請求書のみでファクタリングできる?審査時の必要書類から仕組みを解説
2024年6月21日
売掛先の与信調査などを行うため、請求書のみでファクタリングはできません。
請求書のほかに何の書類が必要なのか、個人なら通帳なしでファクタリングできるのかなど売掛債権買取の仕組みがわからない人は多いです。
この記事では、ファクタリングの必要書類から買取の仕組みまで詳しく解説します。
請求書のみのファクタリングはできない
結論から言うと、ファクタリングは請求書のみではできません。
「必要書類は請求書のみ」と宣伝している業者は危険なので、大手ファクタリング会社を利用してください。
請求書だけではファクタリング利用者や取引先(売掛先)の信用情報を測ることができないからです。
そもそも請求書ファクタリングとは、請求書のみ提出してファクタリングを利用すること。
ファクタリングでは、基本的にファクタリング業者とファクタリング利用者の間で契約を結びます。
ファクタリングの仕組み
・ファクタリング業者と利用者で契約を結ぶ
・利用者が持っている売掛債権をファクタリング業者が買い取る
・ファクタリング業者が売掛金から手数料を差し引いた金額を利用者に入金する
・ファクタリング利用者は取引先から売掛金が振り込まれ次第、ファクタリング業者に支払う
ファクタリング契約では、担保・保証人・償還請求権が認められません。
償還請求権とは
償還請求権とは、ファクタリング利用者からの支払いがないとき、債権者(ファクタリング利用者)に支払いを求める権利です。
ファクタリング利用者や取引先の信用情報をしっかりと審査する必要があります。
償還請求権が認められていないファクタリングでは、たとえ取引先(売掛先)が倒産して売掛金が回収できなくなったとしても、ファクタリング利用者や取引先に弁済を求められません。
担保や保証人を立てることもできないため「過去にも取引した実績があるか」「取引先は倒産の可能性が低いか」など、ファクタリング利用者や売掛先取引先の信用情報をしっかりと審査する必要があります。
請求書だけでは信用情報を審査できないため、請求書以外の書類も必要です。
一般的には、請求書以外にファクタリング利用者の本人確認書類や取引実績のある預金通帳などの書類提出を求められます。
オンラインファクタリングを利用しよう
できるだけ早く資金調達したいなら、オンライン完結の非対面ファクタリングを利用しましょう。
請求書や通帳のコピーなど、必要書類をアップロードすれば審査を受けられます。
請求書以外でファクタリングの必要な書類
ファクタリングで必要な書類を、以下の観点で解説します。
・ファクタリングで最低限必要な書類
・ファクタリングで必要なケースがある書類
基本的にはどの業者でもファクタリングに必要な書類は同じです。
提出書類を用意するのがめんどう、できるだけ早く資金調達したときは、必要書類が少ないファクタリング業者を選択しましょう。
ファクタリングで最低限必要な書類
ファクタリングで最低限必要な書類は以下のとおりです。
・売掛金が確認できる書類
・入出金が確認できるファクタリング利用者の預金通帳
・ファクタリング利用者の本人確認書類(免許証・マイナンバーカードなど)
ファクタリングの仕組み上、売掛債権がないと契約ができないため、売掛金が証明できる請求書などの書類は必須です。
ファクタリング業者によっては、請求書を取引基本契約書や納品書で代用できる場合もあります。
売掛先との継続した取引と売掛金のやり取りがあることを証明する必要もあります。
取引の証明には、入出金が確認できるファクタリング利用者の預金通帳が必要です。
個人事業主の場合は事業用口座、法人の場合は法人用口座を提出しましょう。
ファクタリングで必要なケースがある書類
ファクタリングで必要なケースがある書類は以下のとおりです。
・直近の確定申告書(個人事業主の場合)
・印鑑証明書
・試算表
・取引基本契約書
・発注書、納品書、個別契約書など取引先との取引実績を示す書類
・決算報告書(法人の場合)
・商業登記簿謄本(法人の場合)
・債権譲渡登記(法人の場合)
・開業届
・納税証明書や保険料の納付済証
上記のようにファクタリング業者によっては、さまざまな書類の提出を求められる可能性があります。
直近の確定申告書または決算報告書は、直近2~3年分の提出を求められることが多いです。
直近の確定申告書または決算報告書は、ファクタリング利用者の経営状況や倒産可能性を審査するために使われます。
法人がファクタリングを利用する場合、会社の身分証明書である商業登記簿謄本の提出が必要です。
商業登記簿謄本とは
商業登記簿謄本とは、以下のような会社の基本情報が記載されているものです。
・会社名
・所在地
・資本金
・役員名
・発行株式数など
会社の規模や業歴等の確認に使われます。
支払いサイトが長いほど、ファクタリングは資金を調達するのに有効な手段です。
かしこく資金繰りして事業を円滑に進めるため、必要な書類を事前に用意しましょう。
そもそも請求書買取の仕組みは?ファクタリングは違法じゃない?
