資金調達を成功させるための重要ポイントとは?
2024年12月3日
この記事では、事業運営のための資金調達の方法や資金調達成功のための重要ポイントについて詳しく解説していきます。
事業で必要とするお金が手元にないときには資金調達が必要ですが、その方法は様々です。
資金調達した後のお金の使い道も、たとえば新規事業をスタートさせるためである場合もあれば、設備投資や運転資金などいろいろあることでしょう。
そのため調達した資金の使途や目的によって、調達の方法も適切に選ぶことが求められます。
資金調達の目的
資金調達の目的は、会社経営において必要な運転資金を準備しなければならないからです。
調達した資金の使い道として、主に次の6つが挙げられます。
1.開業資金
2.新規事業開始の資金
3.事業拡大の資金
4.設備投資
5.買掛金・借入金返済資金
6.企業の買収・M&Aの資金
事業者間の取引において、多くは計上した売上の代金を後払いで受け取っていますが、発生した売掛金が入金されるまでの間に資金不足に陥りがちです。
しかし上記の目的で必要なお金を準備しなければならない場合、売掛先から売掛金が入金されるまで待つことはできず、何らかの方法で資金調達を検討することとなるでしょう。
資金調達方法の種類
資金調達方法には、主に次の3つの種類があります。
1.デットファイナンス
2.エクイティファイナンス
3.アセットファイナンス
一般的に資金調達の方法として真っ先に思い浮かぶのは、銀行から融資を受けることでしょう。
銀行融資は借金であり、負債を増やす方法のため「デットファイナンス」に該当します。
最近注目を集めているクラウドファンディングなどで不特定多数から少額出資を募る方法は「エクイティファイナンス」に該当し、保有する資産を売却して現金化する方法は「アセットファイナンス」に含まれます。
資金調達の方法ごとにメリットやデメリットがあるため、資金使途や目的、必要なタイミングなどで使い分けることが大切です。
今回は、アセットファイナンスによる資金調達方法について詳しく解説していきます。
アセットファイナンスによる資金調達方法
「アセットファイナンス」は、保有する資産(アセット)を売却し、現金化することで資金を調達する方法です。
たとえば土地や建物など、使っていないビルや工場など不動産を売却することや、すでに発生している取引の未回収代金である売掛債権を売ってお金に換える方法が挙げられます。
利息や配当金などが発生せず、保有する資産の範囲で資金調達できるため、オフバランス化にもつながることがメリットといえるでしょう。
ただし資産を保有していなければ当然現金化はできず、長期的な利益減少の可能性があるといったデメリットもあります。
アセットファイナンスの資金調達方法として、次の3つが挙げられます。
1.固定資産の売却
2.ファクタリング
3.手形割引
それぞれのメリット・デメリットを含め解説していきます。
①固定資産の売却
保有する不動産や工場など、「固定資産」を売却し現金化する方法です。
たとえば、
・土地
・社宅や保養所
・車両
・権利など無形固定資産
などが挙げられます。
1年を超えて保有・使用する資産が固定資産であり、建物や設備などは保有するだけで管理にコストがかかるため、使っていない場合には売却することでコスト削減にもつながります。
また、権利として取得している商標権や特許権、ゴルフ会員権や有価証券なども現金化が可能です。
・メリット
保有する資産の範囲で資金調達できる
管理費などコスト削減につながる
・デメリット
調達できる金額が資産額に留まる
取得にかかった費用より少ない調達額になる場合がある
現金化まで時間がかかる場合がある
②ファクタリング
「ファクタリング」とは、商取引で発生した売掛金をファクタリング会社に売却し、現金化して資金を調達する方法です。
売掛先から支払われる売掛金を前倒しで回収できることがメリットですが、ファクタリング会社に対する手数料が高めであることに注意しましょう。
ただ、ファクタリングの契約形態によっては最短で即日現金化できる場合もあるなど、スピーディさは他の資金調達方法よりも高いといえます。
ファクタリング会社で行う審査も、売掛先の信用力を重視するため、たとえば税金を滞納していたり赤字決算であったり、債務超過の状況である場合でも申し込みができます。
売掛金をファクタリング会社に売却すると同時に、未回収リスクも移転されます。
そのため利用後に、売掛先が倒産し、売掛金の回収ができなくなってもその責任を負うことはなく、貸し倒れリスク回避にもつなげることが可能です。
急ぎでお金が必要なときや銀行融資で審査が通らないという場合には、ファクタリングを利用することでスムーズに資金調達できます。
・メリット
最短即日資金を調達できる
貸し倒れリスクを移転できる
審査のハードルが低い
赤字決算や債務超過でも利用できる
オフバランス化が可能
借入れではないため担保や保証人を求められない
・デメリット
手数料が高め
調達額が売掛金額までに留まる
審査に通るとは限らない
③手形割引
「手形割引」もファクタリング同様に、売掛債権を現金化する資金調達の方法ですが、「手形」を使うことと融資として扱われることがファクタリングとの違いです。
保有する手形を手形割引専門業者などに売却し、決済される期日よりも前に現金化することで資金を調達できますが、手形が不渡りになったときは買い戻すことが必要になります。
そのためファクタリングと異なり、売却後も手形が決済されるか注意しておくことが必要となり、万一不渡りになれば弁済しなければなりません。
手形の現金化という形式ですが融資として扱われるため、審査では利用者の信用力も重要になることや、サービスとして提供するのは銀行や貸金業者であることも一般的なファクタリングとの違いといえます。
手数料は銀行融資より高めではあるものの、万一の弁済責任を利用者が負うため、ファクタリングよりは低めに設定されます。
・メリット
銀行や貸金業者など正規の登録業者を通した資金調達ができる
スムーズな資金調達につながる
・デメリット
不渡りなど債務不履行の責任は利用者が負う
手数料が銀行融資よりも高め
資金調達を成功させるポイント
・目的や使い道を明確にする
・市場と自社の状況を把握する
・信用を確立する
・調達コストを考慮する
・複数の手段を組み合わせる
・専門家のサポートを受ける
資金調達では、目的や使い道が明確でないと、資金調達を行う意義がなく却下されてしまう可能性があります。
また、金融機関から融資を受ける場合は、目的がわからないと希望する金額に妥当性があるのか判断できません。
まとめ
資金調達の方法には種類があり、負債や資本を増やすこと、保有する資産を現金化することなどが主に挙げられます。
企業規模や状況などでどの資金調達方法を選ぶべきか異なるものの、実際に入金されるまでの期間やかかるコストなども踏まえた上で選ぶことが必要です。
また、資金提供以外にもどのようなサービスを提供しているか確認しておくとより安心といえます。