法人名義で住宅ローンを組んだ場合の経費と税金のポイント
2025年9月28日
法人が住宅ローンを利用するケースは、主に役員住宅や社宅を購入する場合に見られます。個人名義とは異なり、法人名義でローンを組むと経費計上や税務処理に注意が必要です。ここでは、法人住宅ローンを経費として扱う際のポイントを解説します。
法人住宅ローンで経費にできるもの
法人が住宅を購入した場合、経費として計上できるのは次のような項目です。
(1) ローン利息
法人が住宅ローンを組んだ場合、利息部分は法人の損金(経費)として計上可能です。
返済元金は経費にならず、あくまで利息のみが経費となります。
(2) 減価償却費
建物部分は耐用年数に応じて減価償却が可能です。
法人税上、土地は償却できませんが、建物部分の費用を数年かけて経費化できます。
(3) 社宅費用
法人が役員や従業員に貸す場合、家賃相当分や光熱費を法人の経費として計上できます。
ただし、役員への貸与条件が市場家賃より著しく安い場合は給与課税対象になるので注意が必要です。
法人住宅ローンの経費計上の注意点
(1) 個人利用は経費にならない
役員が法人名義の住宅を私的利用する場合、その部分は経費として認められません。
税務署は使用割合を確認する場合があり、プライベート利用の割合が高いと経費計上できる金額が減ります。
(2) 住宅ローン控除は使えない
個人名義の住宅ローンで利用できる「住宅ローン控除」は、法人名義のローンでは原則使えません。
経費計上による節税効果に限定される点に注意が必要です。
(3) 減価償却の計算に注意
建物の減価償却費を計上する際は、耐用年数や購入価格の按分を正確に行う必要があります。
法人税法の規定に沿った計算を行わないと、後の税務調査で指摘される可能性があります。
法人住宅ローンを経費として活用するポイント
利息を最大限経費化する
金利の高いローンほど経費計上効果は大きくなります。法人の損益計算上、利息負担をどう調整するかが重要です。
減価償却で長期的に費用化する
建物部分を減価償却すれば、一度に経費計上できない部分も長期的に法人の損金として扱えます。
社宅制度を活用する
役員や社員に貸す場合、賃料と経費のバランスを考え、税務上問題にならない形で活用することが可能です。
まとめ
法人名義の住宅ローンは、利息や減価償却費を経費として計上できるため、法人税の節税に一定の効果があります。しかし、私的利用や住宅ローン控除の対象外など、注意点も多いです。
ポイントまとめ
ローン利息は法人の損金として計上可能
建物部分は減価償却で経費化できる
個人利用は経費にできない
社宅として貸す場合は給与課税とのバランスに注意
法人住宅ローンを上手に活用するには、税理士と相談しながら経費計上の範囲や税務リスクを確認することが重要です。
