みずほファクターのファクタリングとは一体⁉
2024年2月3日
ファクタリングの利用は入金サイトの長さが原因で資金繰りが悪化している企業に最適です。
この記事では、みずほ銀行の子会社であるみずほファクターが提供するファクタリングについて解説します。
同社のファクタリングに関して詳細や特徴、メリット・デメリットなどを知りたい企業は必見です。
みずほファクターとは?
みずほファクターとみずほ銀行はグループ会社か?
この記事で紹介するみずほファクターとは、1977年に設立されたみずほ銀行の100%子会社です。
国内・国際ファクタリング業務や代金回収業務を行なっています。
そんな同社の資本金は10億円と、非常に規模の大きいファクタリング会社だといえるでしょう。
同社の詳細に関しては、下記の表をご覧ください。
名称 :みずほファクター株式会社
Mizuho Factors,Limited
設立 :1977年4月1日
資本金 :10億円(みずほ銀行100%)
業務内容 :国内・国際ファクタリング業務、代金回収業務
本社 :東京都千代田区丸の内1丁目6番2号新丸の内センタービルディング7階
みずほファクターのファクタリングとは?特徴を解説
「みずほファクターはファクタリング業務を展開しているのですね……。」
「銀行系のファクタリング会社ということで、詳細が気になります……。」
「ファクタリングサービスに関する特徴を教えてください……!」
同社のメイン業務の一つが、ファクタリングです。
みずほファクターのファクタリングを分けると
・国内ファクタリング
・国際ファクタリング
ここでは、どんな特徴のあるサービスなのか一つずつ解説していきます。
同社の利用を見当中の企業はぜひ参考にしてください。
みずほファクターの国内ファクタリング
国内ファクタリングとは、国内の取引で発生した売掛債権を利用するファクタリングのことをいいます。
みずほファクターの国内ファクタリングは、3種類に分けられます。
3種類の国内ファクタリング
・回収保証
・債権流動化
・みずほ電子債権決済サービス
ここでは上記3種類のファクタリングについて、それぞれ解説します。
サービスの特徴から利用するメリット、取引開始までの流れなどを解説するので、参考にしてください。
回収保証
みずほファクターの回収保証とは、売掛債権を回収できないリスクに備えるためのファクタリングです。
他の銀行系ファクタリング会社などでは、保証型ファクタリングと呼ばれることもあります。
そんな回収保証の中でもサービスが細分化されています。
3種類のサービス
・包括保証
・個別保証
・下請債権保全事業
一つ目の包括保証とは、複数社を包括的に保証するサービスです。
継続して取引のある販売先のみが対象となります。
保証極度額は一社ごとに設定され、全保証先の加重平均で保証率が決定します。
二つ目の個別保証とは、個別に保証されるサービスで与信管理が必要な取引先が対象となります。
なお売掛金、手形、電子記録債権など明細単位での保証も受けられます。
三つ目の下請債権保全事業とは、下請代金の債権が保証されるサービスです。
対象は下請建設事業者や資材業者となります。
このような特徴のある回収保証を利用するメリットは、以下の通りです。
回収保証を利用するメリット
・保証限度額内であれば売掛債権を100%保証してもらえる
・保証してほしい取引先を指定できるため、保証料が無駄にならない
・取引先にファクタリングを利用していることを知られずに済む
・与信管理を任せられる
このように、取引先に知られずに売掛債権の未回収リスクに備えられます。
また与信管理を任せられるのも回収保証を利用するメリットだといえるでしょう。
与信管理とは?
