前払いサービスとは一体?ファクタリングやメリットについて解説
2024年6月1日
フリーランスの方の中には、急な出費で支払いを早めてもらいたい場面に直面されている方はいらっしゃるかとおもいます。
しかし、クライアントに直接支払いを早めてもらう交渉はなかなか難しいです。
そこで頼りになるのが請求書先払い(前払い)サービス。
ファクタリングとも呼ばれ、直接クライアントに交渉しなくても支払いを早めることができます。
しかし、請求書先払い(前払い)サービスには馴染みがなくてどんなサービスなのかわからない、本当にお金を早く受け取れるか不安などと感じている人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、請求書先払い(前払い)サービスのサービス内容やメリット・デメリット、フリーランスにおすすめの請求書先払い(前払い)サービスについて解説します。
請求書先払い(前払い)サービスとは
請求書先払い(前払い)サービスとはファクタリングサービスとも言い、取引先からまだ支払いが行われていない請求書(売掛債権)を買い取ってくれるサービスです。
請求書先払い(前払い)サービスの流れは、上図の通りまずファクタリング会社が支払い前の請求書を買い取るという形式で、買い取り額分のお金を利用者に支払います。
そして取引先から報酬が支払われたら、その分をファクタリング会社に支払って取引完了という流れになります。
フリーランスとして働いていると、すぐに報酬が支払われるのではなく、翌月末など区切りの良いタイミングで支払われるのが一般的。
請求書先払い(前払い)サービスを利用すれば、請求書を買い取ってもらう形で報酬の受け取りを早められます。
特に駆け出しのフリーランスは月末辺りになると「生活費がない!」や税金の支払い時には「まとまった現金がない!」などお金に困った経験は無いでしょうか。
そんな急な出費が出た場面でファクタリングはありがたいサービスです。
2社間と3社間ファクタリングの違いとは
請求書先払い(前払い)サービスは2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの2種類に分かれます。
2社間ファクタリングは利用者とファクタリング会社の二者で取引を行うサービス、3社間はこの2社の間にクライアントが入り、取引先の信用情報を確認してから取引を行う形態のサービスを言います。
一般的には3社間ファクタリングの方がファクタリング会社と売掛先のクライアントで直接やり取りをするため、貸し倒しのリスクが少なく手数料も安いです。
ただ、フリーランスは複数のクライアントと取引していることが多いので、2社間しか取り扱っていない業者が多い傾向があります。
2社間ならクライアントにファクタリングを利用する通知が行きません。
そのため、クライアントからの信頼を失わずに済みます。
ただ手数料は3社間よりも高めです。
それぞれ一長一短なので必要に応じた請求書先払い(前払い)サービスを選びましょう。
請求書先払い(前払い)サービスのメリット
請求書先払い(前払い)サービスは消費者金融などからお金を借りるよりも、フリーランスにとってのメリットが大きいサービスです。
まずは請求書先払い(前払い)サービスのメリットから見ていきましょう。
即日で資金調達が可能
請求書先払い(前払い)サービスの中には即日で現金化できるところが増えています。
出費の種類によっては当日中や翌日までに支払わなければいけないこともあるでしょう。
請求書先払い(前払い)サービスによってはその日の午前中までに審査を終えれば当日振込可能などスピード面で優れたサービスもあります。
緊急性の高い出費ができた場面でも請求書先払い(前払い)サービスは心強い味方です。
ただ、初回利用だとサービスの利用履歴がない分、審査が厳しめになる傾向があります。
そのため、初回利用時はなるべく早く申し込み、翌日〜翌々日程度の支払いになるつもりで利用するのが良いでしょう。
貸し倒れリスクを防げる
請求書先払い(前払い)サービスを利用すれば、取引先が倒産したなどで貸し倒れを防げます。
フリーランスとして働いていると、取引先から報酬が支払われないトラブルが起こることもあります。
そこで請求書を買い取る形式でファクタリング会社から請求書分のお金を受け取れば、損をすることはありません。
次項で詳しく解説しますが、もし取引先から報酬が支払われなかった場合、返済分を支払う義務がなくなります。
