ファクタリングで投資資金を調達!資金調達においての注意点を解説
2024年10月9日
「投資資金の調達方法に悩んでいるが、ファクタリングの活用は実際どうなの?」
「投資資金の調達方法としてファクタリングがあると聞いたけれど、怪しくないの?」
このようなお悩みや疑問はありませんか?
実は、多くの人が存在を知りませんが、投資資金の調達方法として、銀行借入や出資、自己資金以外に、「ファクタリング」という選択肢があります。
手数料が高いなどのデメリットがあるものの、スピーディーに資金調達を行いたい企業などにとってはファクタリングの利用がおすすめです。
そもそも、ファクタリングとは、企業や個人が保有する売掛債権(売掛金)をファクタリング会社へ売却・譲渡することによって、早期に資金化する金融サービスのことを指します。
ファクタリングは、売掛債権(売掛金)の入金を早期化することで、通常資金繰りを改善したり、運転資金の確保を目的として主に利用されますが、資金使途に制限はないため、設備投資などの投資資金の調達方法としても活用ができるのです。
しかしながら、ファクタリングとは何かや銀行借入や自己資金、出資による投資資金調達と比べ、メリットがあるのかよくわからずファクタリングの活用を嫌煙されるご担当者もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事を読むことで、投資資金の調達方法として、自社がファクタリングを活用するべきか、活用する場合どのように契約先を選ぶのがいいかが判断できます。
また、ファクタリングの利用によって詐欺に遭わないか?という漠然とした不安を、健全な警戒心に変えられます。
ぜひ最後までご確認いただき、社内の議論にお役立てください。
投資目的でのファクタリングとは?
企業が保有する売掛債権をファクタリング会社へ売却することで、売掛債権金額から手数料を差し引いた金額を早期に手に入れることが可能になります。
そして、ファクタリングは多くの場合、資金繰り改善や運転資金の調達を目的として活用されることが多いですが、銀行借入とは違って資金使途の制限がないため、設備資金など投資資金の確保を目的として活用することも可能です。
もちろん、安易に活用するのは注意が必要です。
基本的に投資というのは、多少減ってしまっても事業の存続に影響が出ないような「余剰資金」を使って行われるのが大前提であり、キャッシュフローに余裕がない企業がファクタリングで得た資金を投資に回し、利益の回収ができなくなってしまった場合、事業の存続に大きな影響を及ぼすからです。
そのため、手元の余剰資金がないものの、その投資が長期的に利益を生み出す可能性が高く、かつスピーディーに機を逃さず資金を投下する必要がある場合など、必要性をしっかりと見極めた上でファクタリングを活用することが重要になってきます。
投資目的でのファクタリングのメリット・デメリット
【メリット①】スピードが早い
まず、スピーディーに資金を調達できる点が、ファクタリングの最大の特徴です。
例えば、銀行借入によって投資資金を調達する場合、銀行による審査に時間がかかるため、借入を申し込んでから1週間以内に現金を手に入れることは難しいです。
一方でファクタリングを利用すれば、契約先によっても異なりますが、最短即日、長くても1週間程度で資金を調達できるのです。
【メリット②】審査が柔軟
次に、銀行借入と異なり、審査が柔軟である点も特徴です。
銀行借入では、銀行員が決算書等を確認し、借入企業の業績や資金繰り等を踏まえて、融資可否が判断されます。
一方でファクタリングは、利用会社の信頼性ではなく、基本的には売却する売掛債権の取引先の信頼性によってファクタリングの可否が判断されます。
そして、その取引先の信頼性が明らかに高い場合、審査が通る可能性が高いです。
そのため、銀行借入の審査が通らなかった企業であっても、ファクタリングにより資金を調達できる可能性が高いです。
【メリット③】BSへの影響なし
加えて、ファクタリングによる資金調達では、バランスシート(BS)への影響がない点も大きな特徴です。
銀行借入をする場合、借入金額が増額し、負債比率が高くなってしまいます。
すでに借入金が積み上がっている場合、金融機関や投資家からの経営に対する目が厳しくなってしまいます。
一方で、ファクタリングは多くの場合、ファクタリング会社からの入金分を「現預金」、手数料分を「売上債権売却損」として仕分けをすることが多いです。
そのため、資金調達した場合であっても、バランスシート上の借入比率が悪化せず、経営者や投資家の評価を維持することが可能になります。
【メリット④】返済義務がない
