ファクタリングの売掛金仮査定について解説、売掛金仮査定を行うメリットも紹介

2024年9月28日

資金繰りが危なくなってから手当するという会社は意外とたくさん存在します。

資金繰り表をきちんとつけていない場合は、2か月先、3か月先の資金繰りの状況について感覚でしかわかりませんし、

ギリギリで乗り切れると思っても急な支払いなどで思った以上に現金が減ってしまったというのはよくあることです。

このような観点から、資金繰りの穴を見つけた際には早めに手当てを行う必要があるのですが、差し迫った資金調達が必要な際に有効なのがファクタリングです。

とは言え、ファクタリングを行う際にも準備が必要なので、思い立って即日で債権を売却して現金を得るというのは難しいかもしれません。

ここでは、いざという時のために利用しておきたい、売掛金仮査定について説明します。

差し迫った資金不足は銀行融資では手当できない

まずファクタリングについて説明する前に、企業の資金繰りについて説明します。

中小企業の中でも実は資金繰りをきちんと管理して、数か月先の資金繰りまで具体的な金額で過不足を予想できている会社は稀です。

というのも、数か月先の売上はわかりませんし、売上原価も売上に次第です。

また、販管費についても、広告費や送料などの売り上げに応じて変動する費用が予想できないので、

うちの会社には資金繰りを予想できないという会社は多いのではないでしょうか。

このように資金繰りを予想できない会社にとって頼もしいのが銀行融資です。

利息さえ支払えば、不確定な出費に対する備えを行う事ができるからです。

しかし、一方で銀行融資には限度額がありますし、1週間以内に調達しなければならないといったような急な資金調達には向きません。

銀行の融資の審査は厳格ですし、審査をするのにも時間が掛かるからです。

このような理由から急な資金不足に対しては他の対策を行う必要があります。

この時に有効なのがファクタリングで、資金調達コストは銀行融資と比較すると大きくなりがちですが資金の調達スピードが早く、大口の資金調達も可能なので良い資金調達だと言えます。

保有している債権にどの位の価値があるかを知っておく

このように、長期的な資金繰りの為の銀行融資と並行して、急な資金不足に対してファクタリングで対応できるようにする必要があるのですが、

自社がいくらの価値の債権を保有しているのかという事は知っておく必要があります。

もちろん、自社が抱えている100万円の債権をそのまま100万円でファクタリング会社は買い取ってくれるというわけではありません。

その100万円から手数料を差し引いた金額がファクタリング会社から支払われるのです。

この時の手数料については注意が必要です。

売掛先に通知をせずに債権回収を利用者が行ってファクタリング会社に納める2社間ファクタリングの場合の手数料は10~30%、

売掛先に債権譲渡通知を行ってファクタリング会社が直接売掛金を回収する3社間ファクタリングの場合の手数料は1~5%となっています。

2社間ファクタリング 10~30%
3社間ファクタリング 1〜5%

この手数料には注意する必要があります。

例えば、1000万円の売掛金を買い取って貰う場合、手数料が4%ならば、手元に入るお金は960万円となり、40万円がファクタリング会社の取り分となります。

また、手数料が20%ならば、手元に入るお金が800万円になり、200万円がファクタリング会社の取り分となります。

このように見ると自社が1000万円の売掛金を抱えているので、いざとなったらファクタリングして現金化しようという事が簡単にできないという事がわかります。

手数料によっては思っていたほどの金額を調達できない可能性があるからです。

このように何かあった時に売掛金がどの位の価値になるかを知っておくために売掛金仮査定を行った方が良いでしょう。

売掛金仮査定を行うメリット

正式な売掛金の査定には時間がかかります。

債権先の信用情報や利用者の信用情報、債権の内容などを実際の書類をベースに詳しく分析するからです。

このような理由から例えば、数週間にもしかしたら資金が不足するかもしれないから前もって売掛金がどの位の金額になるか知りたいという場合に本格的な査定を受けるのは手間がかかります。

この時に、実際の書類なしでいくつかの必要事項を伝えて売掛金を買い取る時の概算金額を伝えてくれるのが、売掛金仮査定です。

仮査定を行う際の必要項目は会社によって異なりますが、自社の情報、売掛先の情報、売掛金の内容の3つを事前に整理しておけばメールや電話などでも問い合わせる事ができます。

もちろん、概算金額なのでその後の正式な査定では金額が変わる事も考えられますが、説明した内容に誤りがあったり、

急に売掛先の財務状況が悪くなるなど査定金額を大きく変更せざるを得ないような事情ない限り大きな誤差はないと考えられます。

とりあえず、どれくらいになるのか何社か見積もりが欲しいという場合は売掛金仮査定でどの位の相場感なのか、どの会社が良さそうなのかを掴むと良いでしょう

信用情報に自信がないからと言って諦める必要はない

このように自社が保有している売掛金を簡単に仮査定する事ができるのですが、銀行融資と同じように考えて、

赤字が多すぎて銀行から融資を断られたのでファクタリングもしてもらえるはずがない、

設立して間もない会社で信用が無いのでどうせ高額な手数料をとられると諦めている方もいるのではないでしょうか。

銀行融資を断られたからといって、ファクタリングを利用できないとは限りません。

ファクタリングにおいて重要なのは保有している売掛金の内容です。

3社間ファクタリングの場合、売掛先からファクタリング会社が直接債権を回収するので、実は利用者の信用情報というのはあまり重要ではありません。

赤字でも債務超過でも質の良い債権を保有しているのであれば有利な手数料で資金調達ができる可能性が十分にあります。

銀行融資と同じように考えずに、まずは保有している債権にどの位の査定額が付くのかまずは仮査定を行うと良いでしょう。

以上のようにファクタリングの売掛金仮査定についてお伝えしてきました。

ファクタリングは審査に時間が掛かり利用者の信用情報を重視しますが、ファクタリングは審査がスピーディーで利用者の信用情報ではなく、

売却しようとしている売掛金の内容と相手先の信用情報を重視します。

このような特徴からファクタリングは銀行融資とまったく別に資金調達手法だと言えます。

すなわち、「銀行に融資を断られた」「すぐに資金が必要だけれども銀行融資では間に合わない」という時にファクタリングは非常に魅力的な資金調達手段となりえるのです。

ただし、1000万円の売掛金をファクタリングすれば、1000万円が調達できるというわけではありません。

売掛金から手数料を差し引いた金額が利用者の手元に入るのでこの手数料がいくら位になるのかについてはきちんと知っておく必要があります。

正式な買取金額は、必要書類を提出した上で算出されますが、すぐに知りたいという場合は必要事項を説明すれば、売掛金仮査定により概算金額を教えてもらう事も可能です。

いざファクタリングしようと思ったときには、どこの会社が良さそうか分からなかったり、どの位の買取額になりそうかが分からなかったりと時間をロスしてしまう可能性があります。

ファクタリングを利用するかもしれないという時は直前ではなく十分に余裕を持って売掛金仮査定でどの会社が良さそうか、

どの位の査定金額になりそうなのかをあらかじめ調査しておいた方が良いでしょう。