ファクタリングの支払いの期日は?わかりやすく解説

2024年1月21日

ファクタリングで資金を調達したくても、手数料や流れなどに加え、いつが支払いの期日になるのかわからず利用をためらっている方もいることでしょう。

利用することでまず、ファクタリング会社に手数料の支払いが必要ですが、2社間による契約では利用者が売掛金を回収し、その後ファクタリング会社への支払いも発生します。

そこで、ファクタリングで資金調達したときの支払い期日はいつなのか、手数料や流れについてもわかりやすく解説していきます。

ファクタリングの手数料と売掛金回収後の支払いについて、正しく理解していきましょう。

3社間ファクタリングを利用した場合

「3社間ファクタリング」では、「利用者」と「ファクタリング会社」だけでなく、「売掛先」も主体となって契約を結び取引を進めていきます。
事前に売掛先に対し、売掛金をファクタリング会社に譲渡することを通知し、ファクタリングを利用することの承諾を得る手続が必要です。
3社間ファクタリングのメリットは手数料が安いことですが、その理由は売掛先から直接、ファクタリング会社に対し売掛金が支払われるからといえます。
売掛先に売掛金の存在を確認することができ、期日になれば直接支払いがされるため、ファクタリング会社にとってリスクの低い取引といえるでしょう。
ファクタリングで発生する手数料は、売掛金が未回収となるリスクの高さに比例するため、リスクを抑えることができる3社間ファクタリングでは2社間ファクタリングよりも安くコストを抑えることが可能です。
以上のことを踏まえ3社間ファクタリングを利用した場合の支払いを理解するために、次の3つについて説明していきます。
●3社間ファクタリングの流れ
●3社間ファクタリングの支払いの種類
●2社間ファクタリングの支払期日

3社間ファクタリングの流れ

3社間ファクタリングでは2社間ファクタリングと異なり、「売掛先」が契約に加わることとなります。
そのため売掛先に対し、ファクタリング会社に売掛債権を譲渡することを伝え、ファクタリングで資金調達することに対する承諾を得る手続が必要です。
ただし売掛金は売掛先から直接、ファクタリング会社に支払われるため、利用者が回収を代行しファクタリング会社に支払いをする流れは必要ありません。
以上のことから、3社間ファクタリングで資金を調達するときには、次の8つの流れをたどることとなります。
①ファクタリング会社にファクタリングを申し込む
②譲渡したい売掛金情報をファクタリング会社に提示する
③ファクタリング会社で売掛先の信用調査が実施される
④審査後、売掛金の買取金額など見積もりが提示される
⑤売掛先に対し売掛債権譲渡の通知と承諾を得る手続を行う
⑥3者間でファクタリング契約を結ぶ
⑦契約締結後、買取金額が利用者の指定口座に振り込まれる
⑧売掛金の支払い期日に売掛先からファクタリング会社に直接支払いが行われる

3社間ファクタリングの支払いの種類

3社間ファクタリングでも、2社間ファクタリングと同じように売掛債権額面から手数料が差し引かれ、残りを利用者に支払います。
そのため別途、ファクタリング会社に手数料を支払う必要はなく、手数料相場も1~9%と2社間ファクタリングより割安です。
なお3社間ファクタリングでは、売掛先に通知をしたり承諾を得たりという手続が含まれるため、債権譲渡登記は行われず登記費用が発生することはほとんどないといえます。
売掛金も直接、売掛先からファクタリング会社に支払ってもらうため、利用者からファクタリング会社に対する支払いは「手数料」のみです。

3社間ファクタリングの支払期日

ファクタリング後にファクタリング会社が回収する売掛金は、利用者を経由せずに直接、売掛先からファクタリング会社に支払われます。
そのため利用者が売掛金の回収業務を代行することはなく、2社間ファクタリングの契約で定められる売掛金の支払期日もありません。

2社間ファクタリングを利用した場合

2社間ファクタリングは、「利用者」と「ファクタリング会社」が主体となり契約を結ぶファクタリングですが、発生する「支払い」は次の2つです。
ファクタリングを利用することで発生する「手数料」
売掛先から回収した「売掛金」
2社間ファクタリングでは、契約に売掛先が関わらないため、手数料の支払いだけでなく売掛金の回収と支払いが必要となります。
そこで2社間ファクタリングを利用した場合の支払いを理解するために、次の3つについて説明していきます。
●2社間ファクタリングの流れ
●2社間ファクタリングの支払いの種類
●2社間ファクタリングの支払期日

