資金調達方法の1つとして知られるファクタリングは、売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらうことで現金化します。

ファクタリングを利用すれば、売掛金の支払い期日よりも早く資金を調達できるため、手元の資金が少なくなり悪化したキャッシュフローを改善する方法としても知られています。

しかし、「ファクタリング会社が設定する最低利用額が高すぎて申し込みできない」と悩む中小企業経営者や個人事業主の方も多いのではないでしょうか？

そこでこの記事では、ファクタリングを利用したことがない個人事業主でも、安心して利用できるように徹底解説をしていきますので、是非最後までご覧ください。

少額の売掛債権でもファクタリングは利用できる

「50万円以上の売掛債権が無いと利用できない…。」
「数万円の少額債権ではファクタリングを利用できない？」

個人事業主やフリーランスの数が多くなった昨今において、少額の売掛債権をファクタリングしたいというニーズはますます強くなっています。

しかし、大手ファクタリング会社などは「最低利用金額」を50万円や100万円のような額に設定しているため、数万円程度の売掛債権ではファクタリングを利用できないと考えている方も多いはず。

結論をお話すると、ファクタリング会社によっては少額の売掛債権でも利用可能です。

平均利用額は？

そもそも、ファクタリングを利用する人たちはどのくらいの売掛債権を買い取ってもらうのでしょうか？

ファクタリングの平均利用額は「247.5万円」で、約250万円が平均額として算出されています。

上記の表のように、「100万円以上 200万円以下」が33％を占めており、全体の割合で見れば300万円以下が約7割を占めている状態になっています。

ですが、当記事をご覧になっている方の多くは「そんなに高額の売掛債権は持っていない」という人が大半だと思います。

もちろん企業間の取引であれば250万円の売掛債権を持っていることは自然ですが、フリーランスや個人事業主で100万円以上の売掛債権を保有しているケースは少ないでしょう。

そういった方でもファクタリング会社によっては少額でも利用できるので問題ありません。

少額債権が歓迎されない理由

ここでは少額のファクタリングがあまり歓迎されない理由について解説します。

手間の割に利益が出しにくい

一度のファクタリング利用額が100万円や200万円のような規模であれば、利用手数料を低く設定しても、ファクタリング会社はまとまった利益を得ることができます。

一方、少額ファクタリングの場合、ファクタリング会社が行う仕事量は変わらないにも関わらず、少ない利益しか出ません。

ファクタリング会社にとって、手間と利益のバランスを考えれば少額ファクタリングは敬遠したくなるのも仕方がないことです。

売掛先の信用力に疑いが生じる

ファクタリング審査において最も重要なのが「売掛先の信用力」です。

なぜなら、売掛先の経営成績が悪く倒産寸前だと、売掛債権の回収リスクが高まってしまうからです。

「売掛債権の回収ができない」という状況ができるだけ発生しないように、ファクタリング会社は売掛先の信用力を重要視します。

少額債券ファクタリングの場合、「少額の売掛債権＝売掛先の規模が小さい＝信用力が低い」と考えることができるため、ファクタリング会社はあまり少額債券の利用を好みません。

もちろん、少額の売掛債権を発行する企業だからといって、信用力が低いとはなりませんが、回収不能のリスクを避けたいファクタリング会社にとっては自然な考え方と言えます。

少額でも即日利用できる会社は増えている

先述の通り、最近では少額（小口）でも即日利用できるファクタリング会社はあります。

法人向けであれば、最低利用額を10万円～30万円程度に設定をする業者が増えています。

また、個人事業主やフリーランスを対象としたファクタリング会社も増えており、1万円から利用できる業者も存在します。

少額ファクタリングを利用できる業者が増えた理由の一つが、経営基盤が安定しない中小企業や個人事業主が増加したことにあります。

売上が立っているにも関わらず、入金日が数ヶ月先に設定されてしまい、運転資金が回らず黒字倒産する中小企業などが増えたことで、「少額の売掛債権をファクタリングで即日現金化したい」というニーズが強まりました。

また、インターネット環境やAIの発達によって、オンライン上で申込みから審査、入金までを行える環境が整ったことも大きいと考えられます。

オンライン完結でファクタリング利用を提供することで、店舗費用や人件費などのコストを削減できるため、少額の売掛債権であっても利益を出せるようになりました。

このように、少額ファクタリングのニーズ増加に加え、オンライン完結でサービス提供できる環境が整ったことで、少額ファクタリングを受け入れる業者が増えています。

少額買取できるファクタリング会社の特徴

ここでは少額買取できるファクタリング会社の特徴について紹介をします。

個人事業主・フリーランスが利用できる

1つ目の特徴は「個人事業主・フリーランスが利用できる」点です。

個人事業主やフリーランスの場合、一度の取引で発生する売掛金が30万円以下になることは珍しくありません。

個人事業主・フリーランスの利用を受け入れているファクタリング会社は、少額の売掛債権が申し込まれることを想定しています。

そのため、法人限定のファクタリング会社と比較すると、最低利用額が低く設定されているケースが多いです。

利用できる下限額が低い

少額の売掛債権をファクタリングしてもらいたいなら、利用できる下限額が低く設定されている業者を選びましょう。

ファクタリング会社の中には、利用額を明記している業者があります。
明記された最低利用額が低ければ、少額のファクタリングでも受け入れてくれる可能性が高くなるでしょう。

