ファクタリングの手数料は10%以下でないと資金繰りが悪化する可能性

2024年6月23日

ファクタリングを利用する経営者にとっては「売掛債権を買い取ってくれれば資金繰りに一息つく」と、あまりファクタリング手数料を気にしない方も少なくありません。しかし、ファクタリング手数料が高すぎると、今後の資金繰りに悪影響を及ぼしてしまうので、注意が必要です。その理由を解説します。

ファクタリング手数料は、なぜ資金繰りに重要なのか?

ファクタリングの利用は繰り返される

ファクタリングを利用するのが一回限りであれば

ファクタリング手数料が10%でも、ファクタリング手数料が20%でも、ファクタリング手数料が30%でも・・・
それほど大きな問題はありません。

一回の資金繰りの難局さえ乗り越えられれば、次の月からは正常運転で資金繰りが回るからです。

多くの会社の場合、ファクタリング手数料20%で売掛債権を売却するとファクタリングによって売掛債権を20%で売却したことにより、次月の売上が減少してしまうため、ファクタリングの負のサイクルから抜け出せなくなってしまってしまいます。

これがファクタリング手数料10%の売掛債権の売却であれば、ファクタリングを利用しても、翌月の経常利益が赤字にならないので、ファクタリングに依存せずに資金繰りが回ることになります。すぐに正常化できるのです。
「原価」や「販管費」「売上高の何%の売上債権を売却するのか?」にもよりますが・・・

通常月の経常利益率 < ファクタリング手数料

→ 次月の資金繰りにも悪影響(赤字) → 継続してファクタリングを利用せざるを得ない

通常月の経常利益率 > ファクタリング手数料

→ 次月の資金繰りに大きな悪影響はない → ファクタリングを利用する資金調達は一回で終わり、すぐに正常化できる

ということになるのです。

では、中小企業の経常利益率はというと・・・

中小企業の売上高経常利益率の平均値
全産業:3.48%
製造業:3.78%
非製造業:3.14%
中小企業の売上高経常利益率10%以上の企業の割合
全産業:8.4%
製造業:10.5%
非製造業:5.5%
中小企業の売上高経常利益率5%以上の企業の割合
全産業:29.6%
製造業:33.9%
非製造業:24.0%
となっているのです。

中小企業の経常利益率が平均で3.48%
経常利益率10%を上回る中小企業は8.8%
経常利益率5%を上回る中小企業は29.6%
この状態でファクタリング手数料20%のファクタリングを利用するということは、高い確率で次月の資金繰りも悪化し、またファクタリングに頼らなければならない状態に追い込まれるということを意味しています。

中小企業の場合は、節税対策で無理やり赤字にする企業もあるので、これがすべてとは言えませんが

少なくとも、ファクタリング手数料10%以下のファクタリングを利用しないと、翌月の資金繰りにも悪影響が出る可能性が高い。資金繰りが正常化せずに倒産してしまうリスクが出てくる
のです。

2社間ファクタリングを利用する場合には、ファクタリング手数料10%以下のファクタリングを利用するべき
というのがこのデータからも、正しいと言えます。

では、ファクタリング手数料10%以下のファクタリングを利用する方法には、どのようなものがあるのでしょうか?

ファクタリング手数料10%以下のファクタリング会社を利用する方法

ファクタリング手数料の上限が10%程度のファクタリング会社を利用する

ファクタリング会社の多くは

ファクタリング手数料:2%~
というように「下限値」のしかウェブサイト上では公開していません。

このような表記をする場合は、2%のファクタリング手数料が約束されているわけではなく、10%にも、20%にも、30%にも、なる上限なしの表記と同じ意味になります。
一部の良心的なファクタリング会社では

ファクタリング手数料:2%~10%
というように「上限値」を設定しているファクタリング会社があります。

ファクタリング手数料の上限が10%程度であれば、ファクタリング手数料がそれ以上高くなることはありません。

よって、ファクタリング手数料10%以下のファクタリング会社を利用することができるのです。

複数のファクタリング会社から相見積もりを取る

あなたの会社で売却したい売掛債権のファクタリング手数料というのは、ファクタリング会社に「見積もり依頼」「査定依頼」をすることでわかります。

逆に言えば、調査・審査をしてみないことには、ファクタリング会社も、貸し倒れリスクが読めずに、ファクタリング手数料を設定できないのです。

売掛債権の売掛先の信用力が高い → ファクタリング手数料を安く設定できる
売掛債権の売掛先の信用力が低い → ファクタリング手数料を高く設定しなければならない
という関係性があるのです。

