領収証ファクタリングとは?違法性など徹底解説

2024年8月15日

領収書ファクタリングとは、領収書をファクタリング会社に譲渡(売却)し、手数料を差し引いた金額を資金化するサービスのことで、経費ファクタリングと呼ばれることもあります。

会社員などの「個人」を対象にしています。

たとえば、出張で宿泊費を立て替えて支払った場合、発行された領収書をファクタリング会社に売却することで、会社から立替経費精算されるのを待たなくても、資金化することができます。

ただし、領収書ファクタリングは違法性が高く、悪質な業者による危険性の高いサービスであることが多いため、できれば利用を避けたほうが良いでしょう。

そうしなければ、法外な手数料を取られたり、悪質な取り立てをされたりして、被害を受ける可能性があるのです。
そこでこの記事では、領収書ファクタリングの基礎知識だけでなく、なぜ危険性が高いのかについても詳しく解説します。

本記事の内容は以下のとおりです。

▼本記事の内容
• 領収書ファクタリングとは
• 領収書ファクタリングの利用手順
• 領収書ファクタリングの危険性が高い理由
この記事を読むことで、領収書ファクタリングがどういうもので、なぜ危険性が高いのかを理解することができます。

ぜひ、最後までお読みください

領収書ファクタリングとは

まずは領収書ファクタリングがどのようなサービスなのか、以下の内容を解説します。

• 領収書ファクタリングとは
• 領収書ファクタリングの仕組み
• 領収書ファクタリングと請求書ファクタリングの違い

領収書ファクタリングとは、領収書を売却して資金化するサービス

領収書ファクタリングとは、領収書、または経費精算書をファクタリング会社に譲渡し、手数料を差し引いた金額を資金化するサービスで、会社員などの「個人」を対象としています。

会社員の場合、必要な経費は立て替えて支払い、後で会社に精算してもらうケースがよくあります。

たとえば、「出張時の宿泊費」や「出張時の交通費」などです。

こうした立替経費は「領収書」をもとにして会社で精算してもらいますが、多くの場合、翌月の給料日など立て替えた日の数週間後に精算されるため、それまで立替経費は手元に戻ってきません。

立替経費の金額が大きければ大きいほど、手元のお金は一時的に減った状態になるため、人によっては苦しい財政状況になる可能性もあります。

そこで領収書ファクタリングを利用すると、領収書や経費精算書をファクタリング会社に売却して資金化でき、翌月の給料日を待たなくてもすぐに立替経費分の現金(手数料を引かれた金額)を手に入れることができます。

ただし、領収書ファクタリングは以下の理由から危険性の高いサービスであるといわれています。

手数料が高額
貸金業登録を受けていない業者が多い
違法な「給与ファクタリング」と仕組みが似ている
悪質な取り立てが行われる
闇金と同様に利用者はトラブルに巻き込まれる可能性が高く、非常に危険であるため、利用は避けるようにしましょう。

領収書ファクタリングが危険性の高いサービスであるといえる理由について、詳しくは「3.領収書ファクタリングの危険性が高い理由」で解説しています。

領収書ファクタリングの仕組み

領収書ファクタリングの仕組み

1.経費の領収書をファクタリング会社に売却
2.領収書の額面から手数料を差し引いた金額が利用者に振り込まれる
3.会社に対して立替経費申請を行う
4.後日、会社から経費精算が行われる
5.会社から経費精算されたお金を、手数料とともにファクタリング会社へ支払う
会社から精算される経費はすべてサービスの買取対象となっており、交通費や携帯電話料金、飲食代などの交際費、宿泊費などが当てはまります。

