ファクタリングとは?種類や仕組みなどを解説

2024年6月1日

まずファクタリングとは、資金調達手法の一つでになります。売掛金をファクタリング会社に売却して資金化する金融サービスです。
一定の手数料が発生しますが、事業者は売掛金の回収期日よりも早く現金を受け取ることが可能です。

この記事では、ファクタリングとは?種類や仕組みなどを解説するほか、メリット・デメリット、手数料や入金までの期間の目安、会社選びの注意点などをわかりやすく解説します。

ファクタリングとは?

ファクタリングは、売掛金の支払期日前に資金が手元に入るので、資金調達の手段のひとつとして多くの企業が利用しています。

ファクタリングの意味

ファクタリングとは、企業が保有する売掛金をファクタリング会社が買取るサービスです。

売掛先からの入金日より早く売掛金を資金化するだけでなく、売掛金の回収リスクを低減することもできます。

企業間の取引は、売掛金(売掛債権)が発生する掛け取引で行われることが一般的です。

この売掛金は、入金までにおよそ30日から60日ほどかかるため、売上はあっても資金繰りがうまくいかないという会社も少なくありません。

ファクタリングを使えばこの売掛金を早期資金化することができ、売掛金の回収リスクも低減されるため、資金繰りが安定し経営の健全化が期待できます。

経済産業省も奨励している

違法業者が摘発されていることもあり、ファクタリングに対してマイナスなイメージを持たれている方も多いでしょう。

ファクタリング自体もまだまだ知名度が低いサービスです。

その理由のひとつとして、「債権譲渡禁止特約」の存在があります。

売掛債権に債権譲渡禁止特約がついている場合はファクタリングを利用できないため、ファクタリングがなかなか普及していませんでした。

しかし、2017年に民法が改正され、2020年4月1日に施行されたことによって、債権譲渡禁止特約がついている債権でも債権譲渡が可能になりました。

これにより今後ファクタリングの利用が活性化すると予想されます。

ファクタリングの仕組み

ファクタリングには、買取型・保証型の2種類があります。

一般的なファクタリング会社が提供しているのは買取型のファクタリングです。

また、買取型のファクタリングには「2者間ファクタリング」と「3者間ファクタリング」の2種類の契約方法があります。

それぞれの仕組みや違いを詳しく解説します。

買取型と保証型の違い

買取型と保証型は、利用目的が大きく異なります。

買取型は資金調達を目的としていますが、保証型は売掛金の未回収リスクに備える保険のような目的で利用されます。

また、買取型は最短即日~数日で売掛金を資金化できるのに対し、保証型は売掛先が倒産するなど貸し倒れてしまった後に保証金が入金されます。

2者間ファクタリングの仕組み

2者間ファクタリングは、「お客様」と「ファクタリング会社」の2者で契約します。

①物・サービスを提供し、売掛金が発生する
②売掛先(取引先)に売掛金の譲渡を通知して、債権譲渡の承諾を得る
③ファクタリング会社から売掛金の売却代金が振り込まれる
④通常の支払期日に売掛先(取引先)がファクタリング会社へ売掛金を支払う

2者間ファクタリングの手続きには売掛先が一切関係しません。

そのため、ファクタリングを利用することで「売掛先からの信用を失ってしまうのでは」という心配がなく利用できます。

また、「お客様」と「ファクタリング会社」の2者間での契約のため、スピーディーに契約を進めることができ、早ければ当日中に資金調達ができます。

そのため、ファクタリングを利用するお客様にとってはメリットである一方、ファクタリング会社からするとリスクが高い取引になります。

なぜなら、ファクタリング会社が売掛先に対して売掛金の存在を直接確認することができないため、架空債権や既に他の誰かに売却してしまっている売掛金を買い取ってしまうリスクがあるからです。

そのため、このあと説明する3者間ファクタリングと比較して、手数料が高く設定されています。

3者間ファクタリングの仕組み

3者間ファクタリングは、「お客様」「売掛先」「ファクタリング会社」の3者で契約します。

①物・サービスを提供し、売掛金が発生する
②売掛先(取引先)に売掛金の譲渡を通知して、債権譲渡の承諾を得る
③ファクタリング会社から売掛金の売却代金が振り込まれる
④通常の支払期日に売掛先(取引先)がファクタリング会社へ売掛金を支払う

3者間ファクタリングは、売掛先に承諾を得てファクタリング契約をします。

売掛先から承諾を得るまでに数日要してしまうことも多く、すぐに資金が必要な方には向いていません。

その一方で、2者間ファクタリングと比較して、手数料は低く設定されています。

なぜなら、ファクタリング会社が売掛先に債権の存在を直接確認できるため、2者間ファクタリングのような債権が存在しないリスクが低いためです。

少しでも手数料をおさえてファクタリングを利用したい方には、おすすめの契約方法ですので、付き合いの長い売掛先であれば相談してみるのもひとつの手でしょう。

2者間・3者間の支払いの流れに注意

ファクタリングは売掛金を早期に資金化できますが、2者間ファクタリング・3者間ファクタリングで送金の流れがそれぞれ異なるので注意しましょう。

前述の通り、2者間ファクタリングの場合は売掛先から売掛金が入金されたらファクタリング会社に送金しなければなりませんが、3者間ファクタリングはその手間がかかりません。

