安い手数料でファクタリングを利用するためには?
2023年10月26日
ファクタリングを利用するのなら手数料はどのくらい支払うことになるか知っておくべきです。
契約には2社間と3社間の2種類があり、どちらで資金調達するかによって発生する費用相場は大きく違いが出てしまいます。
そこで、ファクタリングを業界最安値といわれるほど安い手数料や報酬で利用して資金繰りを改善するために、業者選びの前に知っておきたい基礎知識を解説していきます。
ファクタリングは2社間と3社間でそれほど違いが出るもの?
資金調達に活用されるのはファクタリングの中でも買取ファクタリングと呼ばれる方法です。利用者とファクタリング会社で契約を結ぶ2社間ファクタリングと、売掛先企業も取引に加わることとなる3社間ファクタリングがあり、それぞれの手数料相場は次のとおりとなっています。
・2社間ファクタリングの手数料相場 買取売掛金額に対して10〜20%
・3社間ファクタリングの手数料相場 買取売掛金額に対して1〜5%
同じ買取ファクタリングでありながら、売掛先企業が取引に加わるかによってこれほど手数料相場は変わってしまうもの?と感じることでしょう。
これには後述する大きな理由が関係しますが、どちらの方法でも銀行融資よりは審査も柔軟でスムーズに資金調達が可能となるため、中小企業などでは有効な手法として多く用いられるようになりました。
設定された手数料は本当に妥当な割合?
ファクタリングを利用しようとファクタリング会社に見積もりを提出してもらったとします。その時提案された手数料が本当に妥当な割合か、先に述べた相場はあってもいったいどのような費用が含まれた上での費用なのか気になるところです。
ファクタリングにおける手数料を決定させる要素として挙げられるのは、
1.基本的な手数料
2.登記費用など諸費用
3.ファクタリング業者の事務的な経費等
などです。
そしてこれらの手数料の大きさは、これまでファクタリングを資金調達に利用したことがあるか、適切なファクタリング会社を選んでいるかなども関係してきます。
業界最安値の手数料を提案してくれる優良なファクタリング会社を見つけるためには、次に挙げていく手数料の内訳をしっかり理解しておくことがまずは大切です。
基本的な費用に含まれる手数料
ファクタリングを利用する際に発生する手数料は、ファクタリング会社がどのくらい儲け分として設定するかによっても変わります。
売掛金を買い取るファクタリング会社は、ファクタリングで売掛債権を現金化した後、売掛先企業から支払われた代金を回収してはじめて収益をあげることが可能です。
そのため万一売掛先企業が倒産してしまえば、現金化した売掛債権は未回収となるリスクを抱えた状態で契約するといえます。
そのため基本的な手数料として、次の要素を総合的に含ませた上で金額を決定すると認識しておいてください。
ファクタリング会社の利益
ファクタリングをサービスとして提供するファクタリング会社の収益源は手数料です。そのため基本的な手数料部分にはファクタリング会社の儲け分が含まれます。
ただこの儲け分は、言い換えればファクタリング会社が抱えることとなるリスク相当の対価ともいえるでしょう。
ファクタリング会社はファクタリングをサービスとして提供する上で、
・現金化した売掛債権が売掛先倒産などで未回収となるリスク
・持ち込まれた売掛金がすでに他のファクタリング会社で売却されたものであるリスク
・利用者が売掛先から回収した代金を流用してしまったり持ち逃げしたりというリスク
・持ち込まれた売掛金が虚偽や偽装によるものであるリスク
を抱えることとなります。
そのため売掛先企業の信用力や、2社間ファクタリングでは利用者の信頼性なども勘案された上で審査が行われますが、これらのリスクを総合して判断した上で手数料に反映されます。
この基本的な手数料部分は、ファクタリング会社の裁量により決定される要素でもあるため、利用するファクタリング会社や売掛先企業・利用者の信用度などにより変わってくるといえます。
なお、基本的な手数料には含まれない別途費用が発生する場合には、表面上の手数料率が低めに設定されています。