取引におけるリスクを抑制するために行います。
具体的には取引先の経営状況などから安心して取引できる企業なのか見分けることをいいます。
定期的に与信管理することで、取引額の限度を設定することができます。
そんな同サービス利用時の流れに関しては、下記をご覧ください。
利用時の流れ
・みずほファクターと契約し、正式に申し込む
・保証極度額の設定
・みずほファクターに保証料を支払う
・保証が開始される
債権流動化
みずほファクターの債権流動化とは、売掛債権を同社に売却し本来の入金日より先に売掛金を現金化できるサービスです。
多くの方がイメージする一般的なファクタリングだといえるでしょう。
利用する企業は手数料を支払うだけで、売掛金を早期回収できるというメリットがあります。
売掛金を早期回収することで資金繰りが安定するだけでなく、営業のために資金を回すことも可能です。
債権流動化を利用するメリット
・本来の入金日を待たずに現金を確保できる
・売掛債権をオフバランス化できる
・営業キャッシュフローを確保できる
入金サイトが長いことが原因で、資金繰りが悪化する企業は少なくありません。
資金ショートを起こしてしまっては、黒字倒産してしまうでしょう。
そのような事態に陥らないためにも入金サイトの長さに悩む企業は、ファクタリングを利用するべきなのです。
利用時の流れ
・みずほファクターに売掛債権を譲渡する
・みずほファクターから譲渡代金を受け取る
・取引先がみずほファクターに売掛金を支払う
みずほ電子債権決済サービス
みずほ電子債権決済サービスとは、電子記録債権を決済手段として利用するサービスです。
第三者に債権譲渡したり分割譲渡したりすることが可能です。
つまり売却すれば早期資金化できるようになります。
みずほファクターの国際ファクタリング
ここからはみずほファクターの国際ファクタリングについて解説します。
国際ファクタリングとは、貿易業務に携わる日本国内の企業が利用するサービスです。
日本国内の貿易会社が海外の企業に輸出する際に、売掛金を確実に回収するために利用されます。
似たような取引に「L/C(信用上)」と呼ばれるものがあります。
L/Cとファクタリングの違いとは?
両者の違いは売却なのか借り入れと信用保証であるかです。
ファクタリングは売却に該当します。
国際ファクタリングとは、海外バイヤーとの取引時に利用されるサービスです。
このサービスを利用することで、前述したように輸出代金の未回収リスクを未然に防げます。
国際ファクタリングを利用するメリット
・バイヤーの与信管理ができる
・事務を効率化かつ簡素化できる
・世界の金融機関が参加するネットワークを利用した輸出債権の回収をサポートしてもらえる
利用することで、上記のメリットを得られるでしょう。
みずほファクターのファクタリングをおすすめする企業の特徴
「利用をおすすめできる企業の特徴があれば教えてください……。」
みずほファクターのファクタリングは、全ての企業におすすめできるサービスではありません。
そこでどのような企業であれば利用をおすすめできるのか、特徴をお伝えします。
申し込みを検討中の企業は、下記で紹介する特徴に当てはまるかチェックしてみましょう。
みずほファクターのファクタリングをおすすめする企業の特徴
・売掛金が高額になる企業
・契約にスピードを求めていない企業
・厳しい審査でも通過する自信のある企業
・みずほグループの子会社という安心感を求める企業
売掛金が高額な企業
一つ目の特徴は、売掛金が高額な企業です。
先ほどお伝えしたように、一社あたりの売掛金が200万円以上か否かという点が一つの分岐点となるでしょう。
売掛金が200万円以下の企業は、民間ファクタリング会社に申し込んだ方が素早く対応してもらえるなどメリットがあるはずです。
契約にスピードを求めない企業
二つ目の特徴は、契約にスピードを求めない企業です。
この記事の冒頭の方でもお伝えしたように、みずほファクターのファクタリングは審査だけで1週間程度の時間がかかります。
民間ファクタリング会社と比較すると、審査スピードが早いとは到底いえません。
そのため資金調達や審査結果の伝達を急がない企業に限って、利用をおすすめできます。
厳しい審査に通過する自信のある企業
三つ目の特徴は、厳しい審査に通過する自信のある企業です。
何度かお伝えしたように、銀行系ファクタリング会社は全体的に審査難易度が高くなっています。
自社の資金繰りがうまくいっていなかったり、税金滞納などを抱えていたりする企業は、審査に挑戦しても通過する可能性が限りなく低いはずです。
民間ファクタリング会社であれば自社の状況がどうであれ、取引先の信用力が高ければ審査に通過する可能性が高いでしょう。
そのため審査に通過する自信がない企業は、銀行系ファクタリング会社ではなく、民間ファクタリング会社に申し込むべきです。
みずほグループの安心感が欲しい企業
四つ目の特徴は、みずほグループという安心感が欲しい企業です。
社名を聞いたことがないファクタリング会社を利用するより、メガバンクの子会社である同社を利用する方が、安心でしょう。
資金繰りが順調で審査に通過する自信がある企業には、同社の利用がおすすめです。
みずほファクターのファクタリング利用時の手数料とは?