ファクタリング会社に「見積もり依頼」「査定依頼」してみなければ、ファクタリング手数料がわからないのですから・・・

ファクタリング手数料10%以下のファクタリング会社を探すためには

複数のファクタリング会社に相見積もりを取る
というのが一番の近道になります。

複数のファクタリング会社に相見積もりを取れば

自分が売却したい売掛債権のファクタリング手数料がどのくらいのが妥当なのか?
もわかるので、ファクタリングを依頼すべきかどうかのジャッジもしやすくなります。

前述したようなファクタリング手数料の上限値を明記しているファクタリング会社は、数社しかなく、残りの数十社はファクタリング手数料の上限値を設定していない状況にあります。

ファクタリング手数料の上限値を設定していない = ファクタリング手数料が高い

ということではありません。

複数社に相見積もりを取ることによって、上限値が設定されているファクタリング会社よりも、安いファクタリング手数料で売却できる可能性もあるのです。

3社間ファクタリングを利用する

ファクタリングには

売掛先(クライアント)の承諾が必要な3社間ファクタリング
売掛先(クライアント)の承諾が必要ない2社間ファクタリング
がありますが、売掛先(クライアント)の承諾があると、ファクタリング会社の貸し倒れリスクは一気に下がるので、ファクタリング手数料を安く設定することができるのです。

ファクタリング手数料の相場では

2社間ファクタリング:5%~40%(相場:20%)
3社間ファクタリング:1%~5%(相場:2~3%)
ファクタリングで資金調達するときのコスト「ファクタリング手数料」の相場と適正価格の見極め方
ですから、売掛先(クライアント)の承諾が必要な3社間ファクタリングを選ぶことで、ファクタリング手数料は安く抑えられるのです。

多くの中小企業の経営者が「今後の取引が停止されてしまうのではないか?」という疑念から、売掛先(クライアント)の承諾に難色を示し、3社間ファクタリングではなく、2社間ファクタリングを選択するのですが・・・

背に腹は代えられないので、あえて3社間ファクタリングを選ぶ
というのも、賢い方法だと思われます。3社間ファクタリングのファクタリング会社の中には、売掛先(クライアント)へ同行してくれて、資金繰りの問題があるわけではなく、欧米では一般的なアウトソーシングであることを説明してくれるのです。

きちんと話すことができれば、取引の継続に大きな悪影響はないと言えます。

売掛債権担保ローンを利用する
同じ売掛債権を利用した資金調達方法にも

売掛債権譲渡(ファクタリング)
売掛債権担保ローン(売掛債権担保融資)
という大きく分けて2種類があります。

売掛債権担保ローン(売掛債権担保融資)のファクタリングとの違いは

あくまでも融資なので、利息制限法の年率15.0%以上にはならない。※融資額が100万円以上の場合
ことが挙げられます。

借りて、1カ月で返済できるのであれば、利息は月率1.25%以下なのです。

決算書に借り入れと載ってしまう
返済しなければならない
というデメリットもありますが

資金繰りを正常化することを前提とすれば、手数料20%のファクタリングよりも、月率1.25%以下の売掛債権担保ローン(売掛債権担保融資)を選ぶ方が賢い選択ということもありうるのです。

まとめ

ファクタリング手数料は高すぎると資金繰りに影響します。

ファクタリングの利用が1回であれば問題ないのですが

通常月の経常利益率 > ファクタリング手数料
というファクタリング会社を選ぶべきなのです。

少なくとも、2社間ファクタリングのファクタリング手数料は10%以下を目標にすると良いでしょう。

ファクタリング手数料10%以下のファクタリング会社を利用する方法
・ファクタリング手数料の上限が10%程度のファクタリング会社を利用する
・複数のファクタリング会社から相見積もりを取る
・3社間ファクタリングを利用する
・売掛債権担保ローンを利用する
ファクタリング手数料が高すぎて、翌月もファクタリングの利用が必要になると、資金繰りの悪化からなかなか抜け出せない状況になってしまいます。それを避けるためには、はじめの段階でファクタリング手数料が10%以下のファクタリング会社を選ぶべきなのです。