ファクタリングの支払払わないとどうなる?注意点やどうなるか解説
2024年1月14日
ファクタリングは資金調達の手段として認知度が高まってきています。とても便利な資金調達方法なので、利用を検討している人もいるでしょう。
しかし、いつまでに返済すればよいのか分からないと悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、ファクタリングの支払い期日について説明します。
支払いに関する注意点や返済しないと起こることなどもまとめたので、参考にしてください。
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ファクタリングの支払い期日
ファクタリングは、2社間ファクタリング”と“3社間ファクタリング”の2種類あります。
どちらを利用しているかで、支払い期日は異なるので注意しましょう。ここでは、種類別に支払い期日の詳細を説明します。
2社間ファクタリングの場合
2社間ファクタリングとは、利用者とファクタリング会社のみで行う契約です。この形式で契約を結んでいる場合、“手数料”と“売掛金”の2つの支払い義務が生じます。
まず、手数料は利用者が別途支払う必要はありません。売掛債権の額面から自動で差し引かれるからです。
一方で売掛金は、利用者がファクタリング会社に支払う必要があります。
支払い期日は、ファクタリングを利用する際に結ぶ契約で決めます。そのため、支払い期日が不明な場合は、契約書を見直しましょう。
3社間ファクタリングの場合
3社間ファクタリングとは、利用者とファクタリング会社と売掛先の3社で取引を行う契約です。
この形式の場合、売掛金は売掛先からファクタリング会社に直接支払われます。利用者を経由することはありません。そのため、利用者に売掛金を支払う責任は生じません。
売掛金を返済する流れ
売掛金は、以下の流れで返済します。
・売掛先から売掛金を支払われたのを確認する
・受け取った売掛金をそのままファクタリング会社に返済する
売掛金の返済方法は、一般的なローンとほぼ変わりません。何か疑問点がある場合は、電話やメールなどでファクタリング会社に問い合わせてみてください。
売掛金を支払えなくなる原因
売掛金を支払えなくなる原因は、ある程度決まっています。よくある2つのパターンを紹介するので、参考にしてください。
流用や使い込み
ファクタリングは、資金がなく困っているため利用する人が多いでしょう。そのため、人によっては他の返済にも追われているかもしれません。
そうすると、振り込まれた売掛金を流用したり使い込みたくなったりするでしょう。その結果、返済計画に歪みが生じ、返済できなくなるのです。
買掛債務や人件費などを期日までに支払わないと会社が破綻するので、流用したくなるのは仕方がないことです。
しかし、売掛先から振り込まれた売掛金の所有権は、すでにファクタリング会社に渡ったことを忘れてはいけません。
流用したり使い込みたくなったりする気持ちを抑え、しっかり返済するようにしましょう。
未払いや倒産
さまざまな理由で、売掛金の入金が遅れる場合もあるでしょう。基本的に売掛先が倒産しても、売掛金の支払い義務を利用者が負うことはありません。
ファクタリングでは、売掛金の所有権のみならず、資金回収の責任もファクタリング会社に移転されるからです。
しかし、償還請求権がついた契約の場合、利用者が売掛金を返済しなければいけません。そのため、リスクを負いたくない人は、償還請求権なしの契約を結ぶようにしましょう。
売掛金を支払わないと起こること
売掛金を支払わないと、訴訟を起こされたり刑事罰に処されたりする可能性があります。
債権譲渡の事実を、売掛先に通知されるケースもあるので注意しましょう。ここでは、それぞれの詳細を説明します。
債権譲渡の事実を売掛先に通知される
利用者が売掛金を支払わないと、売掛先に債権譲渡通知がいきます。債権譲渡通知とは、ファクタリング会社が売掛先に利用者の返済がないことを伝える通知です。
この通知がいくと、2社間ファクタリングを利用していても、売掛先にファクタリングの利用を知られます。
それにより、売掛先からの信頼を失う可能性があるでしょう。そのため、連絡をせずに返済を滞らせるのは辞めましょう。
訴訟を起こされる可能性がある
2社間ファクタリングを契約する際、債権譲渡登記を行っている人もいるでしょう。これを行うと、売掛債権を譲渡した事実や債権の権利者などが明記されます。
訴訟を起こされた際に登記を証拠として使われた場合、裁判に勝つのは難しくなります。社会的信用を失う恐れもあるので注意しましょう。
刑事罰に処される可能性がある
支払いが遅れると、ファクタリング会社から連絡が来ます。それでもなお、返済を行わないと刑事罰に処される可能性があるので注意しましょう。
損害賠償請求だけで済めばよいですが、最悪の場合は詐欺罪や横領罪などの刑事告訴に発展します。