当たり前のようですが、ファクタリングには返済義務がないところもメリットの1つです。
ファクタリングは、資金を借りるのではなく、数か月後に入金予定の売掛金を前倒しで資金化するサービスであるため、返済義務はありません。
【デメリット①】手数料が高い
このように、ファクタリングには様々なメリットがありますが、もちろんのこと、活用のデメリットもあります。
まず、手数料が高い点がデメリットの1つです。
銀行借入であれば、低金利にて資金を調達できますし、自己資金であればそもそも手数料がかかりませんが、それらに比べるとファクタリングの手数料は高いです。
契約先や売却する売掛債権の信頼性によっても異なりますが、2者間ファクタリングの場合8%~18%、3者間ファクタリングの場合2%~9%程度が相場です。
銀行借入の金利は1%未満から3%程度におさまることがほとんどであるため、それに比べるとファクタリングの手数料が高いことは明らかでしょう。
手数料が高額すぎる場合、一時的な利用であっても、長期的に見ると資金繰り悪化を招く危険性があります。その点も踏まえてメリットが十分かどうか判断するようにしましょう。
【デメリット②】調達可能金額の上限がある
ファクタリングは、売掛債権金額によって入金額が決まるため、調達可能金額に上限が生じてしまいます。
そのため、設備投資に多額の費用が必要であるけれども、売掛債権金額がその金額に満たない場合、必要な資金が調達できない可能性がある点がデメリットになります。
投資目的でのファクタリングがおすすめなケース
ファクタリング活用のメリット・デメリットを踏まえると、投資資金の調達を目的としたファクタリング活用がおすすめなケースは、以下の3つの場合といえます。
・機を逃さず、スピーディーに資金調達から投資まで行いたいケース
・創業まもないなど、銀行借入が難しいが、資金が必要な企業
・優良な売掛債権を保有しており、手数料が低く抑えられる可能性が高いケース
具体的にどのようなことなのか、詳しく解説していきます。
機を逃さず、スピーディーに資金調達から投資まで行いたいケース
「来たる繁忙期に備え、急ぎで工場の設備投資を行いたい」
「業界動向を踏まえ、シェア拡大及び業績拡大のため、他社に先んじて迅速に設備投資を行いたい」
このように、設備投資を迅速に行いたい場合にファクタリングはおすすめです。
契約先や売掛債権によっては、手数料が高くなってしまうデメリットはありますが、投資による利益増が十分に見込まれるのであれば、比較的高い手数料を許容して、スピードを重視する判断もありえるでしょう。
創業まもないなど、銀行借入が難しいが、資金が必要な企業
創業まもないなどの理由で、銀行からの借入は難しいが、優良企業との取引を獲得し、さらなる拡大のために資金調達したい場合などに、ファクタリングはおすすめです。
メリットでもお伝えしていますが、ファクタリングという金融サービスの審査では、利用会社そのものの信頼性ではなく、売却・譲渡される売掛債権の取引先の信頼性によって取引可否が審査されます。
そのため、創業まもないなど、自社の信頼性を示すには十分でない場合でも、取引先の信頼性によって資金を調達することが可能になるのです。
優良な売掛債権を保有しており、手数料が低く抑えられる可能性が高いケース
大企業や、優良な経営を行っている企業の売掛債権を保有しており、売掛債権がある程度高額な場合、ファクタリングの活用がおすすめです。
なぜなら、優良企業の売掛債権をファクタリングする場合、ファクタリング会社から売掛金が回収不能となるリスクが低いと判断され、手数料が低く抑えられる可能性が高いからです。
まとめ
今回の記事では、投資目的でのファクタリングの活用について、メリット・デメリット、利用がおすすめなケース、利用のステップ、契約先の選び方に至るまで具体的に解説しました。
投資目的でファクタリングを活用することとはどのようなことかを理解でき、自社が活用するべきか、活用する場合に取るべき行動について、具体的にイメージできたのではないでしょうか?
今回の記事をまとめると、
◎投資目的でのファクタリングとは
投資資金を確保するために、売掛債権をファクタリング会社へ売却・譲渡し、現金を早期に手に入れること
◎ファクタリングのメリット
・スピードが早い
・審査が柔軟
・BSへの影響なし
・返済義務なし
◎ファクタリングのデメリット
・手数料が高め
・調達できる金額に上限がある
◎投資目的でのファクタリングがおすすめなケース
・機を逃さず、スピーディーに資金調達から投資まで行いたいケース
・創業まもないなど、銀行借入が難しいが、資金が必要な企業
・優良な売掛債権を保有しており、手数料が低く抑えられる可能性が高いケース