ファクタリング利用者必見!手数料の勘定科目について詳しく解説!
2025年3月5日
ファクタリングと通常の会計処理とは、ファクタリング会社の手数料(割引料)を仕訳する必要があるというところが大きく異なります。
「初めてでどのように会計処理をすればいいのか分からない」
「どういうタイミングに仕訳を切るのか」
このような悩みを抱える経営者や経理処理の担当者も多いのではないでしょうか?
さらに、利用するファクタリングサービスの種類やケースによって会計処理の方法が変わってくるため、まずは自社の場合、どのような会計処理をするべきかを把握することが大事です。
ファクタリングの種類で会計処理が異なる?保証型と買取型
ファクタリングは、「保証型」と「買取型」の二種類に分類できます。
保証型ではファクタリング会社が取引先の支払いを「保証」するのに対し、買取型ではファクタリング会社が事業者から売掛債権を買い取ります。
保証型ファクタリングと買取型ファクタリングでは、会計上の扱いが異なるため、それぞれの仕組みを理解した上で、サービスを利用し、適切に会計処理する必要があります。
保証型ファクタリングの仕訳・勘定科目
保証型ファクタリングでは、ファクタリング契約が結ばれると、事業者はファクタリング会社に対して保証料を支払います。
保証料の支払いは、ファクタリング会社からの入金の有無にかかわらず、保証型ファクタリングの契約を結んだタイミングで発生します。
たとえば、事業者がファクタリング会社に対して1万円の保証料を支払ったとすると、以下のように仕訳を行います
<借方> 勘定科目を「支払手数料」として1万円
<貸方> 勘定科目を「普通預金」として1万円
・売掛金が入金された際の仕訳・勘定科目
事業者が取引先に請求書を発行すると、売掛金が発生します。たとえば100万円の売掛金が発生したときには、事業者は貸借対照表に以下のように仕訳を行います:
<借方> 勘定科目を「売掛金」として100万円
<貸方> 勘定科目を「売上」として100万円
取引先から代金を回収できたら、売掛金はなくなり、取引先から受け取った現金が増えるので、事業者は貸借対照表に以下のように仕訳を行います。
<借方> 勘定科目を「現金」として100万円
<貸方> 勘定科目を「売掛金」として100万円
上の例では借方の勘定科目を「現金」として、現金での回収を想定しましたが、銀行振込の場合は勘定科目を「普通預金」とします。
このように、特に代金の支払いにトラブルがなく、期待通り取引先から売掛金が入金された場合には、保証料を仕訳し、売掛金を通常通り処理するだけです。
買取型ファクタリングの仕訳・勘定科目
・売掛金が発生した際の仕訳・勘定科目
事業者が取引先に請求書を発行した時点で売掛金が発生します。たとえば100万円の売掛金が発生したとしましょう。以下のように仕訳を行います
<借方> 勘定科目を「売掛金」として100万円
<貸方> 勘定科目を「売上」として100万円
・ファクタリング契約をした際の仕訳・勘定科目
ファクタリング契約を結ぶと、契約自体は結ばれますが、まだ資金をファクタリング会社から受け取っているわけではありません。この時点では、未収入金として借方に仕訳を行います:
<借方> 勘定科目を「未収入金」として100万円
<貸方> 勘定科目を「売掛金」として100万円
・売掛金が入金された際の仕訳・勘定科目
ファクタリング会社から売掛金が口座に入金されたら、以下のように仕訳を行います:
<借方> 勘定科目を「普通預金」として80万円、「売上債権売却損」として20万円
<貸方> 勘定科目を「未収入金」として100万円
ファクタリング会社は資金が戻されないリスクを考慮し、事業者から手数料をとります。
このため、売掛金の満額が支払われるわけではありません。この差額を「売上債権売却損」として借方に仕訳します。
この仕訳で、借方と貸方の両方に未収入金100万円が現れ、プラスマイナスがゼロになります。
ファクタリングの仕訳における4つの注意点
正しく処理するために知っておきたい注意点について紹介します。
1. 売上債権売却損の勘定科目がある場合はその項目で仕訳する
ファクタリングを利用した場合、勘定科目は「売上債権売却損(売掛債権譲渡損)」で仕訳します。
ファクタリングを利用することで、手数料(割引料)や諸費用がかかり、本来入ってくる金額よりも少なく、損が生じるためです。
ただし、市販の会計ソフトによっては、特殊な勘定科目が設定されていないこともあります。
