株価収益率(PER)とは

2023年7月1日

株価収益率という言葉と意味をご存じでしょうか。株価収益率(PER:Price Earnings Ratio)とは、財務分析で企業の成長性を分析するときに利用する指標の一つであり、株価が1株ごとの当期純利益の何倍まで買われているかを表すものです。株式投資をする方は、PERを銘柄ごとに比較されている方もいると思います。今回は、PERについて解説します。

PERの3つのポイント

・PERは、以下の算式によって求められる。
PER(倍) = 株価 ÷ 1株当たり利益(EPS)

・PERは会社の利益を基準に判断し、PBRは会社の資産を基準に判断する。
・PERが低いほど会社の利益に対して株価が割安であり、高いほど株価は割高だと判断できる。

PER(株価収益率)の求め方

<PER(倍) = 株価 ÷ 1株当たり利益(EPS)>

PER(株価収益率)は、株価を1株あたり純利益で割って求めます。なお、この計算で用いる「1株当たり利益(EPS)」は、実績値より予測値を用いるのが一般的です。株価収益率は、その時点での株価がEPS(1株当たり利益)の何倍なのかを示しています。基本的には株価が上昇すると株価収益率も上昇し、株価が下降すると株価収益率も下降します。また、1株当たり利益が上がると株価収益率は下がり、1株当たり利益が下がれば株価収益率が上がります。

PERから何が分かる?

株価収益率は、会社の利益に対して、現在の株価が割高か割安かを表しています。株価収益率が低いほど会社の利益に対して株価が割安であり、高いほど株価は割高ということになります。株価収益率が高いということは人気がある銘柄だと見ることができ、株価が割高な分、投資効率が低いと判断できます。

PERを計算してみる

■A社…株価400円、1株当たり利益:100円 ⇒ 株価収益率:4倍
■B社…株価800円、1株当たり利益:100円 ⇒ 株価収益率:8倍

この場合、PERが高いB社のほうがA社より買われているということですが、1株当たり利益はA社もB社も同じなので、PERが低いA社のほうが株価が割安だと考えられます。

PERを見るときの注意点

PERは、何倍以下が割安で、何倍以上が割高といった明確な基準はありません。たとえば、ある会社のPERが5倍だとしても、競合他社も5倍程度であれば、低いとも高いとも言えません。適切なPERは、業界の水準や他の銘柄の価値と比較しながら判断する必要があります。明確な目安はありませんが、30~40倍であればその株式は適正だと言われています。これを超えると割高、下回ると割安ということになります。

PERとPBRの違い

株価が適正価格であるかどうかを判断するために、株価収益率とともに重視される指標として「株価純資産倍率(PBR)」という指標があります。株価収益率は会社の利益を基準に判断するものですが、株価純資産倍率は会社の資産を基準に判断するものです。