結論からお伝えすると、みずほファクターは公式ホームページで手数料を公開していません。
そのため、問い合わせでもすぐに手数料がどのくらいになるのか教えてもらえる可能性は低いでしょう。
しかし厳格な審査が行われることを考えると、利用時の条件などによって一社ずつ的確な手数料を示しているはずです。
みずほファクターのファクタリングのスピードとは?
みずほファクターのファクタリング審査にかかる日数は、1週間程度だといわれています。
しかし利用条件によっても審査スピードが異なるでしょう。
民間ファクタリング会社と比較すると、審査に時間がかかります。
そのため急いで資金調達したい企業には不向きでしょう。
とはいえ、申し込む企業と売掛先のどちらもみずほ銀行と取引があれば、もう少し早く審査結果が出るかもしれません。
具体的な審査スピードなどは公開されていないため、概ね1週間程度と捉えておきましょう。
みずファクターのファクタリング利用時に必要な書類とは?
「審査に1週間程度かかるだろうと捉えておくことが重要なのですね……。」
「そんなみずほファクターのファクタリング利用時にはどんな書類が必要になりますか……?」
「今から準備できる書類があれば教えてください……。」
残念ながら同社の公式ホームページには必要書類が記載されていません。
そこでファクタリング利用時に一般的に必要となる書類をお伝えします。
中には準備に時間のかかる書類もあるため、申し込み前に必要書類を揃えておきましょう。
必要書類が揃った上で申し込めば、すぐに審査に移行してもらえるかもしれません。
必要書類
・印鑑証明書
・登記簿謄本
・取引先との契約書
・確定申告書
・入金履歴が数ヶ月分わかる通帳
確定申告書に関しては1期分だけでなく、最低でも2期分必要となることが多いようです。
上記以外の書類も提出を求められる可能性があります。
企業の決算などに関する書類を一箇所にまとめておくなど、事前に準備しておきましょう。
みずほファクターのファクタリング利用時の流れとは?
「一般的にどのような書類が必要になるのかわかりました……!」
「2期分の確定申告書類などを準備しておこうと思います……。」
「申し込みたい際は、電話などで問い合わせればいいのでしょうか……?」
みずほファクターのファクタリングを利用したい企業は、まずは電話で問い合わせましょう。
その後、正式に申し込みや契約を経て入金となります。
簡易的に利用時の流れを示すと、以下のようになるでしょう。
利用時の流れ
・みずほファクターに電話で問い合わせる
・利用したいサービスに正式に申し込む
・契約を締結する
・入金される
電話で問い合わせる
公式ホームページに記載されている電話番号に問い合わせましょう。
営業時間は平日9時から17時までです。
土日や祝日は営業していない点に注意しましょう。
利用したいファクタリングサービスに関して問い合わせれば、サービス内容などを説明してもらえるはずです。
正式に申し込む
担当者に話を聞いた上で、正式に申し込みます。
その際、先ほどお伝えした必要書類の提出を求められるでしょう。
利用するサービスや条件のよっては、上記でお伝えしていない書類に関しても提出を求められる可能性があります。
契約を締結する
担当者から審査に通過したと連絡が入ったら、契約を締結します。
その際、書類にはきちんと目を通して納得した上で、契約に進んでください。
入金される
契約を締結したら、みずほファクターから入金があるはずです。
基本的には契約締結後、すぐに入金対応してくれるでしょう。
みずほファクターのファクタリングを利用するメリットとは?
「みずほファクターのファクタリングがどんな特徴のあるサービスかわかりました……。」
「まだ申し込みしようか迷っています……。」
「そこで利用するメリットについて教えてください……!」
ここからは同社のファクタリングを利用するメリットについてお伝えします。
利用を迷っている企業は、下記でお伝えするメリットを参考にしてください。
みずほファクターのファクタリングを利用するメリット
・みずほグループという安心感や信用力があるので安全
・取引額が高額な企業が利用しやすい
・ファクタリングサービスの種類が豊富
みずほグループの安心感や信用力がある
一つ目のメリットは、みずほグループという安心感や信用力があることです。
みずほ銀行といえば、国内の誰もが知るメガバンクです。
そんなみずほ銀行の100%子会社ということで、安心して利用できるのではないでしょうか?
