運送業の資金繰り解決にファクタリングが活躍する理由とは

2023年2月8日

運送業の資金問題は深刻で、売掛金が入金されなければ支払いに充てるお金がないなど、手元の資金不足に悩んでいることが多い業種です。
保有している売掛金を現金化することで資金を調達できる「ファクタリング」は、運送業の資金繰りを解決しやすいため近年では多く利用されるようになりました。
そもそもファクタリングは業種を問わず資金調達の方法として用いられていますが、ではなぜ特に運送業の資金繰りを解決しやすいのか、その理由について解説していきます。

運送業の資金繰りを厳しくさせている背景

運送業の資金繰りを厳しくさせているその背景には、業界特有といえる様々な特徴が関係しています。

そもそも物流は人々の生活を守る上で欠かすことのできないものであり、運送業も物流分野の仕事の1つのため、本来なら仕事が途絶えることなく安定した収入を得やすい業種のはずです。

新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより、ECサイトを利用して買い物する人が増えたことで物流・運送のニーズも高まっており、以前よりもさらに収入を増やしやすいといえるでしょう。

しかしニーズが高い業種でありながら、運送業は次の要因を「背景」として、資金繰りを悪化させやすい状況にあります。

1.運送コストが不安定
2.利益率が低め
3.収入が安定しにくい
運送業ではトラックを使ってモノを運ぶため、「燃料費」の上昇などの影響を受けやすく、「運送コスト」は不安定な状態です。

さらに運送報酬も下落したことが影響し、一般貨物運送事業者数は2007年をピークとして緩やかな減少傾向を見せ、現在は増減を繰り返しています。

また、大手から反復継続し仕事を依頼してもらう「下請け」の立場ならある程度は安定した受注が可能ですが、個人から不定期に配送依頼を受けて収入を得ているケースでは、「仕事量」が一定ではないため収入も安定しにくいといえます。

そもそも運送業は大きな利益が発生する業種とはいえません。

たとえば中小の運送業者の「利益率」は3%程度で、従業員を雇用しても十分な賃金を払うことができず、人材が定着しなければ業務効率も下がり利益率が低下するといった悪循環で資金繰りを悪化させてしまいます。

運送業が抱える4つの悩みとファクタリングによる解決方法

運送業はニーズが高い仕事でありながら、資金面での様々な「悩み」を抱えている業種といえますが、その「解決方法」として活用したいのがファクタリングといえます。

ファクタリングで解決できると考えられる運送業の悩みは次の4つです。

・事業継続のために多額の固定費が必要
・急に多額の出費が必要になるリスクがある
・燃料費の変動による打撃を受けやすい
・売掛金回収までのサイトが長く資金不足に陥りやすい
それぞれどのような悩みをファクタリングで解決できるのか説明していきます。

事業継続のために多額の固定費が必要

事業を継続させるためには、法改正や法規制の強化などに対応するための多額の「固定費」が必要です。

たとえば、
新制度が導入・追加される
許可要件が変更される
高速道路通行料の値上げ
道路使用の規制の変
など、法律や規制が変わることで不安定な状況に陥ってしまう可能性があります。

また、運送業には欠かせない大型トラックが壊れてしまったとき、新車で購入するときには2千万円ほどの資金が必要です。

購入資金がなく、修理や代替などで対応する場合でも高額な費用がかかり、トラックの保管費用やドライバーの育成・募集にもコストがかかります。

運送業は新規で参入しやすい業種であることはメリットですが、多くの「不確定要素」が存在するため、長期で運営していくことは簡単なことではありません。

【ファクタリングによる解決方法】
事業拡大に伴ってトラックを増台するときや、既存のトラックを維持・継続させるための修理費用など、運送業の設備投資資金は数百万円から数千万円かかってしまいます。

すぐにトラックを修理・増台しなければならない状況で、たとえば銀行から融資を受けて資金を調達しようとすれば、融資実行まで1か月以上かかる場合もあります。

しかしファクタリングなら、はやければ「最短即日」で資金を調達できるため、高額な設備投資資金を迅速に準備することができます。

急に多額の出費が必要になるリスクがある

運送業はトラックを使ってモノを運ぶため、たとえば「交通事故」が起きてしまえば車両を「修理」しなければならないだけでなく、被害者や破損した配送物に対する「賠償金」など大きな支払いが突発的に発生してしまいます。

