審査なしのファクタリング会社はある?
2023年4月6日
どの資金調達方法でも審査がないところがあればその方がいいと多くの人が思うでしょう。
ファクタリングには、銀行などの金融機関よりも早く資金を調達できるという特徴があるため、「ファクタリングは審査なしで利用できる」というイメージをお持ちの方もいるかもしれません。
しかし実際には、ファクタリングサービスを利用する場合は審査を受ける必要があります。
そこで今回は、なぜ審査なしでファクタリングサービスを利用することができないのか、その理由をご紹介します。
また、審査なしのファクタリング会社を利用した際のリスクや、審査ありでもスピーディーに資金化する方法、審査によるリスクを減らす方法もまとめているので、ぜひご参考にしてください。
審査なしでファクタリングを利用することはできない
ファクタリングサービスを利用したい方の中には、審査が不安で「審査なしで利用できるところはないか」と探している方もいるかもしれません。
また、一刻も早い資金調達を望み「審査に時間をかけたくないから審査なしのファクタリング会社を利用したい」と考えている方もいるでしょう。
しかし、基本的に審査なしでファクタリングサービスを利用することはできません。
ファクタリングの形態には「3者間ファクタリング」と「2者間ファクタリング」がありますが、どちらも審査を受ける必要があります。
そのため、ファクタリングサービスを利用する際は「審査が必要」ということを覚えておきましょう。
審査なしでファクタリングを利用できない3つの理由
ファクタリングサービスを利用する際、なぜ審査が必要なのかを以下にてご紹介します。
1.手数料を適切に設定できなくなるから
ファクタリングサービスを利用する際は、ファクタリング会社に手数料を支払う必要があり、その手数料は売掛先の信用力によって決まります。
例えば、売掛先の信用力が高い場合は売掛金の未回収リスクが低いと判断できるため、手数料が低く設定されることがあります。
反対に、売掛先の信用力が低い場合は売掛金を回収できないと大きな損失を被るので、手数料が高く設定されることもあるでしょう。
売掛先の審査をしなければ、手数料を適切に設定することができません。そのため、ファクタリングサービスを利用する際は審査が必要なのです。
2.売掛金を買い取るか否かを判断できなくなるから
ファクタリングサービスでは、どのような売掛金でも買い取ってくれるわけではありません。
売掛先が倒産しそうな状態でファクタリング会社が売掛金を買い取ってしまうと、ファクタリング会社は売掛金を回収できない可能性があります。
そうなると、ファクタリング会社が大きな損害を受けてしまうでしょう。
ファクタリングサービスでは、どのような売掛金でも買い取ってくれるわけではありません。
そのようなリスクを防ぐために、ファクタリング会社では売掛先の審査を行い、売掛金を買い取るかどうかを判断するのです。
3.詐欺をはじめとするトラブルを回避できなくなるから
ファクタリングサービスを利用する際、利用者側が「悪徳なファクタリング会社ではないか」と心配するのと同じように、ファクタリング会社も「詐欺ではないか」と心配になるものです。
例えば、ファクタリング会社が被害に遭う可能性がある詐欺には「二重譲渡」があります。
二重譲渡とは、ファクタリング会社に売掛金を売却して資金を調達した後、同一の売掛金を別のファクタリング会社にも売却することです。
二重譲渡の被害に遭うと、ファクタリング会社は売掛金の回収が難しくなります。
この他、支払い期日が過ぎて回収が遅れている不良債権をファクタリング会社に持ち込まれるケースもあります。不良債権だと分からず買い取ってしまうと、売掛金の回収が難しくなるでしょう。
審査を行わないとこれらの被害に遭うリスクが高くなるため、ファクタリング会社では利用会社や売掛先の審査を行っているのです。
審査なしのファクタリングの利用に潜むリスク
ファクタリングサービスを利用する際は基本的に審査が必要ですが、中には審査なしで利用できるファクタリング会社もあります。
ただし、審査なしのファクタリング会社の利用にはいくつかのリスクが伴います。
ファクタリングではない融資契約を締結してしまう可能性がある
本来、ファクタリングは売掛金を売却して資金を調達するサービスです。
利用会社や売掛先の信用力を審査で確認し、その上で売掛金を買い取るか否かを判断します。
しかし、審査なしの場合は売掛金の回収ができなかった場合の保険として、買い戻しを求めてくるケースがあります。この場合、法的には債権譲渡ではなく「融資」と判断されます。