基本的にファクタリング会社からの連絡を無視するメリットはありません。もしも連絡が来たら、早めに返信し、問題が大きくならないように対処しましょう。
ファクタリングの支払いに関する注意点
“延期は原則不可”、“分割払いができない”などがファクタリングの支払いに関する注意点です。
延期は原則不可
資金が手元にない場合、振り込まれた売掛金を流用したいと思うこともあるでしょう。しかし、ファクタリング会社は借金を肩代わりしているわけではありません。
売掛債権を買い取り、先に売掛金を利用者に支払っているだけです。そのため、返済が遅れると事業を続けるのが難しくなる場合があります。
以上の理由から、返済の延期は基本的に認められません。万が一、支払い期日までに返済できない場合は、早めにその事実をファクタリング会社に伝えましょう。
相談という形で連絡すれば、さまざまな条件のもと、返済期日を延ばしてくれる可能性があるからです。
分割払いは不可能
売掛金を返済する場合、“分割払い”での返済を希望する人もいるでしょう。基本的に分割での返済はできません。一括返済が基本です。理由は、3つあります。
・ファクタリングは売掛債権を買い取ってもらい、資金を調達する方法であるため
・会計上は、前受金に該当するため
・ファクタリング会社は、賃金業者ではないため(分割払いで発生する利息を受け取れない)
ファクタリングサービスと貸金サービスは、明確に区分されています。貸金業登録をしていない業者が利息を受け取るのは、“違法”です。
分割払いを認めているファクタリング会社は悪徳業者の可能性が高いので、注意してください。
売掛金を支払えない場合の対処方法
どれだけ対策しても、売掛金を支払えない状況になる場合もあるでしょう。その場合は、以下の方法で対処しましょう。
・ビジネスローンを活用する
・弁護士に相談する
悪徳業者の疑いがある場合は、なるべく早く弁護士に相談してください。早めに専門家の力を借りないと解決が難しくなるパターンが多いからです。
売掛金の支払いで困らないためにできること
売掛金の支払いで困らないようにしたい人は、ファクタリングの利用期間を決めたりコストを見直したりして対策しましょう。
ファクタリング会社の乗り換えを検討するのもおすすめの対策方法です。ここでは、各対策方法の詳細を説明します。
ファクタリングを使う期間を事前に決めておく
資金調達の手段としてファクタリングはおすすめできます。しかし、長く利用すると資金操りが悪化する恐れがあります。
ファクタリングを利用する際の手数料の負担が大きくなるためです。そのため、ファクタリングを利用する場合は“いつまで使うのか”、予め期間を決めておきましょう。
コストを見直す
ファクタリングを利用する際にセットで考えたいのが、“コストの見直し”です。無駄なコストを削減し、キャッシュフローを改善できないか考えてみましょう。
キャッシュフローの改善に成功すれば、“手元に資金がない”と悩むことは少なくなるはずです。見直すべきポイントを以下に4つまとめました。
①支払いを遅くできないか
・クレジットカードを活用する
・取引先に支払日の先延ばし交渉を行う
②売掛金の回収を早めることはできないか
・少しでも構わないので、前受金を入れてもらう
・入金が遅れる取引先がいる場合、期日を守るように催促する
・優遇条件を提案し、現金払いに変えてもらう
③キャッシュの流入は増やせないか
・在庫を一掃する
・不動産を担保にし、融資を受ける
・補助金制度を活用する
④キャッシュの流出は減らせないか
・不要なサービスは解約する
・仕入れ先を見直す
・過剰在庫にならないよう調整する
ファクタリング会社を乗り換える
現在は、多くのファクタリング会社が存在します。何とか自社を選んでもらおうと、手数料を安くしている業者も珍しくありません。
そのような会社に乗り換えるのも、選択肢のひとつです。
手数料が安ければ、その分手元には多くのお金が残るからです。そのため、定期的にファクタリング会社を見直すようにしましょう。
ファクタリングの支払い期日まとめ
今回は、ファクタリングの支払い期日について説明しました。結論、どのタイプのファクタリングを利用しているかで支払い期日は変わります。
2社間ファクタリングを利用している場合、支払い期日は契約書に記載されているはずです。いつまでに返済すればよいのか忘れた場合は、一度契約書を見直しましょう。
3社間ファクタリングの場合は、売掛先が直接ファクタリング会社に返済をします。利用者に返済の義務は生じません。
そのため、3社間ファクタリングで契約しているのであれば、利用者は支払い期日について気にする必要はありません。
他に不安ごとがある場合は、利用しているファクタリング会社に問い合わせてみましょう。急ぎでなければメール、急ぎであれば電話で問い合わせることをおすすめします。