リバースファクタリングとは?仕訳方法や注意点を解説

2025年2月10日

ファクタリングとは、一般的に売掛債権をファクタリング会社に売却する金融取引です。
融資に代わる新たな資金調達方法として注目されており、近年では買取ではなく保証するタイプの商品やリバースファクタリングと呼ばれるサービス登場しています。
当ページでは「リバースファクタリング」にフォーカスを当て、サービスの仕組みやメリット・デメリットなどを分かりやすく解説します。

リバースファクタリングとは

リバースファクタリングとは、発注者側が外注先(下請)への買掛金をファクタリング会社に代行してもらう金融取引です。
簡単に言うと“物やサービスを「買った側」が、ファクタリング会社を使って支払いを済ませるやりとり”を意味します。
利用者は、商品やサービスの提供を依頼する発注者側(買い手)です。
この点が通常のファクタリングとは逆(ファクタリング:売り手 リバースファクタリング:買い手)であることから、リバースファクタリングという名称が付けられています。
「資金繰りが厳しく、支払期日までにお金が用意できなそう・・・」
「支払期日を守れずに、取引先に迷惑をかけ関係が悪化するのは避けたい。」
「急に、支払日を早めるよう持ちかけられて困っている。」
このような時はリバースファクタリングを活用することで、取引先に払わなければならないお金はファクタリング会社が“立替え”という形で代わりに払ってくれます。
従来は「売り手側」しか利用できなかったファクタリングですが、「買い手側」をターゲットにおいたのがリバースファクタリングです。
「上手に活用することで、資金繰りの安定に繋がる」と、注目が高まっています。

リバースファクタリングの仕組み

リバースファクタリングは「ファクタリング会社が取引先に払うお金を立て替えてくれる」+「ファクタリング会社に手数料とお金を返す」この2本の柱で構成されています。
利用者である発注者側は、外注先から請求書を受け取った後に、ファクタリング会社に利用申込みをします。
通常のファクタリングと同様、利用に際しては審査が必要です。
審査に通過できれば、ファクタリング会社が代行して取引先へ支払いを済ませてくれます。
利用者側は、後日ファクタリング会社に「本来取引先へ払うはずだった金額」+「ファクタリング手数料」を払い、契約は終了します。
ファクタリング会社としては、手数料分の儲けが出るという仕組みですね。
イメージとしては、3社間ファクタリングに近い構造です。
取引先にリバースファクタリングを使っていることを隠すことはできず、3社間で納得して契約を結ぶという点は理解しておきましょう。

リバースファクタリングの利用の流れ

リバースファクタリングの基本的な流れは以下の通りです。

①発注者側(自社)が外注先(取引先)に商品やサービスの提供を依頼する
②外注先は商品やサービスの提供が完了後、請求書を発行
③発注者側は受け取った請求書をファクタリング会社に提出
④ファクタリング会社による審査
⑤ファクタリング会社が外注先へ買掛金を支払う
⑥発注者側はファクタリング会社の指定する支払期日までに買掛金+ファクタリング手数料を支払う
このようになっており、基本的には取引先への連絡ややり取り全般はファクタリング会社にお任せできます。
契約後は、実際の期日や請求金額ではなく、ファクタリング会社と交わした契約に沿って動いていくことになります。

リバースファクタリングの3つのメリット

リバースファクタリングは、利用者側に3つの大きなメリットをもたらします。
・業務の効率化が図れる
・支払期日を伸ばせる
・取引先へのデメリットがない
それぞれの点について、詳しく確認しましょう。

業務の効率化が図れる

リバースファクタリングは、支払先を一本化することでの業務の効率化という点でも良い効果を発揮します。
外注先への支払いは、都度「振込手数料」が発生します。
また、取引先が多くなればなるほど請求・支払いに関する事務的な作業が増え経理業務も複雑化するでしょう。
債務(買掛金)の支払いをすべてファクタリング会社に任せるために、リバースファクタリングを導入するというケースも増えています。
支払先を一本化することで、各外注先に支払う際にかかっていた振込手数料や事務的な作業を削減でき、業務の効率化が可能です。

