ファクタリング会社の審査が緩いって本当?審査通過のコツも解説

2023年9月29日

事業の発足、継続、発展、すべてにおいて資金調達は必要不可欠です。

資金調達にはさまざまな方法がありますが、比較的審査が緩いといわれているのが「ファクタリング」です。

審査が緩いとはいえ、利用するためにはいくつかの審査基準が設けられており、中には審査に落ちてしまう方もいらっしゃいます。

そこで今回は、審査が緩いファクタリング会社の特徴と、審査に通過するために覚えておきたいポイントについて解説します。ぜひ参考にしてみてください。

「ファクタリングは審査が緩い」といわれる理由

ファクタリングは融資やローンと異なり、「売掛金を買い取るサービス」です。

審査対象は利用者ではなく売掛先なので、たとえ利用者の経営状況があまり良くなくても売掛先の経営が安定していれば審査に通りやすくなります。

この点から「ファクタリングは審査が緩い」といわれているのです。

融資やローンは長い年月をかけて少しずつ回収するものですが、ファクタリングは長くても数か月単位の短い契約が締結されます。

そのため、長期間にわたって未回収リスクを追いかける必要性がないことも、審査が比較的緩いといわれる理由のひとつです。

審査が緩いファクタリング会社によく見られる9の特徴

融資やローンと比べて資金調達がしやすいファクタリングですが、「資金化したい」という方を誰でも受け入れているわけではありません。

ファクタリング会社によっては厳しい審査基準を設けている場合があり、審査に落ちてしまうこともあります。

このような中でも、審査基準が比較的緩いファクタリング会社に申し込めば、資金調達ができる可能性があります。

では、審査が緩いファクタリング会社にはどのような特徴があるのでしょうか。

必要書類が比較的少ない

ファクタリングでは、売掛金が回収できないリスクを避けるために厳しい審査が行われます。

売掛先の経営状況や財務状況、利用者が信頼できる企業かどうかなど、さまざまな観点で審査を行います

それに伴い必要な書類の数が多くなるので、書類の数でも審査の厳しさを把握することができるでしょう。

必要書類が少ない場合はそれだけ審査項目が少ないということなので、比較的緩い審査になるといえます。

即日の資金化に対応している

「即日入金が可能」など、資金化までのスピードが早いファクタリング会社も審査が緩い傾向があります。

申し込みから資金化までの間で一番時間がかかるのが「審査」です。

通常は売掛先の信用情報や財務状況を調査するためにさまざまな機関と連携しながら審査を進めていくので、審査にはかなりの時間を要します。

即日入金が可能な会社では、時間がかかる審査を省くことで資金化までの時間を短くしていることから、その分審査基準も緩めに設定されていると考えられます。

複数のプランを用意している

さまざまなプランを用意しているファクタリング会社は、審査が緩い傾向があります。

例えば、材料費や人件費などで多額の金銭が必要になりやすい建設業に向けたプランでは売掛金の上限を設けていなかったり、経営規模が小さい個人事業主に向けたプランでは売掛金の下限が低額に設定されていたりと、条件を考慮して契約できるようになっています。

審査の窓口が広い分、業界の事情を考慮した審査をしてくれるので、他社の審査に落ちてしまった場合でも契約に進めるかもしれません。

個人事業主・フリーランスも利用できる

個人事業主やフリーランスでも利用できるファクタリング会社は、審査基準が緩く設定されている傾向があります。

個人事業主やフリーランスは法人のように債権譲渡登記が設定できないことや、優良な売掛先を保有している可能性が低いことなどから、法人よりも未回収のリスクが高くなる傾向にあるので、取り扱っている会社が少ないのが現状です。

そのため、未回収リスクを背負ってでも個人事業主やフリーランスの売掛金を買い取ってくれるファクタリング会社は、審査基準が緩く設定されているといえるでしょう。

サービスを開始してまだ日が浅い

どの業界や業種でも、初めから完璧なサービスを提供するのは不可能です。

サービスを開始してから利用者の声を回収したり、運用して分かったノウハウを蓄積したりして順番に改善することで、より良いサービスを作り上げます。

サービスを開始したばかりのファクタリング会社は審査基準が明確になっていない可能性があり、長年ファクタリングに携わっている会社と比較すると審査基準が緩く設定されている場合があります。

申込企業に債権譲渡登記を求めている

債権譲渡登記とは、債権が譲渡されたことを公的に証明できるようにすることです。

一般的な2者間ファクタリングではこの手続きを省くことが多いのですが、あえて債権譲渡登記を求めることで二重譲渡などにより売掛金が未回収になるリスクを減らし、審査を緩く設定しているファクタリング会社もあります。

