ファクタリングは請求書のみで利用はできない?フリーランスの方必見!

2025年1月8日

ファクタリングは、原則として請求書のみでは利用できません。
ファクタリング会社は、利用者と取引先が実際に取引を行ったことを確認し、取引先の信用度を調査する必要があります。
そのため、請求書以外の書類の提出が求められます。
請求書以外にも、複数書類の提出を求められることが一般的です。

できるだけ少ない書類でファクタリングを申し込むには、ファクタリング会社をよく比較することがおすすめです。

この記事では、請求書のみでファクタリングを利用できないのはなぜか、その理由とファクタリングの利用時に必要となる書類について解説します。

ファクタリングは基本的に請求書のみでは利用できない

ファクタリングを利用するためには、売掛金(売掛債権)が発生していることを証明する書類が必要です。

請求書も売掛金の発生を確認できる書類の1つですが、ファクタリングは請求書のみでは利用できません。

ここでは、ファクタリングの利用に必要な書類について解説します。

原則請求書のみでは利用できない

ファクタリングとは、企業が持つ売掛金をファクタリング会社に売却し現金化(資金化)する仕組みです。

ファクタリングを利用する際には請求書が必要ですが、他にもさまざまな書類が求められます。

ファクタリングが原則として請求書のみで利用できない理由は、売掛金の存在を確認するためです。

請求書は容易に改ざんが可能なので、売掛金が実際に存在しているかどうかを完全に証明できません。

そこでファクタリング会社は、リスク回避のために契約書や発注書などの書類を確認し、審査を進めます。

ファクタリング会社によっては、過去に同様の取引・入金があったかどうかを確認できる書類を必要とするケースもあります。

過去に売掛先から問題なく入金があるようならば、ファクタリングの利用後もスムーズに売掛金を回収できる可能性が高いと考えられるからです。

そのため、請求書以外に通帳のコピーを求められることが少なくありません。

また、二重譲渡のリスクがあることも、請求書のみでファクタリングを利用できない理由です。

ファクタリングにおける二重譲渡とは、売掛金を複数のファクタリング会社へ譲渡することを指します。

もし二重譲渡が行われると売掛金を回収できなくなるため、請求書以外の書類によって、二重譲渡が行われていないことを確認します。

請求書なしで利用できるケースはある

ファクタリングは請求書のみでは利用できませんが、請求書なしで利用できるケースはあります。

例えば、注文書や納品書、契約書などの書類で申し込みが可能です。

複数の書類を提出し、売掛金の存在が確認できれば、ファクタリング会社の審査に通る可能性があります。

ただし、請求書なしでファクタリングを利用できるかどうかについては、各ファクタリング会社の方針にゆだねられています。

何かしらの理由で請求書を用意できない場合は、事前に確認するとよいでしょう。

なお、

「実際に売掛金が発生していないのに請求書を発行する」
「より多くの資金を調達するために請求書の金額を水増しする」

などの行為は、請求書の偽造に該当します。

刑法上での犯罪にもなるため、絶対に行わないようにしましょう。

例外的に請求書のみで利用できるケースもある

「ファクタリングは請求書のみでは利用できない」というのが原則ですが、例外的に請求書のみで利用できるケースもあります。

例えば、同じファクタリング会社を継続して利用しており、同じ売掛先の売掛金(売掛債権)をファクタリングの対象としているケースです。

このようなケースでは、すでに双方に信頼関係が構築されており、売掛先の信用力も調査済みです。

ファクタリング会社としてもリスクが低いと判断できるため、書類の簡素化が認められる場合があります。

ただし、前回の利用から期間が経過している場合は、再度その他の書類が必要になる可能性があります。

ファクタリング会社によっても対応が異なるため、事前に確認するとよいでしょう。

ファクタリングの利用に最低限必要な書類は?

