ファクタリング業界にも反社やヤクザが!?安全な取引について解説

2024年1月13日

反社やヤクザの資金源となっている闇金業者が、ファクタリング業者を装って紛れ込んでいます。そのファクタリング業者との金銭トラブルに発展するケースが年々増加してきています。
ファクタリング業者を装った闇金業者に引っかかってしまうと、金銭を搾り取られ健全な資金調達など出来なくなってしまいます。
この記事では、健全なファクタリング業者と闇金業者の違いについて解説していますので、利用の際には是非参考にして下さい。

ファクタリング業者を装った闇金業者の見分け方

ファクタリング業者を装った闇金業者の手口がわかっても、利用してしまって気づいたのであれば意味がありません。

できれば、事前に闇金業者であることを知りたいものです。

そこで、これから事前にファクタリング業者を装った闇金業者を見分ける方法について見ていきます。

償還請求権が付くファクタリング業者

償還請求権が付いているファクタリングは、違法ではありませんが、融資契約とみなされます。

従ってファクタリング業者は、

・貸金業の登録が必要
・手数料も上限金利の範囲内
でなければなりません。

言い換えれば、

・貸金業の登録がない
・償還請求権を付ける
といったファクタリングは闇金業者の可能性が高い違法な業者ですので、契約しないようにして下さい。

一度、契約してしまうと、仮に違法な業者相手であったとしても、償還請求権は有効になってしまいます。

貸金業の登録の有無の確認方法
貸金業の登録の有無は、金融庁のHPで確認することができます。

契約書のワードは要チェック

どのような契約でも言えることですが、契約書の内容はしっかりと読んで下さい。

特に

「売買契約」
「債権売買」
などファクタリングとわかる文言が入っていることは、必ず確認するようにして下さい。

闇金業者の契約書は、後々トラブルとなった時のために、そのファクタリングとわかる文言が入っていないことが多いです。

もちろん、契約書に償還請求権の文言が入っている契約書にサインをしてはなりません。

手数料が同業者と比べあまりにも違い過ぎないか

ファクタリング業者を装った闇金業者の手口で解説しましたが、手数料を低く表示しているファクタリング業者とは契約しないようにして下さい。

また、もちろんですが

・売掛債権の30%を超える高額な手数料である
・売掛債権が回収不能であった場合にペナルティを要求してくる
ようなファクタリング業も契約しないようにして下さい。

このような業者が仮に闇金業者ではなかったとしても、高額の手数料を支払っていては資金繰りが改善することはまずありません。

万が一の場合は弁護士に相談を

利用してしまった後で闇金業者ということが分かってしまった場合、何とか対抗しようとしても、闇金業者はさらに

・暴力的な追い込み
・嫌がらせ
を行い、利用者の心を折ろうとしてきます。

思い切って弁護士に相談するようにして下さい。

何かしら取引に影響が出るかもしれませんが、このまま闇企業者と関わり続けるよりも何倍も良いです。

自分らで解決しようとせず、専門家に任せるようにしましょう。

ファクタリング業界に闇金業者が紛れ込み、ヤクザの資金源に!

ファクタリング業者を装った闇金業者が紛れ込んだ経緯って?

政府も後押ししているファクタリングですが、金銭トラブルに発展するケースが増加傾向にあります。

その内の大半は、ファクタリング業者を装った闇金業者によるものであり、現在のファクタリング業界には、ヤクザの資金源となっている闇金業者が紛れ込んでいます。

このようにファクタリング業界に闇金業者が紛れ込んでいる背景の1つとして、社会的に反社勢力排除の動きが活発化してきたことが挙げられます。
貸金業法の改正が影響:特に2006年に改正された貸金業法は、これまでヤクザの資金源の1つとなっていた闇金業者には絶大な効果がありました。
そんな闇金業者が目を付けたのが、ファクタリング業界。

業界は政府の後押しもあり、拡大しているものの、貸金業界程の厳しい法規制はありません。

厳しい金融庁の監視の目をかいくぐり、細々と闇金を続けていくよりファクタリングにシフトした方が効率良いという理由から、闇金業者がファクタリングを始めていったと考えられます。

闇金業者が行う違法となるファクタリング契約とは?

ファクタリング契約は、法的には債権譲渡契約であり、仮に債権先が破綻したとしても利用者には返済の義務がありません。

しかし闇金業者のファクタリング契約は、利用者に返済義務を負わせる償還請求権を付けているケースがあります。

償還請求権をファクタリング契約に付けること自体は違法ではありませんが、この場合は融資とみなされ、法的には金銭消費貸借契約として扱われます。

融資ですので、貸金業者として登録が必須ですし、上限金利を超える手数料は違法となります。

また、償還請求権が付いていなくとも、債権先が破綻した場合に高額のペナルティを付いていれば、同様に融資として取り扱われます。

一般的に、ファクタリング契約での手数料は、上限金利を軽く超えていることが殆どです。

ファクタリング業界に闇金業者が紛れ込む理由とは?