ドライバーが亡くなってしまったときやケガを負ったときには、ドライバーに対する補償も必要です。

修理代や賠償などが1件の事故で多く発生すれば、事業継続が難しくなり廃業や倒産に追い込まれることも考えられます。

【ファクタリングによる解決方法】
運送業にとって事故や車両の故障は大きなリスクであるため、「保険」などに加入し備えていることでしょう。

しかし事故でケガを負ったドライバーの代わりになる人材を確保したり調整したりなどにも出費が発生します。

急な出費で資金繰りを急激に悪化させることも考えられるため、ファクタリングで保有する売掛金を現金に換えれば、予期せぬ出費に対応することが可能です。

燃料費の変動による打撃を受けやすい

運送業は燃料費など、輸送費の変動による打撃を受けやすい業種です。

トラックを走らせるための軽油・ガソリンなどの燃料油脂費は欠かすことができず、その原料である原油は99%以上輸入に頼っています。

国際情勢により原油価格は大きく変動するため、その打撃を受けてしまえば資金繰りは悪化しやすくなるといえるでしょう。

特に事業用トラックでは軽油を用いりますが、値動きが大きいため想定していたより多くの支払いが発生してしまうこともあります。

軽油・ガソリンの高騰が、黒字経営を赤字経営に転落させることも考えられますが、価格高騰が一時的なものであるため運送報酬アップに踏み切ることも困難です。

荷主が大企業の場合、上昇した燃料費を運賃に転嫁させることは容易ではなく、運送業者が負担しなければならないケースも少なくありません。

【ファクタリングによる解決方法】
運送業にとって、燃料費の上昇は大きな打撃となるため、一時的な上昇に対してファクタリングによる資金繰り改善を検討するとよいでしょう。

たとえば繁忙期の売上の一部をファクタリングで現金化することにより、収入と支出のバランスを調整することができます。

また、急激に燃料費が高騰したことで手元の資金が一時的に不足した場合でも、ファクタリングによる資金調達で対応可能です。

売掛金回収までのサイトが長く資金不足に陥りやすい

運送業は売掛金を回収するまでのサイトが長いことが多く、手元の資金が不足しやすいといえます。

下請け法の規制で、売掛金が入金されるまでの長さは最長で60日(手形は最長120日)ですが、この規制ギリギリで期日が設定されていることがほとんどです。

仮に入金が遅れれば、さらに資金繰りを悪化させることになりますが、業界特有の慣習により「手形」が決済に用いられることも少なくないため、さらに回収までのサイトが長くなりがちです。

【ファクタリングによる解決方法】
売掛先から売掛金が入金されるまでの期間を、ファクタリングにより「短期化」することができます。

期日までの間に家賃や人件費、トラックを走らせるための燃料の確保など、様々な支払いが必要になっても、売掛金の回収まで期間が空いていれば手元の資金は不足してしまいます。

余分のお金を準備していたとしても、事故が発生したり燃料費が高騰したり、急な仕事の請け負いで外注費の前払いが必要になるなど、予想外の支出により資金が枯渇する可能性は十分考えられます。

一時的にファクタリングで手元の資金を増やし、予期せぬ事態が起きたときにも備えておくことで、支払いに充てるお金が足らないという状況を防ぐことができます。

ファクタリングと運送業まとめ

運送業が抱える悩みを解決する方法として、ファクタリングは有効な手段といえるでしょう。

銀行から融資を受けて資金を調達することはできても、融資実行までは一定の時間がかかり、急な出費に対応することは困難です。

しかしファクタリングなら、即日現金化が可能となるケースも多く、急な大型出費が発生しても十分に対応できます。

また、運送業では突発的な仕事の依頼が入る場合もありますが、その際に確保しなければならない燃料や人材にかかる費用も、ファクタリングで準備できるでしょう。

資金の準備が難しければ、せっかくのビジネスチャンスを逃すことになってしまうので、そのようなタイミングにこそファクタリングで資金調達することをおススメします。