ファクタリングのメリット4つ

ファクタリングには主に4つのメリットがあります。

・最短即日で資金化できる
・売掛先が倒産しても受領した資金の返還義務がない
・信用情報に影響がない
・赤字や税金・社会保険滞納でも利用できる

最短即日で資金化できる

ファクタリングは、お申し込みから最短即日の資金調達が可能です。

銀行の融資では、資金調達まで早くて数週間、遅ければ2ヶ月以上かかります。

そのため、

あてにしていた銀行融資の審査が通らなかった
売掛先からの入金が遅れていて、資金が足りない

といった、急に資金が必要となったときに有効です。

売掛先が倒産しても受領した資金の返還義務がない

ファクタリング契約の多くは、償還請求権(売掛先企業が支払不能になった場合に遡及される)がありません。

そのため、売却した売掛金の売掛先が倒産したなどの理由で売掛金の回収ができなくなった場合でも、ファクタリング会社は利用者に支払いを請求する権利はないのです。

信用情報に影響がない

前述したように、ファクタリングは融資ではありません。

つまり、ファクタリングの利用によって信用情報に影響はありません。

今後、事業拡大などで融資を検討している方でも安心してご利用いただけます。

赤字や税金・社会保険滞納でも利用できる

ファクタリングの審査で重要視されるポイントは、売掛先の信用力です。

そのため、お客様の会社で赤字や税金・社会保険の滞納など融資では不利となる要素があっても利用いただくことができます。

ファクタリングのデメリット4つ

ファクタリングには、主に4つのデメリットがあります。

・手数料がかかる
・3者間ファクタリングでは売掛先の承諾が必要
・債権譲渡登記が必要になる場合がある
・売掛金の金額内でしか資金を調達できない

手数料がかかる

ファクタリングを利用する際は、手数料がかかります。

この後、ファクタリングの種類にて詳しく説明しますが、2者間ファクタリングではファクタリング会社のリスクが高いため、手数料はやや高めに設定されています。

しかし、最短即日で資金調達ができるという大きなメリットもありますので、状況に合わせて融資と使い分けましょう。

3者間ファクタリングでは売掛先の承諾が必要

3者間ファクタリングは、お客様とファクタリング会社、そして売掛先の3者間で契約するため、売掛先の承諾が必要となります。

売掛先にファクタリングの承諾をお願いすると、「あの会社は資金繰りがうまくいっていないのではないか」と信用不安を抱かれる可能性があります

債権譲渡登記が必要になる場合がある

ファクタリングを利用する際は、その権利がファクタリング会社に移動したことを証明するため、債権譲渡登記が必要な場合があります。

債権譲渡登記には、

登記情報を調べれば誰にでも売掛金の所有権が移動したことの確認ができてしまう
登記には数万円の費用がかかってしまう

といったデメリットがあります。

売掛金の金額内でしか資金を調達できない

すでに説明しているように、ファクタリングは融資ではなく売掛金の売買契約です。

そのため、売掛金の金額内でしか資金調達ができません。

調達希望金額が売掛金の金額を超えてしまう場合には、融資など他の資金調達と組み合わせて利用することをおすすめしております。

また、そもそも売掛金がない場合はファクタリングをご利用いただくことができませんので、ご注意ください。

ファクタリングの手数料の目安

ファクタリング手数料の相場は、2者間・3者間の取引形態によって異なります。

・2者間ファクタリングの相場 8%~18%
・3者間ファクタリングの相場 2%~9% 

手数料はファクタリング会社の利益であると同時に、ファクタリング会社が背負うリスクへの対価でもあるため回収リスクが高いとその分手数料も高くなります。

2者間ファクタリングでは売掛先が契約に関与しないため、売掛金を回収できないリスクに加えて、売掛金そのものが存在しない等の売掛金自体に関するリスクがあります。

また、2者間ファクタリングでは利用者が回収した売掛金をファクタリング会社へ送金しますが、利用者が売掛金を回収したとしても他の支払いに使ってファクタリング会社に送金できなくなってしまうこともあります。