「そもそも請求書買取の仕組みは?」「ファクタリングは違法じゃない?」と疑問に思う人もいると思います。
そこで、請求書買取の仕組みとファクタリングの違法性について解説します。
結論からいうと、ファクタリングは違法ではありません。
ファクタリングの法的な扱い
ファクタリングは、事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービスです。
事業者の資金調達の一手段で、法的には債権の売買(債権譲渡)契約であり合法です。
しかし、ファクタリングを装って法外金利の貸付けを行うことや貸金業登録を行っていない業者との給与ファクタリングは違法です。
請求書買取の仕組みは以下のとおりです。
2者間ファクタリングと3者間ファクタリング
保証型ファクタリングと買取型ファクタリング
それぞれの仕組みや違いについて、詳しく解説します。
2者間ファクタリングと3者間ファクタリング
2者間ファクタリングと3者間ファクタリングの仕組みや違いを解説します。
2者間ファクタリングとは、「ファクタリング利用者」と「ファクタリング業者」の間で契約を結ぶファクタリングです。
一方、3者間ファクタリングとは、「ファクタリング利用者」と「ファクタリング業者」に加えて「売掛先」との契約も結びます。
契約以外にもさまざまな違いがあります。
手数料
審査の通りやすさ
売掛先への通知
売掛金の支払先
手数料
2者間ファクタリングの手数料相場は「8~18%」に対し、3者間ファクタリングの手数料相場は「2~9%」です。
3者間ファクタリングでは、売掛金の存在を売掛先に直接確認できるため、未回収リスクが低いことから手数料が低く設定されています。
審査の通りやすさ
3者間ファクタリングは2者間ファクタリングに比べて、審査に通りやすいです。
2者間ファクタリングでは、売掛先に直接売掛金の存在を確認できないため、ファクタリング業者は慎重に審査する必要があります。
3者間ファクタリングでは、売掛先に直接売掛金の存在を確認することで未回収リスクを低減できるため、審査に通りやすい傾向があります。
売掛先への通知
2者間ファクタリングでは、売掛先にファクタリング利用を通知されることはありませんが、3者間ファクタリングでは売掛先とも契約を結ぶため必然的に通知されます。
売掛先にファクタリングを利用することを知られたくない人は、2者間ファクタリングを使いましょう。
売掛金の支払い先
2者間ファクタリングでは、売掛先から売掛金を回収後、ファクタリング利用者がファクタリング業者に売掛金を支払います。
3者間ファクタリングでは、期日になったら、売掛先が直接ファクタリング業者に売掛金を支払います。
保証型ファクタリングと買取型ファクタリング
2者間ファクタリングや3者間ファクタリングは買取型ファクタリングに該当します。
保証型ファクタリングと買取型ファクタリングの違いは以下のとおりです。
・現金化できるタイミング
・費用の呼び方
・得られるメリット
・デメリット
現金化できるタイミング
保証型ファクリングでは、売掛先(取引先)が倒産して売掛金が回収できなくなったときのみ保証金が支払われ、現金化できます。
一方、買取型ファクタリングでは、売掛債権があれば買い取ってくれるため最短即日で現金化できます。
費用の呼び方
保証型ファクリングでかかる費用は保証料といいますが、買取型ファクタリングでかかる費用は手数料といいます。
得られるメリット
保証型ファクタリングでは、売掛先(取引先)の倒産リスクに備えられるメリットがあります。
買取型ファクタリングでは、売掛先(取引先)の振込期日になる前に売掛金を回収できるメリットがあります。
デメリット
保証型ファクタリングのデメリットは、売掛先(取引先)が倒産しなかったときに保証金が無駄になることです。
買取型ファクタリングのデメリットは、償還請求権が無い場合、売掛先(取引先)が倒産したときに弁済責任を負うことです。