オンラインに対応している

ファクタリング会社によっては、申し込みから入金まで完全にオンライン完結で対応しています。

AIによる審査を導入している会社も増えており、一定の基準に達していれば審査に通過するので、人の手によって行われる審査よりも通過率が高い傾向があるのです。

他社の審査に落ちてしまったとしても、AIの審査基準を満たす書類を用意できれば資金調達ができる可能性があります。

審査通過率や買取実績を公開している

審査通過率が高い場合や買取実績が多い場合は、柔軟な審査に対応している可能性が高いといえるでしょう。

スタッフによる審査が行われる

先ほど、AIの審査基準を満たせば審査に通りやすくなるとお伝えしましたが、「売掛先との契約書がない」「AIの審査に必要な項目が載っている資料が見つからない」など、さまざまな事情で審査の申し込みができないケースもあります。

そんな場合には、スタッフによる審査が行われているファクタリング会社を検討しましょう。スタッフに直接事情を説明したり代用できる書類を提出したりすることで、柔軟な審査をしてくれる場合があります。

緩いのに審査落ち!考えられる5つの原因とは

ファクタリングは審査が比較的緩いとお伝えしてきましたが、100%審査に通るとは限りません。

書類不足や金額不足など利用者側の問題だけではなく、売掛先に問題がある場合でも審査に落ちてしまうことがあります。

ここでは審査に落ちてしまう原因として考えられるものを5つご紹介します。

もし審査に落ちてしまった方は、以下の問題がないかどうかを見直してみましょう。

売掛金の支払期日が遠い

売掛金の支払期日が遠ければ遠いほど不測の事態が発生する確率も高くなるため、ファクタリング会社の未回収リスクが高くなります。

また、「売掛金の支払期日を遠くに設定している会社は、資金繰りを改善するために資金を別の用途に使っている」というケースもあり、売掛金の支払期日が遠い場合は審査に通らない可能性があるのです。

反対に、支払期日が短いと審査に通りやすくなります。

審査に必要な書類が不足している

審査時に必要な書類はファクタリング会社によって多少異なりますが、必要書類が不足していて審査に落ちるのは当然の結果です。

利用者がどれだけ信用できるかどうかは、経営実績だけでなく申し込み時のやりとりからも判断されます。

契約したいのであれば最低限の必要書類は準備しておかなければいけません。

売掛先の信用力が足りない

自社の経営状況に問題がなくても、売掛先によっては審査に落ちてしまうことがあります。

売掛先から利用者に売掛金が入金されないと、ファクタリング会社は資金の回収ができません。

そのため、売掛先の経営状況から売掛金が滞りなく入金されるかどうかを確認しています。

売掛先の経営状況が悪化していて支払いにリスクが発生しそうな場合や、法人と比較して信用調査が難しい個人事業主が売掛先になっている場合は、審査に通らない可能性があります。

二重譲渡の可能性がある

複数のファクタリング会社に同じ売掛金を買い取ってもらうことを「二重譲渡」といいます。

ファクタリング会社が二重譲渡の売掛金を買い取ってしまった場合、売掛金を回収できず負債を負ってしまう可能性が非常に高くなります。

そのため、信頼できる売掛金であることを証明できなければ、審査に通るのは困難です。

なお、そもそも二重譲渡は刑事罰の対象になる違法行為ですので、絶対に手を出さないようにしましょう。

売掛金の額が少ない

ファクタリング会社では、買い取れる売掛金の額に下限を設けているケースがあります。

また、法人しか対応していないファクタリング会社では、そもそも少額の資金調達を受け付けていないことがあります。

そのため、申請した金額が買取可能金額を下回っている場合は、審査に落ちてしまいます。

もしも少額の資金調達をしたい場合は、法人よりも売掛金の額が少ない傾向にある個人事業主やフリーランスでも利用できるファクタリング会社の審査を受けることをおすすめします。

ファクタリングの審査に通過するために押さえておきたいこと

審査に通過するためには、先ほどお伝えした審査に落ちてしまう原因を全てクリアしておかなければいけません。ここからは審査通過のためのポイントについてご紹介します。

支払期日までの期間が短い売掛金を選ぶ

売掛金を買い取ってから回収するまでの間、ファクタリング会社は売掛金が未回収になるリスクを負っていることになります。

支払いまでの期日が長いほど売掛先の倒産や経営悪化などが発生する可能性が高くなり、売掛金が回収できないリスクが高まってしまうのです。

支払期日が短い売掛金を選択することで、ファクタリング会社の未回収リスクを下げることができるので、審査に通りやすくなります。

3者間ファクタリングを利用する

3者間ファクタリングとは、ファクタリング会社と利用者の他に売掛先も加わって資金調達を行う方法のことです。

利用者とファクタリング会社のみで行われる2者間ファクタリングでは、資金調達の事実を売掛先に伝える必要がありませんが、3者間ファクタリングでは資金調達の前に売掛先の承認が必要なので、信頼を得やすく審査に通過しやすくなります。

