ファクタリングは分割払い・延期可能?払えない時の流れと対処法を解説
2024年3月26日
売掛債権を活用して資金調達ができるファクタリング。ファクタリングは分割返済したり、支払日を延期できるのか疑問に思われる方がいらっしゃいます。
そこで今回は、ファクタリングの分割返済や支払日の延期ができるか解説し、また何らかの事情で支払えないとどうなるのか、そして支払えない時の対処法をご紹介します。
ファクタリングの支払方法
ファクタリングは、企業の資金調達方法の一つで、売掛金をファクタリング会社に売却してスピーディーに現金化できます。しかし、ファクタリングの支払方法では、分割返済や延期などができるのでしょうか。ここでは、2社間ファクタリングでの支払方法について解説していきます。
一括支払が原則
2社間ファクタリングでは、ファクタリング会社に代わり、取引先に売掛債権を回収する役割をファクタリングの利用者がおこないます。また、売掛債権は本来一括で入金されるものですので、取引先から売掛債権の入金があり次第、ファクタリング会社への支払いも一括でおこなうのです。
つまり、ファクタリング会社への支払いは売掛金が回収されたタイミングで一度に全額支払うことになります。
分割返済はできない
ファクタリングは原則一括で支払うため、分割で払うということはありません。ファクタリングの契約書にも、分割で払うといった文章はないはずです。
また、ファクタリングは融資と混同されやすいのですが、ファクタリングは貸金業者ではないため、法的にも分割での支払いを受けることができないのです。
したがって、分割返済・分割支払を希望する場合には、他の資金調達方法を検討する必要があるでしょう。
期日の延期はできない
ファクタリング会社への支払い期日の延期ですが、こちらも原則できません。
ファクタリングでは、取引先から債権の入金があり次第、速やかにファクタリング会社へ送金するのが一般的です。ファクタリングの契約書も、入金予定の期日に数日程度の営業日を加えた期日でファクタリング会社に払うようになっているでしょう。
ただし、取引先からの入金が遅れているなど状況によっては、期日の延期が可能な場合もあります。しかし、ファクタリング会社と相談・同意の上でのケースですので、原則的には期日を守って支払いを行うことが重要です。
ファクタリング会社へ払えない3つのケース
ファクタリングにおいては、時として取引がスムーズに進まないトラブルが発生することもあります。そこでこの章では、ファクタリング会社へ払えない状況が発生する、主な3つのケースをご紹介します。
もし、これからご紹介する「払えない状況」が発生した場合は、次の章でご紹介する「ファクタリング会社へ払えない場合の流れ」や「ファクタリング会社に払えない時の対処法」も参考にしてください。
資金を使い込んでしまった
取引先から入金があったものの、その資金を経費や運転資金などに使ってしまい、ファクタリング会社への支払いができなくなったケースもあります。
資金繰りが苦しい企業にとってはやむを得ない状況だったかもしれませんが、ファクタリング会社としては契約に反する行為を取られたと思われても仕方ありません。
そもそも架空請求をしていた
存在しない取引をファクタリング会社に存在するかのように見せかけ、ファクタリングで資金調達を行った場合も、ファクタリング会社へ支払えない状況に陥ります。これは詐欺的行為にあたり、犯罪行為です。
また、1つの実在する売掛債権を2社以上のファクタリング会社に提示してファクタリングを行う二重譲渡という行為も、期日にファクタリング会社への支払いができない原因となります。こちらも刑法に抵触する詐欺に該当しますので、十分にご注意ください。
取引先から入金がなかった
取引先の経営状況が悪化し、取引先から期日に入金がないと、ファクタリング会社へ送金できない事態に陥ってしまいます。
最悪の場合、取引先が倒産したり倒産状態に陥ったりすることも考えられるため、入金がない場合は、取引先にどのような状態か、いつ入金されるか問い合わせてみましょう。
ファクタリング会社へ払えない場合の流れ
ファクタリング会社へ払えない場合、どのような流れになるのでしょうか。ここでは、取引先から入金がない場合、取引先からの入金を払えない場合、詐欺行為の場合という3つのケースに分けて解説していきます。
詐欺行為の場合
架空請求や二重譲渡でファクタリングを利用した場合は、詐欺罪に該当する可能性があります。こちらも、詐欺と発覚すると、損害賠償などの民事請求を受けるとともに、警察に被害届などが提出される可能性があるでしょう。
取引先から入金があったものの、運転資金などに使ってしまった場合、横領罪に抵触する可能性があります。このようなケースでは、ファクタリング会社に対して誠意ある対応が必要です。
もし誠意ある対応がない場合は、損害賠償などの訴訟を提起されたり、ファクタリング会社が警察に相談し被害届を提出する可能性があります。
なお、期日に支払いがない場合、ファクタリング会社がどのような行動をとるかは契約書に書かれていたりしますので、契約書を確認してみるのも一つの方法です。
取引先から入金がない場合
取引先から期日に入金がないことにより、ファクタリング会社に支払いができない場合、まずは取引先に連絡し、いつ入金があるのか、あるいは倒産しているのかを確認しましょう。
その後、その状況をファクタリング会社に報告し、どのように対応すべきか相談してください。
万が一、取引先の倒産が判明した場合も、ファクタリング会社にその旨を伝えましょう。倒産などで代金を回収できない場合、ファクタリング取引ではそのリスクをファクタリング会社が負うため、ファクタリング利用者が弁済しないといけないといったことはありません。
ファクタリング会社に払えない時の対処法
ファクタリング会社への支払いができない場合、適切な対応が求められます。ここでは、そのような状況に直面した時の具体的な対処法をご紹介します。
ファクタリング会社の指示に従う
ファクタリング会社への支払いができない場合、ファクタリング会社からの対応指示に従うことも重要です。
また、場合によっては専門家を通してファクタリング会社との交渉を行うことも選択肢のひとつです。ただし、弁護士に相談する際は、費用や時間などの調整も考慮する必要があります。
踏み倒さない
支払いが困難な状況でも、踏み倒すことは避けましょう。踏み倒したり連絡がつかないことにより、ファクタリング会社から取引先に連絡が行ったり、警察に被害届が提出される可能性があります。どんなに困難な状況でも、ファクタリング会社と連絡を取り、相談をしながら解決策を考えていくことが重要です。
ファクタリング会社に事情を説明する
まず何よりも大切なのは、ファクタリング会社にその事情を伝えることです。連絡をしないでいると信用を失い、今後の取引やその他の対応が困難になってしまう場合があります。
支払いができない理由や解決策を具体的に伝えることで、ファクタリング会社も理解し、柔軟な対応をしてくれる可能性がゼロではありません。
まとめ
この記事では、ファクタリング会社への支払い方法や払えない時の対処法について解説しました。ファクタリングでは一括支払いが原則で、分割返済や期日の延期は原則としてできません。
また、ファクタリング会社への支払いができない状況に直面した際は、まずはファクタリング会社に事情を説明し、踏み倒さずに解決策を模索することが重要です。そして、必要に応じて弁護士に相談することで、専門的なアドバイスやサポートを受けられるため、利用を検討してみましょう。
ファクタリング取引はビジネスの柔軟な資金繰りに役立ちますが、トラブルが発生しないように十分な知識を持っておくことも重要です。ビジネスを成功させるためにも、慎重かつ適切な対応を心がけましょう。