その場合には、新しく「売上債権売却損(売掛債権譲渡損)」を設定するか、「支払手数料」や「雑損失」などの既存の勘定科目などを使用しましょう。
2. ファクタリング取引は非課税
国税庁の「No.6201 非課税となる取引」によると、ファクタリング取引は「金銭債権などの譲渡」になります。
そのため、取引金額や手数料には消費税がかかりません。
悪質な業者の中には、ファクタリングの取引金額や手数料(割引料)に消費税を上乗せして請求してくるケースがあるため注意が必要です。必ず契約の金額が非課税となっているかを確認してください。
3. 決算期末をまたぐ場合は税金の支払いが必要
ファクタリングを利用するタイミングによっては、契約から入金までに決算期をまたいでしまうこともあるでしょう。
その場合、売掛金の発生時には売掛先との取引を計上していますが、期末時点では売掛先から代金が支払われていない状態になります。
しかし、法人税や消費税はすでに計上した売上をもとに算出されるため、代金を受け取る前に税金が課されます。
そのため、決算期をまたぐ場合は、ファクタリングの契約も決算期末に合わせるなどの対策をすることで、より必要なタイミングに資金を調達することができるでしょう。
4. 国際財務報告基準(IFRS)の場合は会計処理方法が異なる
ビジネス拠点を海外に置くケースなども増え、130を超える法域で採用されている国際財務報告基準(IFRS)を適用する企業は、日本独自の基準とは異なる方法で会計処理をしなければなりません。
ファクタリング会社から入金された時に仕訳を切り、ファクタリングの有無にかかわらず、入金後に計上します。
国際財務報告基準(IFRS)では、ファクタリングは借入に分類されるため、貸方は「借入金」として計上します。
ファクタリングの利用時にかかる手数料(割引料)は、売掛金を譲渡することで生じた損失にあたるため、「売上債権売却損(売上債権売却損)」として仕訳しましょう。
売掛先から入金されたら売掛金を消し、ファクタリング会社に現金化(資金化)した分の売掛金を振り込んだら借入金を消す処理をしましょう。
ファクタリングで資金調達する場合の会計上のメリット
ファクタリングで資金調達する場合、会計上のメリットが2つあります。
・信用情報に影響しない
・オフバランス化できる
以上の2点です。ここでは、それぞれのメリットについて詳しく解説します。
信用情報に影響しない
ファクタリングは信用情報に影響せずに、資金調達ができます。ファクタリングは売掛金をファクタリング会社に譲渡し、支払期日よりも前に現金化(資金化)する資金調達方法であり、借り入れとは異なります。
借り入れの場合には信用情報に借入状況や申し込み状況が記載されますが、ファクタリングを利用しても記載されることはないため信用情報には影響を与えません。
将来的に銀行融資を検討しているが、すぐに資金が必要というケースもあるでしょう。その場合でも、借り入れを増やさずに資金調達できます。
オフバランス化できる
ファクタリングの利用により売掛金を現金化(資金化)することで、オフバランス化できることもメリットです。
オフバランス化とは、資産や取引などを会計上問題のない方法で貸借対照表に記載させないことを指します。
先述のとおり、ファクタリングは融資ではないため、利用しても貸借対照表の負債や資産の科目が増えるわけではありません。
一方、金融機関から借り入れをすると、貸借対照表の負債に借入金が増えます。しかし、ファクタリングなら金融機関からの融資枠を埋めることなく資金調達が可能です。
まとめ
ファクタリングを利用した後の会計処理にはファクタリングの種類や入金のタイミングによって異なるため、利用するファクタリングサービスの仕組みを理解し、自社に合った処理方法を参考にしましょう。
また、仕訳の仕方を知らないと意図しない違反をしてしまったり、悪質なファクタリング業者に騙されたりする可能性があるため、注意点は理解しておくことが大切です。
もし、ファクタリング会計処理のことで不安や疑問があれば、顧問税理士に相談するか、税務署や商工会議所などに問い合わせ、正しい処理方法を教えてもらいましょう。
ファクタリングは融資とは異なり、本来受け取れる売掛金を支払期日よりも前に現金化(資金化)する資金調達方法です。
そのため、会計上の負債が増えることはありません。
信用情報にも影響しないため、利用しやすくなっています。
また、ファクタリングを活用して資産と負債を減らすことで貸借対照表をスリム化できるため、企業としての信用力が高まる可能性もあります。