最近では、1万円から利用できるファクタリング会社も登場しています。

最低利用金額が1万円なら、ほとんどの個人事業主やフリーランスが利用できます。

少額の場合の手数料上限も明記されている

少額利用を検討するなら、「手数料の上限が明記されている」業者を選んでください。

ファクタリング会社を利用する際に注意しなければいけないのが「手数料の高さ」です。

通常の銀行融資などと比較すると、ファクタリングの手数料は割高な設定となっています。

銀行融資であれば1~4%程度の手数料ですが、少額のファクタリングを利用する場合は10％以上の手数料を取られる可能性が高いです。

利用手数料の上限があらかじめ明記されているファクタリング会社を選べば、安心して少額債券の申し込みが出来ます。

反対に、記載がないファクタリング会社は手数料が非常に高くなり、たとえ少額債券を即日現金化できても、手元に残る金額が大きく減少する危険性があります。

明記されているファクタリング会社では懸念を無くすことができますし、いくつかの候補から手数料の低さで選ぶことも可能です。

来店不要・オンライン完結の会社

「来店不要・オンライン完結」の業者であれば、少額ファクタリング出来る可能性が高いです。

なぜなら、オンライン完結の業者は店舗費用や人件費などのコストが少ないため、少額の売掛債権でも一定の利益を出すことができるからです。

「この業者は少ない売掛債権でも買い取ってくれるかな？」と不安に感じた場合は、オンライン完結で利用できるかチェックしてみてください。

「債権譲渡登記」が不要

「債権譲渡登記が不要」と明記している業者であれば、少額ファクタリングも受け入れてくれるでしょう。

「債権譲渡登記」とは、お金を受け取る権利が他の人に移動した事実を証明するために行う登記のこと。

債権譲渡登記を行うには司法書士への依頼が必要で、10万円程度の追加費用が発生します。

少額の売掛債権をファクタリングする際に債権譲渡登記を行ってしまうと、結果的に手元に残る金額は大きく減ります。

つまり、債権譲渡登記を必要とするファクタリング会社は、そもそも少額ファクタリングを想定していないと考えることができます。

少額の売掛債権を買い取ってもらいたいなら、債権譲渡登記の必要がないファクタリング会社を選びましょう。

ファクタリングで即日資金調達するコツ

ここからは、少額の売掛債権を買い取ってもらう際に使えるコツについて詳しく解説をしていきます。

信用力の高い売掛債権を利用する

少額のファクタリングを成功させるには「信用力の高い売掛債権を利用する」のがおすすめです。

ファクタリング会社が審査をする際の項目で最も重要になるのが「売掛先の経営実績＝信用力」です。

売掛先が「期日通りにしっかり支払いを行える企業か」という点を重視するため、信用に値する企業の売掛債権を準備する必要があります。

言い換えれば、少額債券でも信用力が高い企業が発行したものであれば審査に通過できる可能性は確実にUPします。

複数の売掛債権を合算して利用する

「複数の売掛債権を合算して利用する」という方法もおすすめです。

一つの売掛金額は少なくても、それぞれを合算すれば少額ではなくなります。

合算した金額が平均利用額の約250万円ほどになれば、少額債券をあまり歓迎しない大手ファクタリング会社でも審査に通過できる可能性は高くなります。

同じファクタリング会社を何度も利用する

「同じファクタリング会社を何度も利用する」ことも少額でファクタリングを利用する際におすすめの方法です。

何度も利用をすることで利用者に対する信用力がUPし、少額でも受け入れてくれる可能性が高まります。

また「手数料の引き下げ」を行ってくれる可能性も高くなります。

ただし、1回目の利用で満足いかない点があるようなら、別のファクタリング会社を検討することも大切です。

事前に必要書類などの提出準備しておく

少額利用したいなら「事前に必要書類などを準備しておく」ことをおすすめします。

ファクタリング会社は売掛先の信用力以外に、申込者本人の信用力・態度なども審査対象とします。

そのため、必要書類に不備などがあると印象が悪くなり、審査で落とされる危険性が高まります。

あまり好まれない「少額のファクタリング」を申し込むのであれば、事前に必要書類などを準備しておいて、できるだけ好印象を与える努力が少額でも即日の資金調達を成功に導くでしょう。

複数のファクタリング会社に相見積もりする

即日でのファクタリングを成功させたい場合は、少額でも複数のファクタリング会社に見積もり依頼を出してもらいましょう。

特に少額の場合、他の条件との兼ね合いで買取を断られてしまう可能性も捨てきれません。確実に即日調達を成功させるためにも複数社への見積もりを依頼するのがおすすめです。

まとめ

本記事では2023年版の、少額でも利用できるファクタリング会社について解説をしました。

「即日入金されて少額使用できるおすすめファクタリング会社を知りたい」
「少額だが売掛債権の支払期日までの資金繰りが難しくなった」

このようなファクタリングや資金繰りに関する悩みは解消できたでしょうか。中には「審査なしですぐに利用したい」といった方もいるかもしれませんが、審査なしのファクタリングは現状ありません。

ファクタリング会社を選ぶ際は個人でも利用できるか、手数料の低さや審査の通過率、債権譲渡登記が不要か、何円からの少額債権を買取できるか、何日で現金化できるかなど、チェックすべき項目は沢山あります。

少額の売掛債権をファクタリングしたい個人・中小企業経営者の方は、是非今回紹介した内容を参考にしてみてください！