支払期日を伸ばせる

リバースファクタリング最大のメリットは“支払期日を伸ばせること”です。
取引先と「月末に支払」という契約を交わしていても、月末の支払はファクタリング会社が代行して支払ってくれます。
取引先との契約内容に関わらず、新たにリバースファクタリングで交わした契約書に基づいた期日で支払いをすればOKなので、期日を先延ばしにできます。
取引先との間で支払遅延を起こしてしまうと、信頼関係に傷が付き今後の外注に影響を及ぼすリスクが。
そうなる前に、リバースファクタリングを上手く活用し、決められた期日までにきちんと取引先にお金が届くよう手配するのは賢い選択です。

取引先(外注側)へのデメリットがない

取引先への金銭的・事務的な負担を与えない点も、リバースファクタリングのメリットの1つと言えます。
取引先としては、販売した物やサービスの代金を確実に回収したいと考えるもの。
リバースファクタリングは、代金未払いとなるリスクをゼロにする取引先目線でも嬉しい金融取引です。
リバースファクタリングの手数料は、基本的に利用者(買う側)の負担です。
取引先(売る側)としては、「もらえるお金は同額」+「未払いリスクゼロ」デメリットがありません。
振込先などの提示は必要となるものの、複雑な事務的負担が強いられることもありません。

リバースファクタリングの2つのデメリット

リバースファクタリングは「買い手側」の資金繰り調整に役立つ非常に便利な金融サービスです。
しかし、デメリットもあるため利用の開始にあたっては慎重な検討が求められます。
リバースファクタリングのもつ2つのデメリットを、詳しく確認しましょう。

取引先がでんさいを導入していないと使えない

リバースファクタリングを利用する場合、発注者側、外注先側ともに電子記録債権(でんさい)を導入する必要があります。
電気記録債権・・・手形や振り込みに代わる決済手段で、債権の発行・譲渡・現金化をインターネット上で行えるもの。
利用には全国銀行協会の審査が必要。
通称、でんさい・電子手形
リバースファクタリングの利用は、利用者企業・取引先企業の双方がでんさいを導入していることが絶対条件となります。
どちらか一方でもでんさいの導入ができていないと、サービスの利用はできません。
現在、でんさいを導入している企業はそれほど多くはないのが現状です。
リバースファクタリングのためにでんさいを導入する際は、仕組みや利用方法を学ぶ必要があります。
また、取引先にもでんさい導入の有無を確認し、必要であれば導入を依頼しなくてはなりません。

ファクタリング手数料がかかる

リバースファクタリングを利用して支払いを立替えてもらっている以上、ファクタリング会社に対して手数料を払わなくてはなりません。
手数料金額は、利用した金額の1%~5%が相場です。
ファクタリング会社への支払期日には「立て替えてもらった買掛金」に「ファクタリング手数料」をプラスして返すことになります。
支払いが間に合わない時には、遅延損害金や延滞金という名目で手数料が追加されるのが一般的です。
手数料のパーセンテージや期日を過ぎた際の対応については、ファクタリング会社によって内容が異なる部分ですので、契約前にしっかりと確認しておきましょう。

まとめ

当記事では、リバースファクタリングの概要や通常のファクタリングとの違いについて解説してきました。
買い手側の債務をファクタリング会社が立替えて支払ってくれるサービス
手数料は低く、1%~5%が相場
「支払期日を伸ばしたい」「支払期日を早めるよう依頼されて困っている」時に役立つ
買い手、売り手双方の企業が「でんさい」を導入していることが必須
通常のファクタリングが「売り手側」をターゲットとしているのに対して、リバースファクタリングは「買い手側」に向けた金融サービスです。
名称に“リバース”が入っているのは、対象が全くの真逆であることに由来しています。
物やサービスの買い手側の事業者で、支払期日を伸ばして資金繰りを立て直したいと考えている方は知っておいて損のない金融取引です。
手数料が安いため利用のハードルが低いサービスではあるものの、慢性的な利用は利益を圧迫する原因となりかねませんので注意しましょう。