期日現金って何?期日現金の売掛債権はファクタリングを活用しよう!

2023年11月14日

これから起業する方もすでに複数の取引先と売買を行っている方も、「期日現金」の意味を正しく理解することはとても重要です。

そこで今回は、期日現金の概要から特徴、メリット、適用されないケースまで詳しくご紹介します。

あわせて、期日現金の売掛債権を資金化できる「ファクタリング」についても解説しているので、経営者の方はぜひご覧ください。

期日現金とは?

期日現金とは、売掛金の支払いなどにおいて、決められた期日に代金を現金で支払う(銀行振込する)ことです。

また期日現金の場合、支払いサイトが締め日から90日、120日と長めに設けられていることが多いため、通常よりも支払期日を後ろにして取引することを指す場合もあります。
(※この記事では、後者の意味での期日現金についてご説明します)

期日現金には、以下2つの特徴があります。

期日現金の特徴:手形決済より支払いの優先順位が低い

手形決済とは、決められた期日に代金を支払うと約束した決済のことです。

支払企業は決済できないと不渡りになるため、支払期日にはほぼ確実に代金が支払われます。

これに対し、期日現金は支払わなくても不渡りになるほどのデメリットがないため、支払企業にとっては手形決済よりも支払いの優先順位が低く、支払期日に確実に支払われるとは言い切れません。

また、手形が振り出されているわけではないため、手形割引を利用して早期資金化を図ることも不可能です。

期日現金の特徴:支払いサイトが長い

売掛債権による一般的な取引では、月末締め・翌月未払い(30日サイト)または月末締め・翌々月末払い(60日サイト)で支払いが行われます。

これに対し期日現金による取引では、締め日から60日以上後に支払期日が設定される傾向があります。

そのため、売掛債権による一般的な取引よりも支払いサイトが長いのが特徴です。

期日現金を行うメリット

期日現金は上述のとおり、通常よりも支払期日を後ろにして取引することです。

これは「支払いサイトが長い売掛債権」と言い換えることもでき、このケースにおいて受取企業にメリットはほとんどありません。

ただし、支払企業にはいくつかメリットがあります。

支払企業側のメリット1:手形決済にかかるコストを削減できる

期日現金は、取引先企業に「支払期日を後にしてほしい」と伝え、承諾を得られれば成立します。

約束手形を発行する必要がないため、手形決済の場合に発生する発行手数料や印紙税を削減することが可能です。

また、約束手形の発行に伴う事務手続きの負担もなくなるでしょう。

支払企業側のメリット2:支払いサイトを長くして資金繰りを改善できる

繰り返しになりますが、期日現金の場合、売掛債権による一般的な取引よりも支払いサイトが長くなります。

このケースにおいて支払企業は、手元に資金を長く残せると同時に支払代金を準備しやすくなるため、資金繰りの改善を図りやすくなります。

期日現金が適用されない「下請代金支払遅延等防止法」適用ケース

期日現金によって支払期日を後ろにすることで、支払企業は「資金繰りを改善しやすくなる」「手形決済にかかるコストを削減できる」などのメリットを得ることができます。

しかし、全ての取引で期日現金を適用できるかというと、そうとは限りません。

たとえば、以下に該当する取引には「下請代金支払遅延等防止法」が適用されます。

・「資本金が1,000万円~3億円以下の親事業者」と「資本金が1,000万円以下の下請事業者」による取引
・「資本金が3億円超の親事業者」と「資本金が3億円以下の下請事業者」による取引

下請代金支払遅延等防止法とは、親事業者による不公正な取引を規制し、下請事業者の利益を保護するための法律です。

簡単にいうと、「商品・サービスが提供されてから60日以内に代金を支払わなければいけない」と定められています。
この規定により、先ほどお伝えした取引に該当する場合、支払企業は期日現金を選択できなくなるため、あらかじめ理解しておくようにしましょう。

期日現金の売掛債権を資金化できる「ファクタリング」

期日現金による支払いが増えてしまうと、受取企業は代金をなかなか回収できなくなってしまいます。

これにより資金がショートして経営に悪影響が及ぶ可能性がある他、資金を確保できないために必要な支払いが行えず倒産につながる危険性も考えられます。

受取企業がこうしたリスクに備えるためには、期日現金の売掛債権を資金化できる「ファクタリング」を利用するのがおすすめです。

ファクタリングの仕組み

ファクタリングとは、企業が持つ売掛債権をファクタリング会社に譲渡することによって、売掛金の支払期日よりも前に資金化するとともに、売掛金の回収リスクを低減できる金融サービスです。

期日現金によって支払期日が後ろになった状況でも、ファクタリングを利用すれば早期のうちに売掛金を回収できます。

手数料が安くなる3者間ファクタリングが有効

先ほど、ファクタリングには「2者間ファクタリング」と「3者間ファクタリング」があるとご紹介しましたが、どちらを利用するか迷ったときは3者間ファクタリングを選ぶのがおすすめです。

上述のとおり、3者間ファクタリングは2者間ファクタリングよりも手数料が低く設定されています。

ファクタリングを利用した際に得られる資金は、譲渡した売掛債権から手数料を差し引いた分の金額です。

そのため、手数料が低い3者間ファクタリングのほうが有効といえるでしょう。

期日現金でも資金化できる

期日現金といっても、その中身は売掛債権による一般的な取引と同じです。

そのため、期日現金によって支払期日が通常よりも後ろになっていたとしても、ファクタリングによって売掛債権を早期のうちに資金化することができます。

まとめ

期日現金には以下の2つの意味があり、今回は後者の意味でご説明しました。

・通常よりも支払期日を後ろにして取引すること
・売掛金の支払いなどにおいて、決められた期日に代金を現金で支払う(銀行振込する)こと

期日現金は基本的に支払企業にとってメリットのある取引方法ですが、下請代金支払遅延等防止法が適用される取引では選択できないため、支払企業は十分に注意しましょう。

受取企業は、期日現金による支払いが増えることで代金をなかなか回収できない状況になる可能性があります。

その際はリスクヘッジのためにファクタリングの利用を視野に入れてみましょう。