領収書がない場合も、利用者が経費精算書を作成することで資金化に応じる業者もいます。

領収書ファクタリングと請求書ファクタリングの違い

領収書ファクタリングと名称が似ているために混同しがちなファクタリングサービスとして、「請求書ファクタリング」があります。

請求書ファクタリングとは、利用者がファクタリング会社に請求書(売掛債権)を買い取ってもらうことで、納品時点で資金調達を行えるファクタリングサービスです。
※2者間ファクタリング:ファクタリング会社と売掛先が直接やり取りをすることはなく、ファクタリング会社と利用者の2者間だけでファクタリングの取引が行われる。

この2つの大きな違いは、「買取対象」と「違法性の有無」です。

領収書ファクタリングは「立替経費の領収書」を買取対象としている一方、請求書ファクタリングでは「請求書」を買取対象としています。

また、領収書ファクタリングは違法性がある一方で、請求書ファクタリングに違法性はありません。
「領収書ファクタリング」とは名ばかりで、実質的には後日精算される立替経費を担保にした貸付に近い仕組みです。

そもそもファクタリングとは、「事業者間の取引で生じた代金を請求する権利」である「売掛債権」を、ファクタリング会社が利用者から買い取り、利用者が資金調達するというものです。
領収書ファクタリングの場合、ファクタリング会社が買い取るのは会社員(個人)が保有する「立替経費の領収書(立替金の請求権)」であり、売掛債権ではありません。

そのため、「領収書ファクタリング」は会社員に対する給与ファクタリングと似た仕組みであるため、「貸金業(貸金業登録が必要)」に分類される可能性が高いにも関わらず、貸金業登録をしていない業者が多いため、違法性が高いと言われているのです。

それに対して請求書ファクタリングの場合、ファクタリング会社が買い取るのは事業者が保有する「請求書(売掛債権)」です。

請求書は、納品やサービス提供の対価となる代金を請求するための書類であり、つまるところ「売掛債権」ですので、法的にもしっかりと認められており、違法性はありません。

領収書ファクタリングの危険性が高い3つの理由

先にもお伝えしたとおり、領収書ファクタリングはトラブルに巻き込まれる可能性があり、危険性の高いサービスです。

それでは領収書ファクタリングは危険性が高いといえる理由は何なのでしょうか。

<危険性が高い理由、手数料が高額である/h2>
領収書ファクタリングは危険性が高いといわれる1つ目の理由は「手数料が高額」であるからです。

領収書ファクタリングの手数料は20%~50%となっており、通常ファクタリングの手数料の相場「1%~18%」をはるかに超える高額な手数料を請求されてしまうのです。

たとえば、領収書ファクタリングを利用し「5万円の領収書」を業者に売却する場合、手数料が20%であれば、実際の手取り金額は4万円になります。

さらに、手数料が50%の場合は、手取り金額が2万5千円になってしまい、手取りは領収書の金額の半分になってしまいます。

このように、領収書ファクタリングを行う業者は高額な手数料を差し引く傾向があるため、手取り金額が大幅に削り取られてしまう可能性があり、利用は危険です。

領収書ファクタリングは高額な手数料によって、受け取った現金以上の過剰な支払いが要求されるリスクがあるため、危険性が高いといえるのです。

まとめ

この記事では領収書ファクタリングの仕組みやその危険性について解説しました。

ここで改めて本記事の内容をおさらいしましょう。

◆領収書ファクタリングとは、領収書を売却して資金化するサービス
◆領収書ファクタリングと請求書ファクタリングの違い

• 領収書ファクタリングは「立替経費の領収書」を買取対象としている一方、請求書ファクタリングでは「請求書」(売掛債権)を買取対象としている
• 領収書ファクタリングは違法性が高い一方で、請求書ファクタリングに違法性はない
◆領収書ファクタリングの利用手順

1.申し込み
2.必要書類の提出
3.審査結果を待つ
4.契約締結
5.振り込み
6.経費精算で返済
◆領収書ファクタリングの危険性が高い3つの理由

• 手数料が高額であるから
• 貸金業登録を受けていないから
• 悪質な取り立てが行われるケースが多いから
◆領収書ファクタリングは利用しないほうがいい