2社間ファクタリングの流れ

2社間ファクタリングは、「利用者」と「ファクタリング会社」だけで契約を結び手続を進めていくため、売掛先にファクタリングにより資金を調達することを知られないことがメリットです。
売掛債権をファクタリング会社に譲渡することを売掛先に知らせないため、売掛金の回収は利用者が行うこととなり、入金後はすみやかにファクタリング会社への支払いを済ませることが必要となります。
そのため2社間ファクタリングによる手続の具体的な流れは、主に次の7つです。
①ファクタリング会社にファクタリングを申し込む
②譲渡したい売掛金情報をファクタリング会社に提示する
③ファクタリング会社で売掛先の信用調査が実施される
④審査後、売掛金の買取金額など見積もりが提示される
⑤提示された内容で納得できれば必要書類をファクタリング会社に提出し契約を結ぶ
⑥契約締結後、買取金額が利用者の指定口座に振り込まれる
⑦売掛先の支払い期日に売掛金を回収し、入金された金額と手数料をファクタリング会社に支払う

2社間ファクタリングの支払いの種類

2社間ファクタリングでは、ファクタリングを利用するときにファクタリング会社に対し支払う「手数料」だけでなく、売掛先から回収した「売掛金」の支払いも必要です。
手数料に含まれる費用として挙げられるのは、
●基本手数料
●事務的な経費
●登記費用などの実費
●ファクタリング会社の儲け
などです。
これらの費用は、ファクタリング会社に売却した売掛金の額面から差し引かれ、残りが利用者に支払われます。
登記費用については、「債権譲渡登記」を必要とする場合のみ支払いが必要ですが、コストの多くを占める費用のため、できる限り登記は必要としないファクタリング会社を選んだほうがよいでしょう。
2社間ファクタリングの手数料相場は10~20%のため、この割合を大きく上回る手数料を請求されたときには、詳細を確認するようにしてください。
そして2社間ファクタリングでは、利用者が売掛先から売掛金を回収することになります。
あくまでも利用者は、ファクタリング会社から債権の回収を代行していることを認識しておき、売掛先から入金があれば他の支払いに流用することなくすみやかにファクタリング会社に支払うことが必要です。
売掛先から売掛金が入金されているのに、その代金をファクタリング会社に支払わなければ契約違反となるため注意しましょう。

2社間ファクタリングの支払期日

2社間ファクタリングで発生する2つの支払いのうち、手数料は売掛債権額面から自動的に差し引かれるため、別途支払いをする必要はありません。
しかし売掛先から回収した売掛金は、利用者が責任をもってファクタリング会社に支払うことが必要です。
売掛金の支払いをいつまでに済ませなければならないかは、ファクタリング契約の中に明確に決められています。
ファクタリング会社によっていつまでに支払いを済ませるべきか異なり、売掛金の入金があってから10日以内に設定されることが多いものの、つい使い込んでしまう可能性などを踏まえできるだけ早急に支払うようにしましょう。

ファクタリング会社への支払いが遅れた場合

ファクタリング会社に対する支払いで、もっとも注意したいのは2社間ファクタリングのときに発生する「売掛金」の支払いです。
すでに現金化した売掛金が、後日、売掛先から口座に入金されると、つい別の支払いに充ててしまったり流用したりなど使い込んでしまうケースもめずらしくありません。
また、回収した売掛金をファクタリング会社の口座に振り込むつもりだったのに、自動引き落としされてしまったというケースなどもあるようです。
しかしいずれの場合も、すでに債権がファクタリング会社に譲渡された後の売掛金であるため、そのお金の持ち主はファクタリング会社といえます。
一時的な流用や思いもよらない引き落としなどであっても、ファクタリング会社に移った売掛金を使い込むことは、「横領罪」や「詐欺罪」として罪に問われる可能性があります。
大きなトラブルに発展してしまう可能性もあるため、2社間ファクタリングで資金調達するときには、回収した売掛金はすみやかにファクタリング会社に支払うことが必要であることを再認識しておきましょう。

まとめ

ファクタリングは近年、銀行などから融資を受けにくい個人事業主や中小企業に注目されている資金調達の方法ですが、ファクタリング会社に対する支払いは遅れずに済ませることが必要です。
手数料については、ファクタリング会社から買取代金が支払われるとき、自動的に差し引かれるため別途支払いをする必要はありません。
しかし2社間ファクタリングでは、売掛金の回収を利用者が行うため、回収代金をファクタリング会社に支払うことが必要です。
売掛金の入金があったタイミングで資金不足に陥っており、一時的に使い込んでしまったり引き落とされたりなど、いずれの場合も契約違反となります。
いつが支払いの期日かはファクタリング契約で決めらることになりますが、違反すればは罪に問われる可能性もあるため、使い込みなどせず遅れずに支払いを済ませるようにしましょう。