請求書買取(ファクタリング)の審査難易度とは?審査基準・落ちる理由・通過のコツを徹底解説

2025年4月22日

売掛金の早期資金化手段として注目される「請求書買取(ファクタリング)」。銀行融資とは異なり、比較的審査が通りやすいと言われていますが、「本当に通るのか?」「どんな点がチェックされるのか?」と不安を抱える事業者も少なくありません。

この記事では、請求書買取の審査難易度に焦点を当て、審査の流れや落ちやすいパターン、審査通過のポイントまでをわかりやすく解説します。中小企業経営者・個人事業主・フリーランスの方はぜひ参考にしてください。

1. 請求書買取(ファクタリング)とは?仕組みの基本

請求書買取とは、企業が保有する売掛金(=未回収の請求書)をファクタリング会社に売却して現金化するサービスです。取引の対象はあくまで請求書(債権)であり、利用企業の信用ではないため、銀行融資より審査のハードルが低いのが特長です。

利用の主な流れ
・請求書をファクタリング会社に提出

・売掛先や債権の内容に基づいて審査

・承認されれば請求書の額面から手数料を引いた金額を即日〜数日以内に入金

「借金ではない」ため、信用情報に傷がつかない点も、多くの中小事業者にとってメリットとなります。

2. 審査難易度は高い?低い?結論:融資よりは易しいが落ちることもある

請求書買取の審査は、銀行融資などの金融審査と比べて格段にハードルが低いと言われます。その主な理由は、ファクタリングでは以下のような違いがあるためです。

請求書買取(ファクタリング)は、銀行融資と比較して審査の仕組みや資金調達スピード、利用のハードルが大きく異なります。

まず、審査の対象について、銀行融資では「利用企業の信用力や担保の有無」が重視されます。これに対し、請求書買取では「売掛先(取引先)の信用力」および「請求書(売掛債権)の信頼性」が主な審査ポイントとなります。そのため、たとえ利用企業が赤字であっても、売掛先が信頼できる企業であれば審査を通過しやすいのが特徴です。

また、返済義務についても明確な違いがあります。銀行融資は借入れであるため、元本と利息を返済する義務が生じます。一方、請求書買取は売掛債権の売却であり、返済義務は一切ありません。その分、信用情報にも影響を及ぼさないというメリットがあります。

さらに、利用可能な事業者の幅にも差があります。銀行融資では、赤字決算や税金滞納などがあると審査通過は困難ですが、請求書買取ではそうした状況に対しても柔軟に対応するファクタリング会社が多く、中小企業や個人事業主でも利用しやすいサービスです。

資金調達までのスピードも重要な違いです。銀行融資の場合、審査から実行までに数週間から数か月かかることが一般的ですが、請求書買取は最短で即日、遅くとも2〜3営業日以内に資金が振り込まれるケースが多く、急な資金ニーズにも対応可能です。

このように、請求書買取は「売掛先の信用に基づく資金調達」であるため、銀行融資とは全く異なるロジックで審査が行われ、よりスピーディーかつ柔軟な資金繰り手段として活用されています。

ただし「誰でも必ず通る」わけではありません。以下のような理由で審査に落ちるケースも存在します。

3. 請求書買取の審査で見られる主なポイント

請求書買取の審査で重視されるのは、利用企業自身よりも売掛先の信用力と請求書(債権)の信頼性です。

審査のポイント①:売掛先企業の信用力

ファクタリング会社にとって重要なのは、売掛先(取引先)が期日通りに支払うかどうかです。以下のような企業が売掛先であれば、高評価につながります。

● 上場企業・大手企業・官公庁

● 過去の支払い実績に遅延がない

● 請求書の金額が適切・契約に基づいている

逆に、創業まもない会社・財務が不安定な中小企業・過去にトラブルがある取引先などは、審査に時間がかかったり、否決されることがあります。

審査のポイント②:請求書の内容と裏付け

請求書は、実際に提供したサービスや納品に基づいて発行されたものであるかがチェックされます。次のような資料が裏付けとして求められることが多いです。

● 請求書と一致する注文書・契約書

● 納品書・作業完了報告書

● 取引履歴(通帳など)

「架空請求」や「未確定取引」の請求書は、原則として買取不可です。

審査のポイント③:利用企業の運営状況(補足要素)

売掛先の信用が中心ですが、利用企業(ファクタリングを依頼する側)の運営状況も補足的に確認されます。

・過去にファクタリングでトラブルを起こしていないか

・反社会的勢力との関係がないか

・他社で断られた理由が合理的か

決算書や代表者の本人確認書類が求められるのはこのためです。

4. 請求書買取の審査に落ちる主な理由と対処法

いくら審査が柔軟とはいえ、落ちる可能性があるのも事実。以下のようなケースでは、否決されることがあります。

ケース①:売掛先の信用力が極端に低い

設立1年未満の企業

資金繰りが不安視されている中小企業

延滞・未払い履歴がある

➡ 対策:取引の安定性を示す資料(契約書・支払履歴)を提示し、補強する。

ケース②:請求書の内容に問題がある

納品が完了していない

請求書に誤記がある(名義、金額、期日など)

架空請求を疑われる

➡ 対策:請求書を再確認し、正確な取引資料を一緒に提出する。

ケース③:利用企業側の信用問題(詐欺・二重譲渡など)

他社でも同じ請求書でファクタリングしている

反社チェックに引っかかる

過去に債務不履行の履歴がある

➡ 対策:正直に状況を説明し、信頼できる第三者からの紹介などで信用を補う。

5. 請求書買取の審査をスムーズに通過する5つのポイント

審査通過のためには、準備と誠実な対応が重要です。以下の5つのポイントを押さえれば、審査難易度を実質的に下げることができます。

① 売掛先の情報を明確に伝える
・正式な社名・所在地
・取引の期間と頻度
・支払い実績や取引規模

→「この取引先なら安心だ」と思わせることが審査突破のカギ。

② 必要書類は正確かつ迅速に提出
・請求書、契約書、納品書、本人確認書類など
→ 書類の不備や遅延は審査遅延・否決の原因になります。

③ 架空取引や二重譲渡は絶対にNG
→ ファクタリング会社は不正を非常に警戒しています。リスク行為は即ブラックリスト入り。

④ 少額から始めて信頼を築く
→ 初回は少額(50万円〜100万円程度)でも利用実績を作ることで、次回以降の審査が圧倒的にスムーズに。

⑤ 複数社に見積もり依頼して比較
→ ファクタリング会社ごとに審査基準が異なるため、1社に断られても他社で通ることはよくあります。

6. 審査が比較的やさしいファクタリング会社の特徴

● 手数料・条件が明示されている
→ 明朗会計の会社は、審査対応も丁寧。

● 即日対応に強い
→ 柔軟かつスピーディな審査体制を整えている証拠。

● 個人事業主・小規模法人にも対応
→ 売掛先さえ信頼できれば、小規模事業でも審査通過率が高い傾向。

まとめ|請求書買取の審査は「売掛先の信用」がカギ。事前準備で通過率UP!

請求書買取(ファクタリング)の審査は、銀行融資に比べて圧倒的に柔軟でスピーディですが、100%審査に通るとは限りません。

審査難易度を下げるには、

・売掛先の信用力を資料でしっかり提示

・請求書に誤りや疑義がないことを確認

・必要書類を正確に揃えて迅速に提出

この3点が極めて重要です。

「過去に審査に落ちた」「どこに相談すべきかわからない」という方も、焦らず複数社に相談し、自社に合ったパートナーを見つけることで、安定した資金調達ルートを築くことができるでしょう。