銀行融資以外の資金調達方法ある?その方法について詳しく解説!
2024年12月1日
この記事では、融資以外の資金調達方法にはどのような手段があるのか、それぞれのメリットやデメリットについて詳しく解説していきます。
資金を調達するとき、銀行融資以外の方法を検討することもあるでしょう。
中小企業の資金調達方法といえば、まず銀行からお金を借りることを思い浮かべる方がほとんどでしょうが、審査に通らなければ融資以外の方法を検討しなければなりません。
過去に銀行から資金を借りたことがある場合でも、再度審査に通るとも限らず、すぐにお金が必要になる可能性も含めて融資以外の方法を知っておくことは余裕のある経営判断のためにも必要なことです。
銀行融資で資金調達できない主な理由
中小企業が銀行から融資を受けたくても、資金調達につながらない理由として次の3つが挙げられます。
・返済能力
・経営状況
・会社規模
まとまった資金を調達するためには、金融機関にお金を貸しても良い相手だと認めてもらうことが必要ですが、審査に通らない理由をそれぞれ確認しておきましょう。
返済能力
銀行融資では、何よりも相手の返済能力を重視した審査を行います。
元金に利息を付けて返済してもらうことが重要と考えるため、回収の見込みがない相手にお金を貸すことはありません。
しかし中小企業の多くは赤字経営であり、担保として差し入れることのできる資産も保有していないことが少なくないといえます。
収支状況や借入金の利用履歴など確認し、十分な担保もなければ、返済能力に問題があると判断されれば審査に通らなくなるといえるでしょう。
経営状況
銀行融資は、決算書が赤字であると審査に通りません。
赤字経営であるということは、利益を生むことができていないことであり、借入金の返済資金を捻出できない状態と判断されるからです。
数年に渡り赤字続きのときには、状況が改善傾向でなければ審査では厳しい判断となります。
会社規模
銀行融資では、会社規模も重視されます。
創業してからのどのくらいの年数が経過しているのか、資本金や従業員数なども確認され、資金面での体力を判断されることになります。
小規模な企業の場合、体力が弱いと判断されることが多いため、差し入れる担保などがなければ融資は難しくなる傾向が見られます。
資金調達方法の種類
資金調達には、様々な方法があります。それぞれメリット・デメリットが異なるため、自社の状況に応じた資金調達方法を選ぶことが大切です。
資金調達方法を属性ごとに分けると、以下の4種類が挙げられます。
・デットファイナンス
・エクイティファイナンス
・アセットファイナンス
・補助金・助成金
それぞれについて解説します。
デットファイナンス
金融機関や自治体から融資を受けたりローンを活用したりする方法がデットファイナンスに該当します。
デットファイナンスは負債を増やす方法であり、将来的に返済の負担が生じるのが特徴です。返済能力や計画があることを前提とした資金調達方法であるため、審査に通過しなくてはなりません。
エクイティファイナンス
出資によって資本を増やす資金調達方法です。
企業や個人投資家など、自社に出資してくれる相手を募る必要があります。
エンジェル投資家を募集したりベンチャーキャピタルを利用したりする方法の他、近年人気のクラウドファンディングもエクイティファイナンスの一種です。
また、株式を新しく発行して第三者へ売却する方法(第三者割当増資)も挙げられます。
エクイティファイナンスのメリットは、いずれの方法も返済義務がないことでが、どのような方法で出資を募ったかによって、定期的な配当金の支払い義務が生じます。
アセットファイナンス
すでに保有している資産を現金化する方法です。
保有している資産のなかには、直近で使用していないものや、維持に余計な費用がかかっているものも含まれます。
不要な資産を売却することで現金を得られる上、維持費の節約にもつながります。
固定資産のほか、売掛金や有価証券などの売却も該当します。
補助金・助成金
4つ目は、補助金・助成金を利用することです。国や自治体が個人または企業向けに実施している補助金・助成金制度のほか、業界の民間団体が似たようなサポートを取り扱っている場合もあります。
補助金や助成金を利用するためには、要件を満たした状態での申請が必要です。
資金調達の方法「クラウドファンディング」
「クラウドファンディング」とは、インターネット上にこれから始めるサービスや販売する商品などの開発または販売に向けて、不特定多数の賛同者から少しずつ資金を集める方法です。
個人から集める資金のため、一人あたりの金額は少ないことがほとんどですが、大人数から集めることができれば多額の資金調達につながります。
集めた資金は資金を投じてくれた人に対し、どのようなリターンを与えるかによって、購入型・融資型・投資型・寄付型など異なります。
資金調達の方法「ファクタリング」
「ファクタリング」とは、売掛金をファクタリング会社に売却し、現金化することで資金を調達できるサービスです。
売掛先から売掛金が入金されるよりも前に、お金を受け取ることができます。
売掛金の入金期日までが長く設定されているときや、サイト長期化で資金繰りが悪化しているときには、ファクタリングを使うことによりキャッシュフローを改善させることにつながります。
ファクタリングのメリット
ファクタリングのメリットは、銀行融資よりも審査のハードルが低く、資金調達までの時間が短いことです。
銀行融資など借入れの審査では、申込者の信用力を重視するため、借金を多く抱えていた李赤字決算だったりすれば利用できません。
しかしファクタリングでは、利用者ではなく売掛先の信用力を重視した審査を行うため、赤字決算や債務超過でも申し込みできます。
また、早ければ即日現金化が可能になるなど、資金調達までのスピードが格段に早いことがメリットです。
ファクタリングのデメリット
ファクタリングを利用するデメリットとして、売買手数料が高めであることが挙げられます。
例えば利用者とファクタリング会社で契約する2社間ファクタリングでは、10~20%が売買手数料相場であるため、長期利用すれば資金繰りは悪化します。
また、調達できる金額は売掛金の範囲に留まるため、多額の資金が必要であればその金額を超える売掛金を保有していることが必要です。
まとめ
中小企業の資金調達は、銀行融資以外にも多様な選択肢があります。
事業の成長段階や目的に応じて、ファクタリングやクラウドファンディングなどそれぞれの特徴を活かした調達方法を検討することが重要です。
事前に複数の調達手段を把握し、資金使途や返済計画を明確にした上で、自社に最適な方法を選択することで、安定的な事業運営が可能となります。