ファクタリングが借金ではないその違いと仕組みとは?

2024年12月15日

「ファクタリングって借金なの?違いは?」
そのような疑問をお持ちの方もいるでしょう。
結論からいうとファクタリングは借金ではありません。

なぜならファクタリングは、保有する売掛金などの売掛債権を、ファクタリング会社に譲渡して現金化する資金調達の方法だからです。

借入れではないため、ファクタリング会社に支払う費用は利息ではなく、貸金業法・利息制限法・出資法は適用されません。

しかし、過去の判例ではファクタリングに利息制限法が適用された事例や、知らない間に金銭消費貸借契約を結んでしまっていたケースもあるようです。

ファクタリングが貸金業ではない理由

ファクタリングは貸金業ではありませんが、その理由は以下のとおりです。

・債権譲渡契約を締結する
・金銭消費貸借を伴わない契約である
・貸金の定義に該当しない取引である
それぞれ説明します。

債権譲渡契約を締結する

ファクタリングでは、利用者とファクタリング会社で債権譲渡契約を結ぶ取引であるため、貸金業ではありません。

金銭を貸し借りする契約ではないため、ファクタリング会社に貸金業の登録は必要ないとされています。

ただし、償還請求権や買戻し請求権の付されたリコース契約によるファクタリングは融資とみなされるため、銀行や貸金業者のみが取り扱いできるサービスです。

償還請求権や買戻請求権が付されている契約を貸金業登録していない業者が取り扱う場合、相手はファクタリングを装ったヤミ金融業者であると判断し、契約しないでください。

金銭消費貸借を伴わない契約である

ファクタリングでは、金銭消費貸借を伴わない契約を結ぶため、貸金業ではありません。

消費貸借とはモノを借り受けて、後日、同じ種類や数量で返す契約のことです。

調達したお金を保管して返すのではなく、一旦借りたお金を消費して後で同じ額の金銭で返すことといえます。

金銭消費貸借契約を結ぶ契約を取り扱うことができるのは、銀行や貸金業登録をしている業者です。

そもそもファクタリングはお金を借りて使い、後日返す契約ではなく、売掛金を前倒しで現金化する売買契約を結びます。

そのため金銭消費貸借を伴う契約を結ぶわけではなく、貸金業には該当しないといえます。

貸金の定義に該当しない取引である

貸金業法上の貸金とは、以下のとおり定義されています。

金銭の貸付けまたは金銭の貸借の媒介
手形の割引・売渡担保その他これらに類する方法による金銭の交付または金銭の授受の媒介
ファクタリングは上記の定義に該当しないため、貸金業ではないといえます。

ファクタリングで貸金業法が適用されるケース

ファクタリングは車や不動産などの資産を売ってお金に換えることと同じく、売掛債権を現金化するサービスです。

そのためファクタリング会社に支払う費用は利息ではなく「売買手数料」であり、借金を増やす方法ではないことから、貸金業法は適用されません。

しかし「償還請求権」や「買戻し特約」が付された契約は、債権の売買ではなく債権を担保とした金銭の貸し付けとみなされます。

そのためこれらの特約がついたファクタリング契約を結ぶことのできるファクタリング会社は、貸金業法登録した会社だけです。

ファクタリングと似た手法である「手形割引」も、償還請求権のある契約を結ぶため、融資を受けることになり、手形割引で支払う手形割引料は「みなし利息」という扱いになっています。

もしも契約内に「償還請求権」や「買戻し特約」などが付されている場合は、契約相手が貸金業者であるか確認することが大切です。

なお、これらの特約が付されている場合、売掛先から売掛金を回収できなければ利用者がその責任を負うことになります。

その点を踏まえた上で契約を結ぶようにしてください。

ファクタリングを装う違法業者に注意

正規のファクタリング契約は、貸金業法・利息制限法・出資法は無関係です。

貸金業とみなされる行為を行うファクタリング会社は、貸金業登録をせずに違法契約を結ぶヤミ金融業者と考えられます。

以前まで表向きは貸金業で営業していたヤミ金融業者が、取り締まりで行き場を失いファクタリング会社を装うケースが増えたといえます。

貸金業登録までのハードルは非常に高く簡単に取得できませんが、ファクタリング業界は法規制が十分ではないため目をつけたと考えられます。

違法業者と契約してしまうと、悪質な取り立て行為などで苦しめられることになるため絶対に契約しないてください。

まとめ

ファクタリングは貸金業法による法規制とは関係がありません。

売掛債権の売買による資金調達のサービスであり、金銭の貸し付けではないため、貸金業法・利息制限法・出資法の規制を受けることもなく貸金業登録は不要とされています。

しかし、中には表向きはファクタリングを装い、売掛債権を担保として資金を貸し付けるヤミ金融業者なども存在しているため、十分に注意が必要です。

ファクタリングを利用して資金を調達するときには、ファクタリング会社の見極めを十分するとともに、契約内容を確認した上で契約を結ぶようにしましょう。