そのため、別途発生する費用を含めると負担する手数料が大きくなる場合もありますので、見かけだけの手数料に騙されないように別途費用の発生の有無は必ず確認するようにしてください。
債権譲渡登記の有無によっても手数料は左右される
そして2社間ファクタリングでは、売掛先企業に対して通知を行ったり承諾を得たりということはありません。
売掛先が公的機関などである医療報酬ファクタリングなどでない限り、2社間ファクタリングを希望する企業のほうが多いといえます。
ただ、2社間では回収代金を流用される可能性があるため、債権譲渡登記をファクタリング会社から求められることがあります。
債権譲渡登記は誰が売掛債権の権利者なのか、法的に証明するために行われるもののため、ファクタリング会社のリスクヘッジのために契約条件としていることもあるのです。
この場合、別途発生する登記費用は利用者が負担することになるため、余計な出費が増えます。
債権譲渡登記を行った場合には最低でも、
・登記に関わる印紙代など 2万円前後
・債権譲渡登記に必要な司法書士への報酬 8万円〜10万円
という費用が必要です。
ただ、ファクタリング会社によっては登記通知留保という未登記のままでファクタリングを実施対応しています。
2社間ファクタリングの手数料が高い理由
ファクタリングは融資を受けるわけではありませんが、利息と仮定して年利計算した場合、2社間ファクタリングでかかる手数料相場はかなり高くなります。
さらに2社間ファクタリングは3社間ファクタリングよりも手数料が高く設定されてしまいますが、それは2社間ファクタリングでは売掛先企業に債権譲渡の通知も行わず、承諾を得ることもないからです。
売掛先企業にファクタリングを利用することを知られたくない利用者にとって、2社間ファクタリングは活用しやすい資金調達の方法です。ただ、売掛先企業に内緒でファクタリングを利用するためには、期日に売掛先企業から代金を回収するのは利用者が行うこととなります。
3社間ファクタリングであれば、売掛先企業に承諾を得た上でファクタリングを行いますので、期日にはファクタリング会社に直接売掛先企業から代金を支払ってもらいます。
しかし2社間ファクタリングでは利用者が回収業務を代行して行い、回収した代金を利用者からファクタリング会社に渡すという流れが必要です。
この流れにおいて、利用者が自社の支払いに回収した代金を流用してしまう可能性もゼロではありません。もし利用者が売掛先企業からの代金を使い込んでしまうと、ファクタリング会社は大きな損失を抱えることとなってしまいます。
2社間ファクタリングではこのようなファクタリング会社の抱えるリスクが大きいため、その分手数料が高く設定されるのです。
ファクタリングの手数料に影響を与える要素は他にもあります
ファクタリングの手数料は2社間ファクタリングと3社間ファクタリングでは大きく差が生じることとなります。
3社間ファクタリングでは売掛先企業から直接ファクタリング会社に代金が支払われるため、回収代金を持ち逃げされるリスクも二重譲渡されるリスクも少ないことが大きな理由です。
ただ、2社間ファクタリングでも手数料を低く抑える方法はないわけではありません。他にも手数料に影響を与える要素は次の通り存在します。
売掛債権の金額も手数料に影響する
2社間ファクタリングにおいて設定される10〜20%という割合は負担が大きいと感じるものでしょう。
できるだけ手数料を抑えたいのなら、ファクタリング会社に売却する売掛金の金額は大きいほうが良いといえます。
たとえば100万円の売掛金をファクタリング会社に2社間ファクタリングで売却するとき、設定される手数料が20%だとしたら20万円差し引かれることになってしまいます。
しかしこれが500万円だった場合、同じく20%の手数料なら100万円の手数料となりますが、仮に10%の手数料でもファクタリング会社は50万円受け取ることができます。
売掛債権の金額が少額でも多額でも、ファクタリング会社の事務的な負担や手間はそれほど変わらないため、できるだけ金額の大きな売掛金を売却してもらったほうが手数料を下げることができるのに…と考えることになるのです。
何度目のファクタリング利用か