信用力の高い売掛先を選ぶ

審査に通過するために一番大切なことは、信用力が高い売掛先を選ぶことと言っても過言ではありません。

信用力の高さとは、経営状況に問題がなく長期間の取引実績があり、支払いの遅延やトラブルなどがないことが挙げられます。

さらに、金融機関や公的機関との取引実績があると、より信用できる売掛先として判断されやすくなります。

売掛先の信用力が高ければ高いほど、ファクタリング会社の売掛金の未回収リスクが低くなるので、審査通過率が高くなります。

実績が豊富なファクタリング会社を利用する

実績が豊富なファクタリング会社はさまざまな案件を手がけた経験があることから、審査も柔軟に対応してくれる可能性があります。

実際に、他社の審査に落ちてしまった場合でも実績が豊富な会社に依頼することで審査に通過したケースも少なくありません。

資金が必要なのになかなか審査に通らない場合は、実績が豊富なファクタリング会社に相談してみましょう。

自社の情報を偽りなく伝える

ファクタリングに限らず、取引には相手からの信用を獲得することが重要です。

とくに金銭が絡む契約では、正しい会社情報や身分証明が必要不可欠といえるでしょう。

審査に通過するために自社をより良く見せようと偽りの情報を伝えてしまうと、信用を失ってしまい審査にも落ちてしまいます。そのため、自社の情報は正確に伝えるようにしましょう。

審査が緩いファクタリング会社の利用にはリスクもある

いくつもの審査に落ちてしまった経験があると、審査に通過できたとき勢いで契約まで進みたくなってしまうでしょう。

しかし、審査が緩いファクタリング会社を利用することには少なからずリスクが伴い、最悪の場合は悪徳業者に引っかかってしまう可能性もあります。

ここでは審査が緩いファクタリング会社を利用することで発生するリスクについてご紹介します。

悪徳業者を見分けるための注意点も記載しているので、ファクタリングの利用を検討している方や何度も審査に落ちてしまっている方はぜひチェックしてください。

売掛先にファクタリングの利用を知られる

審査が緩いファクタリング会社では、確実に売掛金を回収するために3者間ファクタリングを提供している傾向があります。

3者間ファクタリングでは売掛先の承認が必要なので、ファクタリングの利用が知られてしまいます。

つまり、資金繰りに困っているという事実を伝えることになるので、場合によっては今後の取引に影響が出る可能性があることを覚えておきましょう。

手数料が比較的高い

審査通過率が高い代わりに、通常よりも高い手数料を設定しているファクタリング会社も存在します。

審査基準が緩いと売掛金の未回収リスクが高くなり、できるだけリスクを抑えるための手段として手数料を高く設定せざるを得ないのです。

審査に通過できたものの、手数料が高額だと手元に残る資金が少なくなってしまいます。

そのため、ファクタリング会社を選ぶ際は、審査通過率だけでなく手数料も含めてしっかり比較するのがおすすめです。

悪質なファクタリング会社の可能性がある

審査の緩さを売りにして利用者を誘い、契約後に法外な手数料を請求する悪徳業者も存在します。

悪徳業者との取引で多いのは、一般的なファクタリングでは行わない「償還請求権付きの契約」を行うことです。

償還請求権とは貸金業に適用できる権利で、売掛先が倒産して売掛金が回収できなくなった場合、利用者に売掛金の支払いを請求できる権利のことです。ファクタリングは貸金業ではないので、そもそも償還請求権は必要ありません。

もしも「償還請求権を付ける」という旨の発言や契約書への記載があった場合は、悪徳業者の可能性が高いので契約しないように注意しましょう。

まとめ

融資やローンに比べて審査が緩い傾向にあるファクタリングですが、売掛先の経営状況や利用者の信用度などが要因で審査に落ちてしまうことがあります。

審査通過率が高く実績が豊富なファクタリング会社を利用することで、審査に通過できて資金調達が叶う可能性が高まりますが、悪徳業者が紛れ込んでいる可能性もあるので注意しなければいけません。

ファクタリングを検討している方は、今回ご紹介したポイントを押さえて、積極的に活用してみてはいかがでしょうか。