注文書買取ファクタリングとは?その仕組みについて詳しく解説!

2024年12月10日

この記事では、仕事を受注した段階で資金化できる「注文書ファクタリング」の仕組みやメリットなどを紹介します。

ファクタリングは、請求書、つまり入金前の売掛金を資金化できる資金調達方法として中小企業を中心に利用されています。

ファクタリングは融資とは異なり、必要資料が少なく最短即日での資金調達が可能です。
また利用者の信用情報や経営状況にかかわらず、売掛金(請求書・注文書)があればお申込みいただけます。

1.注文書ファクタリングとは?

注文書ファクタリングの最大の特徴は、仕事を受注した時点で資金化ができるという点です。

従来のファクタリングは、納品後に発生する売掛金を資金化するサービスのため、納品完了後でないと資金調達ができません。

しかし、中小企業の資金繰りにおいて「仕事を納品する前に資金が必要!」というニーズがあることから、注文書ファクタリングが誕生しました。

次では、注文書ファクタリングの仕組みについて解説します。

注文書ファクタリングは、売掛先から案件を受注した際に発行される、注文書があれば利用できます。

その注文書をファクタリング会社が買取り、買取金額から手数料を引いた金額が御社に入金されます。

御社は売掛先から売掛金が入金されたら、ファクタリング会社に買取金額と同じ金額を送金し、取引が終了します。

2.注文書ファクタリングと請求書ファクタリングとの違い

注文書ファクタリングと従来の請求書ファクタリングには下記2点の大きな違いがあります。

・資金化に必要な書類
・資金化するタイミング

ここではその違いについて解説します。

資金化に必要な書類

注文書ファクタリングと従来のファクタリング(請求書ファクタリング)では資金化に必要となる書類が異なります。

注文書ファクタリングは、その名のとおり注文書(または発注書)を買取り、資金化します。
注文書(発注書)とは、案件の受注が確定した後に発行される書類で、正式に注文する内容が記載されています。

ただし業界によっては、案件が進み始めた後や、納品完了後に注文書(発注書)が発行される場合もあります。

そのため注文書が手元にないお客様もいらっしゃると思いますが、注文書以外などで仕事の受注が確認できれば注文書ファクタリングはご利用いただけますので、お気軽にお問合せ下さい。

注文書ファクタリングでは、公共工事や官公庁の警備、博物館の清掃といった国や自治体に対する仕事や、民間企業でもシステム開発や建設といった納期が長い仕事など様々な案件の注文書を買い取ってもらえます。

一方、従来のファクタリング(請求書ファクタリング)ではサービスや商品の提供が完了した後に発行される請求書をファクタリング会社が買い取り、資金化します。

注文書ファクタリングと仕組みは同じですが、必要となる書類が発行されるタイミングが異なるため、資金が必要となるタイミングで資金調達ができるサービスを選択しましょう。

従来のファクタリングと注文書ファクタリングの違いをより理解するには「ファクタリングとは?」の記事も併せてご覧ください。

資金化するタイミング

仕組み自体は従来のファクタリングと変わりませんが、資金化するタイミングが注文書ファクタリングの方が早いという違いがあります。

従来のファクタリングでは30~60日資金化を早められますが、「注文書ファクタリング」の場合は最大で180日資金化を早めることが可能です。

3.注文書ファクタリングのメリットとは

注文書ファクタリングのメリットは、以下の3つです。

①仕事が始まる前に資金化できる
②支払いサイトを最大6か月短縮できる
③売掛先への通知や承諾が不要

それぞれ詳しく説明します。

① 仕事が始まる前に資金化できる

前述のとおり、注文書ファクタリングは注文書・発注書・売掛先からのメールでの仕事の指示など、受注を確認できる資料があれば申し込めます。

仕事を始める前に資金調達ができるため、受注した案件に備えて資材を購入したり、下請け確保のための費用に充てたりするなど、様々な用途に資金を活用できます。

また、資金不足で諦めていた案件を受注できるようになるなど、売上増・取引先の拡大も実現できるでしょう。

②支払いサイトを最大6か月短縮できる

注文書ファクタリングは、半年先までの納品予定の注文書を買取るため、支払いサイトを最大6か月も短縮できます。

支払いサイトが長く資金繰りが悪化しやすい建設業などは、注文書ファクタリングを利用することで資金繰りを安定させることができます。

③売掛先への通知や承諾が不要

注文書ファクタリングは、「2者間契約」という方法で契約します。

利用者とファクタリング会社で契約するため、原則として売掛先への通知や承諾は必要なく、取引にも影響はありません。

「売掛先からの信用がなくなってしまうのでは…」と心配な場合でも安心です。

4. 注文書ファクタリングのデメリットとは

より早い段階で売掛金を資金化できる注文書ファクタリングは資金繰りに悩む中小企業・個人事業主にとってメリットの多いサービスですが、デメリットもあります。

ここでは注文書ファクタリングのデメリットについて解説します。

メリットだけでなくデメリットも把握したうえで自社に合ったサービスかどうか判断できるようにしましょう。

1.手数料が高くなる傾向がある

注文書ファクタリングは利用者とファクタリング会社の2者間で契約します。

2者間ファクタリングは、売掛先を含む3者間で契約する場合よりも売掛金の回収リスクが高くなるため、手数料も高くなる傾向があります。

さらに、一般的に売掛金の支払期日が長いほど手数料は高くなる傾向にありますが、注文書ファクタリングは請求書ファクタリングよりも売掛金が支払われるまでの期間(支払いサイト)が長いため、従来の請求書ファクタリングに比べると手数料が高くなる可能性があります。

利用する際は、必ず見積りを取り手数料や実際に調達できる金額を確認するようにしましょう。

2.注文書ファクタリングを提供している会社が少ない

近年ファクタリング会社は増加していますが、注文書ファクタリングはここ数年で提供されるようになった新しいサービスで、提供しているファクタリング会社は少なく、利用できる会社が限られているのが現状です。

また、事例が少なくファクタリング会社を選定する際の判断材料が少ないため、サービスを提供している会社へ実際に相談・見積りを取るなどして慎重に会社選びを行いましょう。

5.注文書ファクタリングの利用がおすすめなケース

注文書ファクタリングの利用がおすすめなケースは、「案件を受注した、もしくは受注したいのに着手金を準備できないケース」です。

注文書ファクタリングは、注文書を資金化し、受注時点で資金調達ができます。

そのため、受注時点で必要になる『人件費』『仕入れ費用』等の着手金として使うことができ、

・自己資金が足りない
・売掛先の支払いサイト(※)が長くて手元に資金がない
・銀行融資が下りるまでに時間がかかりすぎて案件開始までに着手金の用意が間に合わない

といった資金繰り状況を改善してくれます。