支払い等を行ったことが分かる証憑を提出します。
証憑の提出は、以下の流れで行います。
・中小企業・小規模事業者等のみなさまが『申請マイページ』から事業実績報告に必要な情報及び証憑の添付を行い、事業実績報告を作成する。
・事業実績報告が作成された後、IT導入支援事業者が内容の確認及び必要情報の入力を行う。
・最終確認後、中小企業・小規模事業者等のみなさまが事務局に事業実績報告を提出する。
7.補助金交付手続き
事業実績報告が完了し、補助金額が確定すると、『申請マイページ』で補助額を確認できるようになります。その内容を確認した後に補助金が交付されます。
8.事業実施効果報告
事業実施効果報告は、定められた期限内に補助事業者が『申請マイページ』より必要な情報を入力し、IT導入支援事業者の確認を経て、提出してください。
補助対象者について
<業種・組織形態>
「資本金・従業員規模の一方が、下記以下の場合対象(個人事業を含む)」
■製造業、建設業、運輸業
〇資本金(資本の額又は出資の総額)
3億円
〇従業員常勤
300人
■卸売業
〇資本金(資本の額又は出資の総額)
1億円
〇従業員常勤
100人
■サービス業(ソフトウエア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)
〇資本金(資本の額又は出資の総額)
5,000万円
〇従業員常勤
100人
■小売業
〇資本金(資本の額又は出資の総額)
5,000万円
〇従業員常勤
50人
■ゴム製品製造業(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く)
〇資本金(資本の額又は出資の総額)
3億円
〇従業員常勤
900人
■ソフトウエア業又は情報処理サービス業
〇資本金(資本の額又は出資の総額)
3億円
〇従業員常勤
300人
■旅館業
〇資本金(資本の額又は出資の総額)
5,000万円
〇従業員常勤
200人
■その他の業種(上記以外)
〇資本金(資本の額又は出資の総額)
3億円
〇従業員常勤
300人
「その他の法人」
■医療法人、社会福祉法人、学校法人
〇資本金(資本の額又は出資の総額)
–
〇従業員常勤
300人
■商工会・都道府県商工会連合会及び商工会議所
〇資本金(資本の額又は出資の総額)
–
〇従業員常勤
100人
■中小企業支援法第2条第1項第4号に規定される中小企業団体
〇資本金(資本の額又は出資の総額)
–
〇従業員常勤
主たる業種に記載の従業員規模
■特別の法律によって設立された組合またはその連合会
〇資本金(資本の額又は出資の総額)
–
〇従業員常勤
主たる業種に記載の従業員規模
■財団法人(一般・公益)、社団法人(一般・公益)
〇資本金(資本の額又は出資の総額)
–
〇従業員常勤
主たる業種に記載の従業員規模
■特定非営利活動法人
〇資本金(資本の額又は出資の総額)
–
〇従業員常勤
主たる業種に記載の従業員規模
「小規模事業者 業種分類」
■商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)
〇従業員常勤
5人以下
■サービス業のうち宿泊業・娯楽業
〇従業員常勤
20人以下
■製造業その他
〇従業員常勤
20人以下