ファクタリング契約での金銭トラブルの増加は、ファクタリング業界に紛れ込んでいる闇金業者が増加していることを意味しています。

ファクタリング業界に闇金業者が紛れ込んだ経緯については説明しましたが、何故ファクタリング業界で闇金業者が増え続けているのか、もう少し深く見ていきます。

利益率が良い

例えば、2社間ファクタリング契約での手数料は10~20%と言われています。

これは、融資の貸付金利で計算し直すと120~240%になります。

しかも、手数料として利用時に差し引きますので、融資した場合の回収より手間もかかりません。

また、仮に債権先が破綻すると、利用者に

・償還請求
・高額のペナルティ
を課し、厳しく回収しますが、この場合は貸し付けの時と手間は変わりません。

つまり、ファクタリング契約の方が貸し付けするよりも、ずっと効率よく利益を上げることができるというわけです。

各法規制の対象外

償還請求権が付いていないファクタリング契約は譲渡契約であり、売買契約でもありますので、民法の適用は受けるものの貸金業法は適用されません。

また、ファクタリング業界には、貸金業法のように詳細の規制が定められた法律がありません。

登録義務もないため、償還請求権が付いていないファクタリング契約のみを取り扱うのであれば、誰でもファクタリング業者となることができます。

このようにファクタリング業界には、現時点で取り締まる法律がない点も、闇金業者が紛れ込む1つの要因と言えます。

利用者のファクタリングに関する知識や理解不足

・ファクタリング契約
・売掛債権担保融資
は、お金の流れは同じなので混同しやすい取引です。

しかし、償還請求権が付いている点で両者は全く別の取引です。

償還請求権が付いているファクタリング契約は、売掛債権担保融資とみなされますので、ファクタリング業者は、貸金業者の登録が必要ですが、利用者がそのことを知らない点も、闇金業者がファクタリング業界に紛れ込みやすい要因となっています。

ファクタリング自体は健全な取引

ファクタリングとは、ファクタリング業者に売掛債権を売却する資金調達方法です。

一見、銀行の債権担保融資と同じように見えますが、法的には全く別物です。

ファクタリングの場合、売却後の債権者は、事業者からファクタリング業者に移りますが、銀行の債券担保融資では債権者の変更はありません。

万が一債権先が破綻した場合
銀行融資であれば事業者が損失を被りますが、ファクタリングでは損失をファクタリング業者が被ることになります。

もちろん、ファクタリング業者も債権先の破綻リスクを抱えますので、債権額を下回る金額で買い取りますし、場合によっては買い取りを拒否するケースもありますが、ファクタリングは、不良債権化のリスクを回避できるというメリットもある健全な資金調達方法と言えます。

日本の中小企業は、不動産担保による資金調達がメインであり、不動産を所有していない中小企業は常に資金調達力が乏しいという特徴があります。

このような状況を重く見た政府は、多様な資金調達ができるようにファクタリングを推奨してきました。

つまり、ファクタリングは、政府のお墨付きの正当な資金調達方法なのです。

ファクタリング業者を装った闇金業者の実態とは?

ファクタリング業者の中に、闇企業者が紛れ込んでいることはわかっても、それを見破ることが出来なければ、いずれ引っ掛かってしまいます。

現に、ファクタリング業者を装った闇金業者との金銭トラブルはなくなるどころか、増加傾向にあります。

それでは、闇金業者がファクタリング業者として活動している巧妙な手口について、詳しく見ていきます。

破格の手数料で引き込む

2社間ファクタリング契約の手数料は10~20%が一般的と言われていますが、闇金業者ははるかに低い数%を提示します。

もちろんこれは利用者を引き込むために提示しているだけであって、数%でファクタリング契約が結べることはありません。

手数料の積み増し

健全なファクタリング業者は、利用者からファクタリング利用の申し出があった後、対象となる売掛債権の審査に入ります。

一般的には、売掛債権先の財務内容がどのような状態なのか、

・帝国データバンク
・JICC
での利用履歴などを調査します。

しかし、闇企業者の審査は名目だけで実態はなく、徐々にファクタリング業者から闇金業者に姿を変えていきます。

・審査費用
・手付金
・保証金
・即日振込の手数料
など、もっともらしい名目を付けて、手数料の上乗せをしてきます。

気が付くと、売掛債権の20~30%の手数料率になっていることも珍しくありません。

入金される金額は大幅に減額

ありとあらゆる名目で手数料を積み増しされた結果、売掛債権の金額よりも大幅に減額された金額が入金されます。

闇金業者で手数料を積み増しされた結果
闇金業者に引っ掛かってしまうと、100万円のファクタリング契約なのに、入金された金額は50万円ということも珍しくありません。

とんでもない金額の手数料を差し引かれただけでなく、そのファクタリング契約には

・保証人
・償還請求権
までつけられてしまいます。

ジャンプでさらに搾り取る!

以上のようなファクタリング契約では、資金繰りが健全化するどころかさらに悪化することになります。

2社間ファクタリング契約では、利用者が売掛債権回収をし、ファクタリング業者に渡しますが、もはやファクタリング業者(闇金業者)に回収金を渡せるような状況にありません。

そんな利用者を待っていたかのように、闇金業者は支払いの分割を提案してきます。

支払い分割の罠
例えば売掛金100万円を毎月10万円の10カ月分割払いで、その際の分割手数料は5万円といった具合です。
この場合、元本100万円の支払いに対し分割手数料合計額は50万円であり、融資の上限金利をはるかに超える高利となります。

そして再び支払いが厳しくなると、貸金業者の間でジャンプと言われる手法でさらに搾り取りにかかります。

もはやファクタリング業者の姿はなく、完全に闇金業者であり、支払いが遅れるようなことがあれば、

・暴力的な追い込み
・近隣へ嫌がらせ行為
などが始まります。

闇金業者を正しく見極め安全なファクタリングを

これまでファクタリング業者を装った闇金業者について解説してきました。

ファクタリング業界は闇金業者が紛れ込んでいますが、優良なファクタリング業者も沢山あります。

そして何よりファクタリング自体は立派な資金調達手段であり、上手に利用することで資金繰りが改善した利用者も沢山います。

事前にしっかりと調べて、優良なファクタリング業者を利用するようにして下さい。