ファクタリング会社には、こういった2者間ファクタリング固有のリスクがあるため、3者間ファクタリングよりも手数料が高めに設定されています。

ファクタリングで入金にかかる期間

ファクタリング会社によって、審査にかかる時間は異なりますが、お申込みから最短数時間~3日程と、スピーディーな資金調達が可能です。

また、ファクタリングの種類によっても所要時間は変わってきます。

・2者間ファクタリング
2者間ファクタリングは「お客様」と「ファクタリング会社」の2者間での契約のため、スピーディーに契約を進めることができます。

即日対応できる会社もあり、早ければに数時間後に資金調達することが可能です。

・3者間ファクタリング
3者間ファクタリングは売掛先に承諾を得てファクタリング契約を締結します。

2者間ファクタリングに比べ、売掛先からの承諾と契約手続きには時間がかかってしまう場合があり、長くて2週間ほどかかるケースもあります。

ファクタリングは売掛金を早期に資金化できますが、2者間ファクタリング・3者間ファクタリングで仕組みや流れがそれぞれ異なるので注意しましょう。

ファクタリング会社を選ぶ際の8つの注意点

ファクタリング会社の中には悪徳業者と呼ばれる会社も存在します。

また優良会社であってもそもそも自分の条件に合わない場合もありますので、会社選びには以下の点を参考にしてください。

1.希望条件を満たしているか
2.手数料は妥当か
3.ホームページの内容は信頼できるか
4.担当者の印象は良いか
5.償還請求権のない契約になっているか
6.契約書は納得できる内容か
7.契約書は2部あるか
8.悪徳業者ではないか

それぞれ詳しくみていきましょう。

希望条件を満たしているか

まずは、利用したいファクタリング会社が、自分の希望条件を満たしているかどうか確認しましょう。

例えば、以下の3点です。

・売掛金を満額買い取ってもらえるか
・個人事業主でも利用できるか
・希望の契約方法に対応しているか

希望金額が大きい場合、ファクタリング会社によっては対応してもらえないことがあります。

その際は大きな金額の買取にも対応している会社を選びましょう。

また、個人事業主が利用できるファクタリング会社は多くはありません。

個人事業主である場合は注意して選ぶ必要があります。

さらに、希望の契約方法に対応しているかも重要ポイントです。

例えば、当日中に資金調達をしたい場合は2者間ファクタリングを利用する必要があります。

対応しているサービスはファクタリング会社のホームページにも記載してありますので確認して申し込みをしましょう。

手数料は妥当か

手数料の相場は、以下のとおりです。

・2者間ファクタリングは、およそ8%~18%
・3者間ファクタリングは、およそ2%~9%

相場の手数料を超える場合や極端に低い場合は、悪徳業者である可能性を否定できません。

利用を控えましょう。

ホームページの内容は信頼できるか

優良なファクタリング会社を選ぶために必ず確認するべきなのがホームページです。

信頼に値する会社かどうか判断する材料のひとつとなります。

特に重要なのは会社概要です。

・代表者名、資本金、事業内容など詳しく記載があるか
・記載の電話番号に掛けたら繋がるか

これらの記載がなく、ホームページの内容が薄い会社は避けたほうが良いでしょう。

担当者の印象は良いか

申し込み時や審査のなかで、担当者と電話やメールでやりとりをする場面があると思います。

丁寧に説明してくれるかどうかなど、担当者の印象も大切です。

たとえ契約条件が良かったとしても、言葉遣いが荒かったり、質問をはぐらかされるなど違和感を感じるようであれば、そのファクタリング会社とは契約を避けましょう。

償還請求権のない契約になっているか

前述したように、ファクタリング契約の多くは償還請求権がありません。
償還請求権があるファクタリング会社には、相場より手数料が低いといった特徴があるようです。

しかし、償還請求権がある契約は買取型のファクタリングではありませんので、買取型ではない別のサービスの場合や、最悪の場合は悪徳業者である可能性も否定できません。

契約時には、償還請求権がないことを確認しましょう。

契約書は納得できる内容か

事前に説明を受けていたとしても、契約書の内容に相違がないか再度しっかり確認をしましょう。

よくわからないまま契約をしてしまうと、口頭で言っていたことが契約書に記載されていなかったということもあります。

契約時に質問をはぐらかされたり、強引に押印を迫られる場合には、契約を辞退することも必要です。

契約書は2部あるか

一般的な契約と同様ファクタリング契約においても、契約書は2部作製し、双方が1部ずつ保管します。

押印前に契約書が2部あるか必ず確認しましょう。

また、1部しかなくこの後コピーをとると言われた場合でも、目の前でコピーしてもらったほうが安心です。

他の手続きをしている間にコピーのことを忘れられたり、偽の契約書を渡されてしまう場合があるので、十分注意してください。

最近では電子契約を導入している会社も多いため、締結前に内容をしっかりと確認し締結済みの契約書(PDF)を保存するようにしましょう。

悪徳業者ではないか

ファクタリング会社と謳っている業者の中には、ファクタリングを装った違法な貸付を行っている悪徳業者もあります。

万が一こうした業者と契約を結んだ場合、高額な手数料を求められ、予定とは裏腹に資金繰りが悪化してしまう可能性があるため、ファクタリング会社を選ぶ際は「悪徳業者ではないか」を必ず確認することが大切です。

とはいえ、「悪徳業者かどうかをどのように判断すれば良いのかわからない」という方もいるでしょう。

そのような場合は、以下のケースに該当するかどうかで会社を見極めるのがおすすめです。

・ファクタリングの勧誘を受けたが、契約書で「債権譲渡契約(売買契約)」と定められていない
・そもそも契約書がない、または詳細な説明をしたがらない
・手数料が著しく高い
・ファクタリング会社から受け取る債権の売却代金が、債権額に比べて明らかに低額

これらに該当する場合は悪徳業者である可能性が高いため、十分注意しましょう。