ファクタリングで決算書に好影響を与える理由と改善効果を解説
2023年5月25日
ファクタリングで資金調達することにより、手元のお金を増やすことができるだけでなく、決算書によい影響を与えることが可能です。
売掛金を現金化するファクタリングが、どのように決算書に影響があるのだろう?と疑問に感じる経営者もいることでしょう。
決算書は銀行融資の審査でもその内容が重視されることになるため、ファクタリングによりどのように改善されるのか解説します。
ファクタリングで決算書に与えることができる影響
ファクタリングは単に資金を調達できるだけでなく、決算書によい影響を与えることのできる方法です。
決算書が改善されれば企業の状況や企業評価にもよい影響が及ぶため、ファクタリングをうまく活用することをおすすめします。
ファクタリングで決算書に与えることができる良い影響は、主に次の4つです。
1.貸借対照表のスリム化
2.総資産利益率(ROA)の改善
3.自己資本比率の向上
4.現金比率の引き上げ
それぞれ説明していきます。
貸借対照表のスリム化
ファクタリングで売掛金を現金化すると、決算書の貸借対照表をオフバランスすることで「スリム化」できます。
オフバランスとは保有する資産を「貸借対照表」から外すことです。
貸借対照表(バランスシート)は、たとえば銀行からの借入れなどに資金調達を頼れば「負債」を増やし肥大化させます。
しかし、ファクタリングは売掛金を現金化する資金調達方法のため、負債を増やすことはありません。
ファクタリングで調達したお金を負債を減少させることに利用することにより、スリム化も実現できます。
総資産利益率(ROA)の改善
ファクタリングを利用することで、「総資産利益率(ROA)」などの財務指標が改善されます。
「総資産利益率(ROA)」とは、効率的な経営ができているか判断するときの指標です。
純利益を資産で割って算出しますが、利益を増やすだけでなくファクタリングで売掛金を現金化し、負債を減少させることでも分母を小さくできるため、数値を改善させることができます。
自己資本比率の向上
「自己資本比率」とは総資本のうち自己資本が占める割合です。
財務基盤が強固であることを示す指標ですが、総資本には銀行からの借入れなどによる返済義務のある資本も含まれます。
そのため負債が増えれば自己資本比率が低下しやすくなりますが、ファクタリングはお金を借りる資金調達の方法ではないため、自己資本比率にも悪影響を及ぼしません。
ファクタリングで資金を調達し、借金を返済していけば自己資本比率を向上させることもできます。
現金比率の引き上げ
「現金比率」とは、資金繰りの流動性の高さを示す指標であり、流動資産を流動負債で割って算出します。
自己資本比率を向上させれば企業の評価は高まりますが、現金比率も引き上げることで評価をさらに向上させることができます。
売掛金も流動資産の1つであり、現金化しても流動資産の総額は変わりません。
ただ、負債を増やさない資金調達の方法であることは、現金比率を引き上げることにつながるといえるでしょう。
ファクタリング利用が決算書改善につながる理由
ファクタリングを利用することで、資産を圧縮し会社の会計をすっきり見せることができます。
企業価値が高まっていると判断されやすくなる状態を作ることができるため、改善された会計により銀行や取引先からの評価も上がり、融資での格付けも向上させることができるでしょう。
ファクタリング利用が決算書改善につながる理由として、次の3つが挙げられます。
1.資産をオフバランス化できる
2.キャッシュフローが改善される
3.売掛金未回収リスクを回避できる
それぞれ説明していきます。
資産をオフバランス化できる
ファクタリングは資産をオフバランス化できる方法といえます。
資産のオフバランス化とは貸借対照表の資産と負債を減少させることですが、売掛金を売却して現金を増やし、その現金で負債を減らすことで実現します。
オフバランス化により貸借対照表をすっきりと見せ、自己資本比率など数値を高めることにつなげることができます。
キャッシュフローが改善される
キャッシュフローとはお金の流れのことですが、会社を経営する上で決算書の利益ばかりにとらわれるのではなく、手元のお金の動きは把握しておくべきです。
いつどのくらいの金額を支払う必要があるのか、次の入金予定はいつ・いくら入るのか、お金が足らなくなる前にいつまでに資金調達が必要かなど知っておくべきことは多々あります。
業績が好調でも手元のお金が枯渇すれば黒字倒産してしまう可能性がありますので、ファクタリングにより売掛金を現金化させ、キャッシュフローを改善させることができることは大きなメリットです。
売掛金未回収リスクを回避できる
ファクタリングは売掛金を前倒しで現金化する方法ですが、万一、利用後に売掛先が倒産しても利用者がその責任を負うことはありません。
売掛金をファクタリング会社に売却した時点で、未回収になるリスクも移転されるからです。
ファクタリングを利用せずに期日まで支払いを待っていた場合、もしも売掛先に何らかの事情が発生し、回収できなくなったら大きな損失を被ることになるでしょう。
しかしファクタリングで先に現金化しておくことにより、売掛金が未回収になるリスクから解放されます。
利益を生みだし黒字だとしても、売掛先が倒産することで連鎖的につぶれてしまう黒字倒産を防ぐこともできるため、リスク回避の方法として利用することもできるでしょう。
ファクタリングが銀行融資にメリットをもたらす理由
ファクタリングを利用すれば手元の資金を増やすことができますが、その後、銀行から融資を受けて資金を調達したいときにもメリットをもたらします。
その理由として挙げられるのは次の2つです。
1.銀行の格付けが上がる
2.借金を増やさず資金を調達できる
それぞれ説明していきます。
銀行の格付けが上がる
銀行融資の審査において、決算書の数字はとても重要です。銀行は融資対象となる企業を格付けし、そのランクによってお金を貸すべきか決めます。
格付けを左右するのは決算書であるため、ファクタリングで決算書を改善させることより銀行融資による資金調達にもよい影響を与えます。
銀行融資を検討しているけれど審査が気になるときや、新規で取引先を獲得したい場合にも、決算書を自信もって提出できるようになるのはファクタリングのメリットです。
借金を増やさず資金を調達できる
銀行から融資を受けるときに、抱えている負債が多ければ返済能力を問われ、審査に通らなくなる可能性が高くなります。
しかしファクタリングはお金を借りて資金を調達する方法ではないため、借金を増やすことなく手元のお金を増やすことが可能です。
さらにファクタリングで調達した資金を使い、返済を進めていくことで債務超過に陥るリスクも回避できるでしょう。
経営状況を改善させつつ資金調達も実現させる方法として、ファクタリングを有効活用することをおススメします。
まとめ
ファクタリングは売掛金を多く保有していることにより、手元のお金が不足しがちな中小企業などに有効な資金調達の方法です。
入金されるまでの期間が長い売掛金を多く保有していると資金繰りは悪化しやすくなります。
このような場合においてファクタリングを利用することにより、必要な資金を調達できるだけでなく、決算書も改善されるためその後に銀行から融資を受けたいときにもメリットがあります。
利益が出ているのに倒産してしまう黒字倒産を防ぐためにも、ファクタリングを資金調達の方法として有効に活用してください。