したがって、万が一取引先から報酬が支払われなくても請求書先払い(前払い)サービスを利用すれば損をすることがありません。
担保・保証人不要、償還請求権もなし
請求書先払い(前払い)サービスでは請求書を買い取るだけであり、消費者金融などのように融資を行うわけではないので担保や保証人は原則必要ありません。
また、償還請求権も発生しません。
償還請求権とは、取引先が倒産したときに利用者に請求書分のお金を請求する権利を言います。
償還請求権が無いということは、請求書先払い(前払い)サービス利用後に取引先が倒産して報酬が支払われなかった場合ファクタリング会社が損をするだけで、自分で請求書分のお金の穴埋めをする必要がありません。
償還請求権が発生するのは請求書の買い取りではなく融資にあたると金融庁も警告文を出しています。
ただ、償還請求権が発生する請求書先払い(前払い)サービスも減ってはいるものの、残っているのが現状です。
請求書先払い(前払い)サービスを利用するにあたっては、償還請求権に関する記載をよく読んだ上で契約してください。
フリーランス(個人事業主)特化型サービスもある
請求書先払い(前払い)サービスの中には、フリーランス(個人事業主)に特化したサービスも存在しています。
企業向けの請求書先払い(前払い)サービスだと、利用できる最低金額が大きすぎる上、複雑な手続きや現金化に要する時間も長かったりと、個人だと利用しにくいです。
フリーランス(個人事業主)向けだと買い取れる請求書の最低金額が数千円や1万円であり、提出する書類も請求書先払い(前払い)サービスによっては請求書など報酬が支払われたことがわかる書類と身分証明書だけで利用できます。
金額が小さい分審査もスピーディーなので、フリーランス(個人事業主)ならフリーランス特化型サービスを利用するのがおすすめです。
請求書先払い(前払い)サービスのデメリット
請求書先払い(前払い)サービスはメリットばかりではありません。
デメリットもあるので、よくデメリットも理解した上で利用するべきです。
それでは、請求書先払い(前払い)サービスのデメリットについて解説します。
手数料が必要になる
請求書先払い(前払い)サービスを利用するにあたっては手数料が発生します。
そのため、請求書分のお金を全額受け取れるというわけではありません。
ちなみにフリーランス向けの請求書先払い(前払い)サービスの手数料はおおよそ10%が相場です。
請求書先払い(前払い)サービスでは金額が大きくなればなるほど手数料も下がっていく仕組みとなっています。
ただ、金額が大きくなればなるほど利用時の審査も厳しくなっていくので、申し込む際は金額のバランスをよく考えましょう。
サービス登録が必要
請求書先払い(前払い)サービスを利用するには基本的にサービスに登録する必要があります。
サービスに登録する際は自分の氏名や住所、電話番号などの個人情報に加え、振込先の口座番号、フリーランスとしての収支が確認できるデータなどを提出します。
また場合によってはZoomなどのビデオチャットツールを用いて「対面でお話をお伺いしたい」「即日払いの注意点について説明させていただきたい」などもあります。
そして提出書類などの審査が行われ、登録完了という流れになります。
請求書先払い(前払い)サービスでは、最短1時間で支払い可能を売りにしているところも少なくありません。
しかしこれは登録にかかる時間を省いた上での数字です。
したがって、請求書先払い(前払い)サービスの初回利用時は、登録の時間も加味した上で申し込まなければいけません。
特に当日中にお金が必要な場合は、営業時間前に会員登録に必要な作業を済ませ、登録に必要な審査をなるべく早く終えられるようにしましょう。
取引先へ通知をする場合も有り得る
3社間ファクタリングの場合、売掛債権の現金化後はクライアントとファクタリング会社の間でやり取りをすることになります。
そのため、ファクタリングサービスを利用していることを100%知られてしまいます。
請求書先払い(前払い)サービスを利用することは資金繰りに困っているということなので、取引先に知られたくない人もいるでしょう。
どうしても取引先に知られたくない場合は2社間ファクタリングを利用してください。
ただ、2社間でも領収書の信憑性を高めるためにクライアントの連絡先や住所の登録が求められることもあります。
場合によっては取引先に通知されてしまうこともあるので、2社間でも取引先に連絡が行くかどうか事前に確認しておくと良いでしょう。