ファクタリングの費用とは?できるだけ安く抑えるポイントも解説

2023年9月22日

ファクタリングは、売掛債権を期日前に早期現金化できる資金調達方法です。
入金サイクルを短縮化し、早期に現金化できるため資金繰りに便利な一方、手数料が差し引かれるため、受取額は売掛債権の額面より減ってしまいます。

そこで本記事では、ファクタリング手数料の目安や費用の内訳、手数料を安く済ませるポイントなどを解説します。ファクタリングの利用を検討している方、少しでも手数料を安く済ませたい方は、ぜひ最後まで目を通してください。

ファクタリング手数料の目安

ファクタリング手数料は、取引の仕組みによって変動します。
ファクタリングには主に、3社間と2社間の取引方法があります。

3社間取引の場合

3社間取引では、債権者とファクタリング会社に加え、売掛先を含めて契約・取引を行います。
ファクタリング会社に対し債権者が売掛債権の売却を依頼する際、売掛先に通知し承諾を得なければなりません。売掛金は売掛先からファクタリング会社に直接支払われます。
3社間取引では、売掛先にファクタリングの事実を知られてしまうため、今後の取引に影響が出る可能性も否めません。
ただし、ファクタリング会社にとっては売掛金を直接回収でき、未回収のリスクを抑えられるため、手数料が安めに設定されやすいです。

3社間取引でのファクタリング手数料の目安は、売掛金の3〜5%程度です。

2社間取引の場合

2社間取引では、売掛債権を売却したい債権者(サービス利用者)とファクタリング会社の契約・取引で完結します。
まず、ファクタリング会社に対し債権者が売掛債権を売却すると、手数料を引いた現金が支払われます。後ほど、債権者の元に売掛先から売掛金が支払われたら、その金額をファクタリング会社に支払うという仕組みです。
2社間取引では、売掛先に売掛債権の売却を知らせる必要がありません。そのため、売掛先に対して、資金繰りや経営状態の心配をさせずに済みます。
ただし、ファクタリング会社にとっては売掛金を回収できないリスクがあるため、手数料が高めに設定されやすいです。

2社間取引でのファクタリング手数料の目安は、売掛金の10〜20%程度です。
最近では、オンラインで完結することで効率化・低価格化を実現したクラウドファクタリングも増えています。フリーランスや個人事業主を対象としたファクタリングにおいては、手数料が売掛金の3〜10%と安めに定められているケースも見られます。

ファクタリング手数料の内訳

ファクタリング手数料には、契約や手続きにかかる費用が含まれています。
ファクタリング手数料の内訳を細かく確かめていきましょう。

買い取り手数料

買い取り手数料とは、ファクタリングに要する基本手数料を意味します。
業者ごとに金額が定められています。

掛け目

掛け目とは売掛債権の買い取り率のことです。一般的に、額面の75〜90%程度に定められます。
掛け目は回収リスクが高ければ小さく、回収リスクが低ければ大きくなります。
売掛金の回収後、掛け目によって減額された分の現金が債権者(サービス利用者)に返還されます。

印紙代

ファクタリングを実行するうえで、売掛債権譲渡の契約書に印紙を貼ります。
印紙代は売掛金の額に応じて変わります。
ただし、売掛金が5万円未満であれば課税されません。

債権譲渡登記費用

売掛債権を譲渡する際、買い取りを証明するための債権譲渡登記を行うケースがあります。
特に2社間取引においては、売掛債権の二重譲渡を防ぐために、債権譲渡登記を行うファクタリング会社が多いです。ただし、債権の譲渡人は法人に限定されているため、フリーランスや個人事業主向けサービスの場合は行われません。

債権譲渡登記には、登録免許税7,500円と司法書士への報酬が数万円程度かかります。

交通費

債権者(サービス利用者)とファクタリング会社の面談時に要する交通費です。

振込手数料

売掛債権の買い取り代金を振り込む際にかかる手数料です。
ファクタリング会社が振込手数料を負担するケースも見られます。

ファクタリング手数料を決定する要素

ファクタリング手数料は、取引ごとに変動します。
では、ファクタリング手数料を決定する要素とは何でしょうか。

売掛金の額

売掛金の額が大きければ大きいほど、ファクタリング会社の利益が出やすくなり、手数料を下げても一定の利益を得られます。
たとえば、50万円の10%と100万円の5%では、どちらも利益は5万円です。
そのため、売掛金の額が大きければ、手数料が安くなる傾向が強くなります。
ただし、売掛金の額が大きくても、売掛先の信頼性が低いと手数料を高く定めるケースも考えられます。

売掛先の信頼性

ファクタリング会社は未回収の売掛債権を買い取ります。しかし、売掛金を回収できなければ、多大な損失を被ることになります。
つまり、ファクタリング会社は債権者の売掛金未回収リスクを代わりに請け負います。
そのため、事前に売掛先の与信審査を行い、未回収リスクが高ければ手数料も高く、未回収リスクが低ければ手数料も安くしやすいです。
売掛先をどれだけ信頼できるかは、ファクタリング手数料を決定する肝心な要素です。

ファクタリングの手数料を安く済ませるポイント

ファクタリングの手数料をわずかでも安く済ませられれば、手に入る現金が多くなります。
最後に、ファクタリングの手数料を安く済ませるポイントをチェックしていきましょう。

信頼関係を構築する

ファクタリング会社から好印象を得られれば、手数料の審査にもプラスに影響するでしょう。初回より2回目以降のほうが、取引実績が生まれて手数料が安くなるともいわれています。
ファクタリング会社との信頼関係を構築するためには、担当者との綿密なコミュニケーションを心がけましょう。

相見積もりを取る

ファクタリング手数料の決め方や審査の結果は、会社ごとにバラつきが見られます。
会社によっては売掛金の下限を定めているケースもあります。
ファクタリング手数料が安い会社を見つけるためには、複数の会社に見積もりをしてもらい、比較検討しましょう。

売掛先の信頼性を示す書類を用意する

ファクタリング手数料を決定する肝心な要素が、売掛先の信頼性です。
売掛先が信頼に値することを証明できれば、ファクタリング手数料も安くなる可能性が高まります。
そのため、売掛先の信頼性を示す書類を用意することがポイントです。
商工会などのデータベースに記載された売掛先の企業情報、過去の請求書や入金履歴など、過去の取引実績を示す書類が有効的です。

ファクタリング手数料を抑えて早期現金化

いかがでしたでしょうか。
今回はファクタリング手数料の目安や費用の内訳、手数料を決定する要素や安く済ませるためのポイントを紹介しました。
ファクタリング手数料は、取引の仕組みや売掛先の信頼性、売掛金の額によって変わります。ファクタリングの手数料をわずかでも安くして、現金を有効に活用しましょう。