流されるまま契約を進めてしまうと、ファクタリングではなく融資契約を締結してしまう恐れがあるため、審査なしのファクタリング会社の利用には注意が必要です。
買い戻しを求められる可能性がある
ファクタリングサービスを利用する際は、買い戻しが不要な「償還請求権なし」の契約を結びます。
そのため、売掛金を売却した後に売掛先が倒産し、売掛金を回収できなかったとしても、利用者が責任を負う必要はありません。
しかし、審査なしのファクタリング会社を利用した場合は、買い戻しを求められる「償還請求権あり」の契約を締結してしまう恐れがあります。
買い戻しありの契約をした場合、売掛先から売掛金を回収できないと利用者が責任を負わなければならないため、審査なしのファクタリング会社は利用しないようにしましょう。
高額な手数料を請求される可能性がある
先述したように、ファクタリングサービスの手数料は売掛先の信用力で決まります。
しかし、審査を行わないということは売掛先の信用力を確かめることができないということ。
そのため、ファクタリング会社が負う最大限のリスクを想定して、高額な手数料を請求される可能性があります。
手数料が高額だと、資金調達できたとしても利用者側は大きな損失を被ることになるでしょう。
取り立てが行われる可能性がある
審査なしのファクタリング会社は、審査に通るか不安でも利用しやすく、また審査ありのファクタリング会社よりも早く資金調達ができるため、魅力を感じやすいでしょう。
しかし、審査なしのファクタリング会社を利用した場合、恫喝などによる取り立てが行われる可能性があります。
そうなると、家族や売掛先にも迷惑をかけてしまいかねません。自社だけに影響が及ぶのではなく上述したリスクを伴うことも、覚えておきましょう。
ファクタリングの審査による負担を減らすことはできる
ファクタリングサービスの審査による負担を少しでも減らしたい方は、以下の2つのポイントを押さえておきましょう。
ファクタリングをしたことがある売掛先を選ぶ
審査の負担を減らすなら、同じファクタリング会社を選ぶだけでなく、ファクタリングしたことがある売掛先を選ぶと良いでしょう。
例えば、売掛先がA社・B社・C社だとします。
このうち、A社の売掛金を買い取ってもらったことがあるのであれば、次回利用時もA社の売掛金を買い取ってもらうのがおすすめです。
ファクタリング会社は利用者側だけでなく、売掛先の情報も把握しています。
毎月、もしくは数か月おきにファクタリングをしたことがある売掛先の売掛金を買い取ってもらうことで、売掛先の情報を一から揃える必要がありません。
前回の情報をもとに審査できるため、審査の負担を減らせる可能性があります。
利用経験のあるファクタリング会社を選ぶ
審査の負担を減らしたい場合は、利用経験のあるファクタリング会社を選ぶのがおすすめです。
なぜなら、利用者側の情報をすでにファクタリング会社が把握しているからです。
ファクタリング会社が審査を行う最大の理由は、詐欺をはじめとするトラブルを回避するためです。
必要書類を確認し、面談を通じて「二重譲渡ではないか」「架空債権ではないか」「不良債権ではないか」などを慎重に審査するため、どうしても時間がかかってしまいます。
その点、利用者側の情報をすでにファクタリング会社が把握している場合は一から情報を集める必要がないので、審査にかかる時間を短縮できます。
これにより、審査の負担を減らしてスムーズに契約の締結まで進めることが可能です。
まとめ
「審査に時間がかかりすぎないか」「審査に通るか」という不安から、ファクタリングサービスを利用するにあたって審査なしのファクタリング会社を探している方もいるかもしれません。
しかし、基本的にファクタリングサービスを利用するには審査を受ける必要があります。
中には審査なしのファクタリング会社もありますが、安易に利用してはいけません。
なぜなら、「高額な手数料を請求される可能性がある」「買い戻しを求められる可能性がある」「取り立てが行われる可能性がある」「債権譲渡ではなく融資契約を締結してしまう可能性がある」などのリスクが潜んでいるからです。
審査なしという魅力から契約を進めてしまうと利用者側が大きな損害を被ることになるため、審査なしのファクタリング会社の利用は避けるようにしましょう。
「一刻も早く資金を調達したい」という場合は、即日資金化が可能なファクタリング会社、必要書類が少ないファクタリング会社、オンラインファクタリングに対応しているファクタリング会社を利用するのがおすすめです。
そのような会社を利用することで、審査ありでもスピーディーに資金化ができます。