ファクタリングの利用に最低限必要な書類は、以下の3つです。

・売掛金を証明できる書類
・取引履歴が確認できる通帳のコピー
・代表者の身分証明書

それぞれの書類を詳しく解説します。

売掛金を証明できる書類

売掛金が確実に存在することを証明する書類として、請求書以外に契約書や発注書などの提出が求められることもあります。

売掛先から発行された発注書は、自社で発行する請求書よりも偽造や改ざんが難しいため、信用できる書類の1つです。

また、売掛先との継続的な取引を証明できる基本契約書などがあると、審査にも通りやすくなるでしょう。

ファクタリングの審査では、複数の書類を求められることがあるので、事前に準備しておくことがおすすめです。

取引履歴が確認できる通帳のコピー

ファクタリング利用者と、売掛先との間にあった取引履歴が確認できるよう、通帳のコピーを提出することも多いようです。

売掛先との間に継続した取引がある場合は、過去3か月分程度の振込履歴を確認できるよう通帳のコピーを用意しましょう。

前述のとおり、ファクタリングでは過去に取引がある売掛先のほうが、信用度が高いと判断される傾向があります。

ファクタリングの申し込みがあった場合、ファクタリング会社では過去の取引履歴が確認できる通帳のコピーを参照して、売掛先の信用度を判断するのです。

代表者の身分証明書

代表者の身分証明書として、運転免許証やマイナンバーカードなどの提示を求められることがあります。

これらは、利用会社の代表者がファクタリングを申し込んだ本人なのかどうかを確認するために必要です。

身分証の種類はファクタリング会社によってさまざまですが、いずれにしても顔写真入りの身分証明書を求められることが多いでしょう。

ファクタリングを申し込む際にどの身分証が有効か確認し、あらかじめ準備しておくことをおすすめします。

ファクタリングを申し込む際に請求書以外に求められる書類

ファクタリング会社によっては、追加書類の提出を求めるケースもあります。提出を求められる可能性がある書類は、以下の3つです。

• 利用会社の商業登記簿謄本(個人事業主の場合は開業届)
• 利用会社の印鑑証明書
• 決算書・確定申告書

それぞれの書類を詳しく解説します。

利用会社の商業登記簿謄本

ファクタリングを利用する会社の商業登記簿謄本は、必要書類として求められることが多い書類です。

商業登記簿謄本は法務局で取得できます。

商業登記簿謄本とは、会社名や会社の所在地など、企業の基本情報が記載された書類のことです。

商業登記簿謄本を提出すると、まず、利用会社が実在する会社であることを証明できます。

さらに、商業登記簿謄本には代表者名や役員名が書かれているため、申し込みの担当者と会社との関係を知ることができるでしょう。

とりわけ2者間ファクタリングの場合は二重譲渡を確認するために債権譲渡登記を調べることがありますので、調査のための情報として商業登記簿謄本を求められることがよくあります。

なお、個人事業主は「開業届」を求められるケースがあります。

まだ開業届を出していないときは、所轄の税務署または国税庁のサイトから入手し、窓口や郵送、e-Taxなどの方法で提出しましょう。

ただし、個人事業主によっては開業届を出さないケースもあります。

その場合は、開業届を必要としないファクタリング会社を利用するのがおすすめです。

利用会社の印鑑証明書

利用会社の印鑑証明書は、ファクタリング契約の締結において必要とされることがあります。

法人の場合は法務局へ申請すれば取得可能です。

ファクタリングの契約を締結する際には、契約書に署名と押印が必要です。

そして契約にあたって、印鑑証明書は契約書に押された印鑑が本物であることを証明するために必要とされます。

ファクタリングでは売掛金という目に見えない物をやり取りするため、契約書や債権譲渡登記以外にその契約が締結されたことを証明する手段がありません。

もしも契約書に捺印があったとしても、印鑑が自社のものではないと言い逃れをされては困ります。

そこで契約を締結するにあたり、印鑑証明書をもって、契約締結の相手は間違いなく当該の利用会社であるということを証明するのです。

また、債権譲渡登記を設定する際には印鑑証明書が必要になるため、印鑑証明書の提出が求められます。

決算書・確定申告書

ファクタリング会社によっては、決算書の提出を求めるケースもあります。

決算書の内容を確認することで、利用会社の売掛先や取引量(売掛金の額)、税金等の滞納状況等を把握することが目的です。

個人事業主の場合は確定申告書を提出します。

決算書に記載がある売掛先は以前から継続的に取引がある売掛先として審査で有利になる可能性があります。

また、税金を滞納していると売掛金を差し押さえられるリスクがあるため、決算書により滞納状況を確認します。

そのため、ファクタリング会社によっては、3期分の決算書提出を求めることもあります。

まとめ

ここまでに見てきたように、ファクタリングは請求書のみでは利用できないため、複数の書類を用意する必要があります。

最低限必要になるのが「売掛金を証明できる書類」「取引履歴が確認できる通帳のコピー」「代表者の身分証明書」の3つです。

しかし、必要書類はファクタリング会社によっても異なるため、申し込む際に確認が必要です。

必要書類が少ないファクタリング会社もあるので、利用を検討してみると良いでしょう。