すでに相談したファクタリング会社でファクタリングにより資金調達をしたことがある場合、実績があるため手数料は安く設定される傾向が見られます。
初回よりは2回目、2回目よりは3回目と回数が多いほうが利用者の信用力は高くなるといえるでしょう。
これは別のファクタリング会社でファクタリングを利用しており、新しいファクタリング会社に乗り換えようという場合でも同じことです。
すでに別のファクタリング会社で契約を結んでいるという部分で、他社から信用されている分審査では有利となり、手数料を下げて乗り換えが可能となります。
利用者の人柄や信用度
ファクタリングで売却するのは売掛金ですが、これは売掛先企業との掛け売りという信用取引により発生した未回収の代金を請求する権利です。
そしてファクタリング会社との間で結ぶ契約も信用取引によるものです。ファクタリング会社は、持ち込まれた売掛金が期日に回収できるものとして買い取りますし、2社間ファクタリングであれば期日に利用者から回収代金を渡してもらえると信用した上で契約を結びます。
そのため最終的には、利用者が信頼できる相手かどうかを重視する傾向もあるといえるでしょう。人柄や信用度が影響する部分であるため、面談などを行い詳しく話をきき、利用者の人物を評価した上で手数料を決める形です。
確かにファクタリング会社の担当者の裁量により変動する部分でもありますが、信用してもらえなければ手数料は大きくなると考えておくべきでしょう。
結局2社間と3社間はどちらを利用するべきなのか
ファクタリングを資金調達で利用する場合、手数料を下げたいのなら3社間ファクタリングを利用するべきです。
ただ、3社間ファクタリングでは売掛先企業に対する通知・承諾という流れがどうしても利用者にとって不都合に働くこともあります。
売掛先企業との付き合いが古くからあり、何でも相談できる相手でファクタリングによる資金調達にも快く応じてくれるのなら問題はありません。
しかし承諾を得ようと相談したら、見ず知らずのファクタリング会社に売掛金を直接支払わなければならなくなることを快く思わないケースもあるのです。送金先が変わることはもちろんのこと、相手が万一悪徳な反社勢力の関係するような業者だった場合などはコンプライアンスにも影響を及ぼすことになるからです。
また、優良なファクタリング会社との契約だとしても、送金先が変わるので事務手続きが煩雑化してしまうため断られるケースもあります。
何よりもそもそもなぜファクタリングを利用して資金調達しなければならないのか?なぜ銀行融資を利用しないのか?それほど資金繰りが悪化しているのか?など様々な憶測を呼び、不安をあおってしまうことでその後の取引に影響を及ぼしかねないといえます。
そのため中小企業では、手数料は高くなったとしても一般的に2社間ファクタリングが利用されることが多い状況です。
ファクタリング手数料には消費税はかからない
なお、金融取引において債権の売買の手数料は非課税取引と定められています。そのためファクタリングを利用する際に発生する手数料にも消費税は課税されません。万一提案された手数料に消費税が課税されている場合には、悪徳業者である可能性も否定できませんので、必ず何に対する税金なのか確認しておきましょう。
まとめ
ファクタリングで発生する手数料は、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングのどちらを利用するかによって異なります。
経費をなるべく抑えたいのなら3社間ファクタリングがおすすめですが、売掛先企業を含めて契約を結ぶことで様々な弊害が生じることもあります。
また、2社間ファクタリングを利用する場合でも手数料を決める要素を知っておくことで、業界最安値といえる手数料でサービスを提供してくれる優良なファクタリング会社を見つけやすくなるはずです。
有効な資金調達の方法につなげるためにも、ファクタリングで発生する手数料はどのような要素で決まるのか、請求される費用の内訳などを理解した上で比較するようにしましょう。
また、優良なファクタリング会社選びの際には、必ず複数社から相見積もりを取得し比較するようにしてください。比較することで売却する売掛債権の手数料相場を知ることができ、一番よいファクタリング会社を選ぶことができるはずです。