最近は少なくなっていますが、中には悪徳なファクタリング会社も存在します。
ファクタリングを初めて利用する企業が悪徳会社なのか優良会社なのか判断するのは、至難の業でしょう。
同社であれば、そのような心配をする必要は皆無で、安心して利用できます。
高額のファクタリングに対応している
二つ目のメリットは、高額のファクタリングに対応しているということです。
数多くのファクタリング会社がある中で、高額取引を得意とする会社はそう多くありません。
つまり売掛金が高額な企業ほど、同社のサービスを利用しやすいといえるでしょう。
サービスの種類が豊富
三つ目のメリットは、サービスの種類が豊富なことです。
ファクタリングだけで4種類の取引を選択できます。
選択肢が多いということは、それだけ自社に最適な手段を選択できるということです。
なお一度同社のファクタリングを利用すれば、他の取引に切り替えたいときもスムーズに契約できるかもしれません。
みずほファクターのファクタリングを利用するデメリットとは?
「確かにみずほ銀行の子会社だということで大きな安心感を得られますね……。」
「しかし、デメリットもあるのでしょうか……?」
「契約前に知っておくべきデメリットがあれば、ぜひ教えてください……。」
同社のファクタリングを利用するメリットだけでなく、デメリットについても把握しておくことが大切です。
ここでは4つのデメリットをお伝えするので、必ず目を通してください。
みずほファクターのファクタリングを利用するデメリット
・審査通過の難易度が高い
・すぐに資金調達したい企業には不向き
・公式ホームページに手数料が記載されていない
・取引額が少額な企業は利用できない
審査の難易度が高い
一つ目のデメリットは、審査の難易度が高いことです。
これはみずほファクターに限ったことではありませんが、銀行系ファクタリング会社利用時のデメリットとして、全体的に審査難易度が高くなっています。
厳重に審査している分、信用力の高い企業しか利用できないでしょう。
資金調達を急いでいる場合には不向き
二つ目のデメリットは、資金調達を急いでいる企業には不向きだということです。
民間ファクタリング会社であれば申し込んだその日中に審査結果がわかり、入金対応までしてくれることも少なくありません。
しかし同社を始め銀行系ファクタリング会社は、審査だけで1週間程度の時間がかかります。
そのためスピード対応を求めるのであれば、民間ファクタリング会社に申し込んだ方がいいでしょう。
なお銀行系ファクタリング会社は、提出書類も多くなります。
つまり、書類の準備に時間がかかりそうな企業にも不向きです。
手数料がどのくらいになるのか分かりづらい
三つ目のデメリットは、手数料がどのくらいになるのか分かりづらいということです。
民間ファクタリング会社の多くは、公式ホームページに手数料を細かく記載していることがほとんどです。
中には、売掛債権の金額や取引種別によって大まかな手数料がわかるシミュレーションを公開している会社もあります。
その点銀行系ファクタリング会社は、公式ホームページに手数料が公開されていないことが多く、シミュレーションしにくい点がデメリットだといえるでしょう。
少額の売掛債権には対応していない
四つ目のデメリットは、少額の売掛債権には対応していないということです。
先ほどメリットでお伝えしたように、高額の売掛債権を抱える企業には使いやすいでしょう。
しかし小規模法人など、一社あたりの売掛金が200万円以下の企業は同社の利用に適していません。
ファクタリングにはみずほファクターを利用しよう
この記事ではみずほファクターのファクタリングについて解説してきました。
みずほファクターはみずほ銀行の100%子会社で、国内・海外問わずにファクタリングサービスを展開しています。
国内ファクタリングだけでもサービスが3種類に分かれているため、自社に最適な取引を見つけやすいでしょう。
審査結果が分かるまでに1週間かかるなど入金スピードには優れていませんが、安全性には優れています。
なお1社あたり200万円以上など、取引額が高額な企業は同社のファクタリングを利用しやすいでしょう。
しかし審査の難易度が高いため、取引先の信用力が低かったり、自社の状況が著しくなかったりする企業には不向きです。
そのような場合は、民間ファクタリング会社を利用しましょう。
税金滞納などがあっても、取引先の信用力が高ければ審査に通過する可能性があります。